HempLake

つれづれなるままにつらつらと。文字数がやたら多い。

薔薇のかおりの夕ぐれ

ひさびさの更新、2020年最初の記事は雪組です。

タイトルは昔歌ったことのある合唱曲から。

1幕最後のあのシーンを観てふと思い出したのがこのタイトルでした。

先日観劇してきたONCE UPON A TIME IN AMERICAについて、感想をまとめるのに思ったよりも時間がかかってしまいました。

というのも自分の感情を咀嚼して消化するのがなかなか難しくて…。

いつも観劇後は感想をメモに書きなぐるんですけど、今回はそのメモ書きの時点ですでに9,000字を超えていました。

観劇前日に朝美さんのお茶会にも行ってきたのでその内容に触れる部分だけカットして、あとはほぼ全文ママでお届けします。

というわけで以下めちゃくちゃボリューミーです。

ネタバレ満載です。あらすじにガンガン触れてます。

未観劇の方は観劇後に読むことをお勧めします。

2020/01/05 ワンスアポンアタイムインアメリカ 15時公演@大劇場

2020年観劇初め!!

今回はイープラス貸切公演。S席で、大劇場で初めての1階センターブロックだった!見やすかった!

からの、帰りの電車なう。

なんて言えばいいんだろうこの気持ち。

とりあえずこれは書かねば。

フィナーレのパレードのキャロルちゃんのくるっと振り返った背中が汗でびったびたで色っぽ過ぎてめまいした。

あんだけ男役の格好でオラついたらそりゃ汗もかくわと思いつつ、だめでしょその艶はだめだめって頭パーンってなった。

銀橋で1列になる時はちょうど目線の先が朝美さんで、舞台化粧朝美絢の破壊力に酔いしれた。

はい、現実逃避だね。

…ここからなんて書けばいいのかな。

見てる間、ふとした瞬間に何度かひかりふる路をその席で見てる自分が浮かんだ。

繰り返し、繰り返し。

決断の刻でサンジュストが膝をつくとこからジャコバン派が銀橋に勢揃いして後ろにサンキュロットがババってキメるとこまで。

目の前でくっきり鮮明にみなさんが演じてる様子が再生されて。

大劇場4回目にして初めての経験だ。

月組のIAFAでも1階席だったのに、そんな風にはならなかった。

今日は、目の前で本当にみんなの姿が思い浮かんで。

ああこの席でひかりふる路を生で観たら最高だったろうなって。

音楽も脚本も至高だったあのひかりふる路をこの席から観たかったなって。

うん。

えーとつまり、正直にぶっちゃけると、ワンスがあまり刺さらなかったんだ。

観てて感じたもやみたいなのが最後まで晴れなくて。

壬生義士伝も特に終盤の脚本どうなんだと思いつつ、それでも最後涙が溢れて大変だったけど、

つまり感情移入しまくったんだけど、ワンスではそれが無くて。

なんというか、最後まで入り込めなかった。

そしてそんな自分がとてつもなく悲しかった。

待ちに待った、大好きな雪組の舞台。

歌も演技も素敵なのに、そもそも題材が合わないのか、脚本の問題なのか。

なんでこんなにももやもやが残るのだろう。

老いたキャロルの演技には胸がぎゅーっと締め付けられたけど。

あまりにみすぼらしくて惨めででもうつくしくて。

何度か観れば変わるのだろうか。

この気持ち、どうすれば。

そういえば東宝1789初見の時も何度かん?ん?ってなって、内容に関しては少しもやっとしたもんなぁ。

推し俳優が出てて回数通うから自分を鼓舞するために考えないようにしたけど、正直少し合わないなって思う部分もあって。

通ううちに大好きになったけど。

うーん。

難しい。

語彙が欲しい。

雪組のみんなについて、壬生義士伝ではまだ誰が誰だか全然わかってなくて、全ツでは割とわかってきて、

今では組子の顔と名前がだいぶ一致するようになって、そのせいもあるのかも。

「あ、この人こんなとこに」みたいな見方になると本筋から逸れるじゃん。

初見の時はストーリーを追いたいのに、知識が邪魔をするというか。

知識がある方がわかりやすいこともあるとは思うけど、あまり細部に行きすぎると全体を見る余裕がなくなっちゃう。

あと40分くらい阪急乗るんだ。

少しずつ振り返ろう。

とりあえず記憶を頼りにして、あとで円盤とかパンフとかで答え合わせしよう。

思い出しつつ書いてるうちに自分の気持ちもまとまってくるかもしれないし。

(以下、流れに沿って振り返りつつの感想は色付きでお送りします。第1幕第2幕で色を分けます。)


第1幕

貸切なので開演前ににわさんのご挨拶あり。

わりとラフな格好で登場してびっくり。

あれ、にわさんって何の役だっけ?ってなった。

そして暗転。

おなじみの望海さんの「皆様、本日はようこそ~(以下略)」の前に「あけましておめでとうございます」がついてて

わー新春ってそれだけでテンション上がってうきうきした。

からの幕が空いてすぐにわさん登場。

なるほどカフェ?バー?のオーナーさんだったのか。

そして銃撃の音から回想へ。

ギャングな望海さん。

そしてスーツの男役の皆さま。

朝美さんひとりだけめちゃくちゃ顔白い。メイクも女役のやつ。

え、破壊力、破壊力。

のっけからみんなかっこよすぎる!!!

なかなか面白い始まり方だと思った。

宝塚の群舞大好きなので目が楽しい。

からの回想が終わりヌードルス来店。

あの、おじさまな望海さんめっっっっっちゃかっこいいのだけど!!!

は?すでに致死量超えた。はやい。

かっこいいって言ってもキャーキャー黄色い声あげたくなる感じじゃなくて、渋さが良い。

いい意味でとても普通の人というか、苦労してここまで来たのだなというのが表情や肩からにじみ出てて。

背負ってきた歳月の重み、体に染みついた疲労、言葉に出さなくても伝わるその人生。

登場してすぐにこの空気感、さすがだなぁと。

鍵の話。

そして子供時代のシーンへ。

バレエをしてる娘役さんたちがひたすら可愛い。

ソロ歌唱はヒメさんから。退団さみしい。

みんな可愛いなぁってほわーと見とれてたから希帆ちゃんもその中にいるって気づかなかったよ。

「デボラ歌って」ってみんなから言われるとこで初めて存在に気づいた。申し訳ない。

けど希帆ちゃんの歌はさすが。

みずみずしくて透明感あって少女そのもの。

それでいて未来の成功を予感させる華やかさとうまさがある。

髪型も白いふわっとしたチュチュも可愛かったなぁ。

そして少年時代の望海さんも可愛すぎた!本当に少年だった!!

なんて言うんだろう、ふとした時の仕草や表情、何より瞳の輝きがティーンエイジャーそのものなんだよね。

その視線の先に長い未来が、たくさんの可能性がある、そんな若者特有のキラキラした目付き。

わたし、望海さんの歌だけじゃなくお芝居もほんっとうに好きなんだと再確認した。

でね、もちろん歌も最高!

デボラとヌードルスが皇后と皇帝になりたいって歌う歌、ただの幼い二人が語る夢物語なんだけど、

野心と反骨精神とスケールの大きさを感じさせて、すごく色々なものを内包してると思った。

決してきらきら甘いだけじゃない、ここを出てもっと大きな世界へ羽ばたいてやるっていう気概というか。

ゆめゆめしいだけじゃない泥臭さみたいなのを感じられてものすごく心に残った。

街で悪さする少年たちのシーンへ。

彩海さん縣さんはまぁ当然若いとして、まなはるさんもティーン感満載なのがさすがだなぁと。

ドミニクもパッツィーもコックアイもめちゃくちゃやんちゃでかわいかった。

そして彩風さんマックス登場。

いやいやスタイル良すぎでは??いくらアメリカが舞台とはいえずるい。

マックスがデボラにプレゼントし損ねてヌードルスがさらっとプレゼントするのはここらへんだったっけ?

ヌードルス、あまりにスムーズに手がはやくてこいつーってなった。

いいねぇぴゅあで。まぶしいよ。

そしてヌードルスが事件を起こすシーン。

彩海さんのドミニク、わりとすぐいなくなっちゃって残念だったなぁ。

敵対してる諏訪さんのバグジーもいい味だしてた。新公主役もたのしみ。

捕まったヌードルスを思いながらひとり赤い薔薇を持って歌う希帆ちゃんが切なくてけなげで可愛すぎた。

ここだったかな、幕に鍵の絵が映されながらにわさんが状況を説明するシーン。

あそこ含めちょっと解説じみたセリフが多い印象で。

もちろん状況説明は大事なんだけど、ちょっと説明的だと感じたかな。

月日は流れ、ムショからでるヌードルスを迎えにいくマックスたち。

マックスがヌードルスのために用意した一張羅のスーツ、なかなかの一張羅っぷりだった。

あれ常人じゃ着こなせないでしょ。

普通の人だとスーツに着られちゃいそうだけど望海さんだから着こなしててかっこよく見える。さすが。

そして摩天楼の劇場に出演するデボラのシーン。

そこには小林幸子がいた(褒めてる)。

やーすっごい豪華だね!!

1789のマリーの登場シーンを思い出したしなんならそれよりきらびやかかも!

最初セットかと思った部分まで衣装の一部で、一緒に階段を降りてきたのはびっくりした。

そしてそれに負けない存在感、キュートでフェミニンで色香もあって歌うまで、そりゃ人気出るわこの子スターだわって感じた。

デボラちゃんすごい。

成功したものだけが与えられる場、見られる景色があるんだろうなと。

そこからの天上と地下の差がまたすごい。

そう、お待ちかねのクラブインフェルノのシーンです。

地下の悪女がどうたらみたいな彩風さんのセリフにくるぞくるぞおちつけわたしって脳内でわめくしかなかった。

朝美キャロルちゃん、最強にオンナでした…。

はい昇天。ゴートゥーヘヴン。

座ってるとこから立ち上がる時の胸元、見ちゃいけないものを見た気がした。これはあかん。

オペラグラスの中におっそろしく美貌で色っぽくて艶っぽいオンナがいて、アダルティに歌い上げるわけですよ。

うん、ここは地下だけど天国だね、わたしにとっては天国。ヘヴン。

とにかくありえないくらいの美女だった。

そりゃ稼げるわ。みんな貢ぐわ。

黒いロングドレスに着替えてキャロル再登場。

入店したマックスとヌードルスの元へ。

マックスといちゃつくキャロル。

彩風さんが朝美さんの腰のあたりをあまりにナチュラルに抱えててわー!わーーー!ってなった。

デボラ入店。

そしてヌードルスとデボラの再開。

ここで昔ふたりで語り合った夢について振り返ってるところが何だか切なかった。

そのあと、ヌードルスがひとりになってから成功した彼女と自分を対比して苦しんでるのも辛かったなぁ。

せっかくデボラと再会できたのにさっきなんで嬉しそうじゃなかったのかなって思ったけど、なるほどね。

ヌードルスは刑務所で7年も過ごした中で自己肯定感も削られるし周りから置いていかれたような気分も味わうし、

一方でデボラはすでに地位と名誉を手にしていて、彼女と自分を対比させたらあまりに惨めで絶望したんだろうなぁと。

しんどいね。

仕事部屋みたいなとこでアポカリプスのみんなが話してる時に隅で踊ってるキャロルちゃんをガン見してたら、

ばちこーんってオペラグラスの中で目が合ってひぇってなったあの瞬間心臓止まってた。

そしてイタリアマフィアとの接触(叶さんかっこいい…)と宝石店の襲撃。

この宝石店の女性が映画ではキャロルなんだよね?

このシーン、少しコミカルでアクセントきいてた。

からのマックスがイタリアマフィア射殺。

なんて奴なんだ。

マックスの生き方を思わせる大事なシーンなんだろうけど、マックスわっるーって言いたくなる自分の軽さがいや(笑)

銀橋にキャロルとマックスが出てきてキャロルが殴られるシーンも見ててほんとクソだと思った。

女に手を挙げてその後キスする男って最悪すぎる。

キャロルちゃんはなんでこんな奴好きになっちゃったんだ。

でも彩風さんにこういう役のイメージ無かったけど蓋を開けてみたら良い意味でよくあってると思った。

中身は相当ねじれてて黒いんだけど表向きはスマートで、血の通ってなさと血気盛んさが同居してる感じ、良い。

新しい彩風さんが見れておもしろかった!

そんなマックスへの想いを緑のドレスで歌うキャロルがまた素敵だった。

明らかにマックスへの当てつけっぽい歌詞を艶っぽく歌い上げてて。

冒頭「それ彩風さんまんまじゃん」ってちょっとクスッとしたけど、でもなんだか切ない気持ちになった。

キャロルはマックスがいないと生きていけないんだろうなぁでもそんな生き方を後悔しないんだろうなぁという感じが。

一方マックスからキャロルに対しては愛がないとは言わないけどわりと扱いが乱暴で冷たいじゃん。

うー切ない。

その後も何度かあったけど、状況説明としてキャロルの歌が効果的に使われてた気がする。

CD買いますありがとう。

朝美さんの歌声がまた素敵で。

男役とは全然違うんだけど、でも娘役っぽいわけでもなくドスも効いてて、性別を超越した朝美絢が歌ってるって感じ。

身体の使い方がもうキャロルで、え、伝わらない?とにかく全身キャロルな感じで歌ってて、いやぁ最高だった。

そしてようやくジミー登場。

凪様ジミーめちゃくちゃ良かった。ハマってた。

普通いち労働者が自分の目的を達成するためにギャングに頼ったりする?こわくない?

その行動力がまずすごい。

さらに初対面のマックスたちを乗せてしまう交渉術もすごい。

皆を率いるリーダーシップもあるし、後半では平然と嘘を吐く強かさもあるし、ジミーほんと切れ者って感じだった。

ストの労働者を扇動するシーンの凪様、めちゃくちゃかっこよかったなぁ。

レミゼのアンジョルラスみたいだなって(←私の中で最高の褒め言葉ですこれ)。

凪様のアンジョ見てみたい。赤いベスト衣装もめちゃくちゃ似合いそう。

とにかく皆を率いる姿の説得力と頼れる背中感がものすごかった。

ジミーの衣装も似合ってたな。

あの帽子と服、すごく合ってる。最高。

ところで後で検索してて知ったんだけどこのシーン凪様のセリフ飛んじゃってたんだね?

確かに彩風さんが「ストだろ?そのくらい知ってる、新聞で読んだ」みたいにセリフを引き継いで言ってるなぁと思ったけど、

あれが凪様をフォローしてたとは初見じゃ全く気付かなかった。

アクシデントがあってもそれを気づかせないで破たん無く進めていける。プロってすごい。

話は変わるけど。

今回終始感じたけど、登場人物の中で付き合うなら綾さんニック一択でしょ。

めちゃくちゃ思いやりあって音楽の才能もあって、何より相手のことをいちばんに考えてる。

絶対人を傷つけないし、相手が嫌だと思うことは深追いしない。

そんな紳士っぷりが綾さんの優しい雰囲気にめちゃくちゃ似合ってて素敵だったなぁ。

デボラにとってはいち仕事仲間なのだろうけど、傍にこういう人がいるかいないかってだいぶ差があると思うし、

ニックの存在にはきっとすごく助けられてると思うんだ。

付き合うならニック一択。異論は認めない!!

で、あの問題のシーンですよ。

レストラン貸切のお食事。

レストランなのにお酒が出てくるのの何が変なのかと思ったらそうか禁酒法時代だったね(まだ頭に入ってなかった)。

慣れた体でシャンパン頼むデボラかっこいい。

そして赤い薔薇の部屋でティアラを渡すシーン。

あのお部屋、バックの美しい背景とまがまがしいまでに真っ赤なバラと、絵面が好きすぎる奴だった。

その先の不幸を予感させる緊張感のある美しさ。

デボラがティアラをもらってただ喜ぶのではなく、どうやってそのお金を用意したのかが気になるところ、考えさせられた。

そうだよねただ贈り物貰ってありがとうってわけにゃいかないよね資金源気になるよね。

レストランの貸切も薔薇部屋もティアラも、どう考えてもものすごくお金がいるわけで。

そこが気になるところにデボラのヌードルスへの想いが垣間見える気がした。

デボラって割と何考えてるかわかりにくいじゃん?

だけど、ヌードルスに真っ当な道を歩んでほしくて、真っ当であれば成功者じゃなくてもいいのかもなってふと思った。

けどヌードルスはそれじゃ納得いかないよね。

ようやく再起して幼いころに語り合った夢を叶えようとしてる時に痛いとこ突かれるわけだし。

でも乱暴は良くないよー。

ところでデボラに迫るヌードルス、蝶ネクタイ解くとこかっこよすぎません???は???

周りのオペラグラス掲げ率もすごすぎてちょっと笑ったやっぱみたいよねそこ。

からのあの歌唱。もはや絶唱

ヌードルスの絶望、孤独、それでも拭いされないデボラへの想い、なんかもう、ね…。

ヌードルスの持ってき方の下手さが可哀想になってくる。

そしてソファーであのポーズ。死(わたしが)。

幕間、色々覚書するつもりが貸切公演のプレゼントの案内もあったし何よりほわほわしすぎて全然書けず。

少ししてからようやく動けたのであちこちうろついてみたけど公演メニューのアップルゼリー完売で残念だったな。

こんどくるときはあれぜったいたべる!!

第2幕。

ハバナの風に吹かれに行くヌードルスとマックスとキャロル。

わーキャロルこの衣装ほんっとうにかわいい!

ひらひらしつつも清楚でハットも含めバカンスって感じで最高!

お昼の普段着のキャロルちゃん最高ですねぇ。頬がにやける。

いきなりラテンのショーが始まったかと思うような絵面の華やかさはびびったけど宝塚っぽさ満載だったな。

月組IAFAのあのシーンは唐突すぎて目が白黒なったけどこちらは舞台もハバナだしわかる感じ。

みちるちゃんがまた可愛すぎた。

健全な色気があって、やり過ぎない感じの女の子感が良い。

酔っ払いヌードルスの相手してくれてありがとう。

一転してデボラの帰宅シーン、やっぱ付き合うならニック一択すぎた。ほんといい人。

からのお宅にいる美女、あれだれ?ってなった。

照明ついてオペラで除いてうわーお星南のぞみちゃん!ってびっくりした。

え、まさか生足?ランジェリーにガウン姿でのタバコとか刺激強すぎてツーンなるわ!!

高慢ちきで嫌な女感が迸ってたなぁ(褒めてる)。

なかなかのイメチェンっぷりだよね?

星南のぞみちゃん、清楚でけなげな美人ってイメージだったからひょえええってなった。

そしてサムはわりかしクズだった。まじクズ。

煌羽さんの名脇役っぷりもほんと好きだ。

後半、だんだん思い返すのがしんどくなってきたな。集中力の問題。

そこから一転、クラブインフェルノへ場面が変わり、禁酒法撤廃の歌に。

紫のきらっきらの変形裾のドレス姿のキャロル。

わーーーこの衣装めっちゃ好きーーー!!!

髪飾り、石座チェーンみたいなのに羽とビジュー飾りみたいなのがついててめちゃくちゃお洒落だった!

黒っぽいおっきな耳飾りともよく合ってたなぁ。

今回キャロルのお衣装とアクセサリー色んなのが見れてほんと嬉しい。

このシーンだったかな、他のとこだったかな?確かジミーとマックスが同じテーブルについて話を進めてる中で、

スポットライトの当たらないとこでカクカクお人形みたいなダンスしてるキャロルがめちゃくちゃ可愛かったです。

笑顔に艶があって本当に素敵。

そして連邦準備銀行襲撃の話。

マックスの野望がすごい。

よくもまぁそんな大それたことをと思うけど、これまでもそうやって生きてきたんだろうなという感じで。

それを聞いてる時のキャロルの心配そうな眼差しがつらい。

セリフがないのに表情で感情が伝わる。

そしてヌードルスにマックスを告発するよう頼むキャロル。

必死に縋る姿に胸を打たれる。

あのクズ男を本当に愛してるんだね。

生半可なことじゃ止められない相手を知ってるからこそそんなやり方しかできないってのがもどかしいよね。

そこからのヌードルスが一人苦悩するシーンはただただ圧巻だった。

ダビデの星の歌が胸に刺さった。

混乱し、苦悩し、最後に縋る相手はそこなんだなって。

だめだここはうまく言葉にできないや。

とにかく望海さんがすごかった。ほんとすごい人だ。

そして密告の電話へ。

連邦準備襲撃のシーン。

正直やり方が雑だなぁと思っちゃった。

だってすごいとこに忍び込んでヤバいことやるわけでしょ?そんなんじゃ失敗しちゃうよ。

てかさ、警察とマフィアが手を組んでるって冷静に考えなくてもやばくない??

腐りきってる。

爆破のシーン、キャロルがめちゃくちゃしんどかった。

しんどいつらいしんどい。

そうだよね愛する人を守るために警察に突き出すってそれだけでも辛いのに、まさか死亡って聞かされるなんてね。

半狂乱になりながら黄色テープに縋って、最後「マックス!!!」って割れた声で絶叫するのが、

なんか、その、めちゃくちゃしんどい…えぐるしんどさ。

声を最後に姿は見えなくなるんだけどその声だけで彼女の何かが壊れちゃった感じが伝わるんだ。

ひかりふる路のNHK-BS版だけに拾われてるテルミドールサンジュストの「ッマクシム!!!」って叫びあるじゃん。

あれも相当しんどいけど、この「マックス!!!」はそれをはるかに凌駕する。

愛する人、縋る対象を失った絶望が凝縮されてる。

朝美さんの悲痛な叫び、本当につらかった。

ヌードルスも苦悩してて。

そうだよねそりゃしんどいよね。

自分のせいで親友が仲間が死んだって思うよね。

止めるつもりだったのに、自分もその場に行くつもりだったのに。

あーしんどい。

けど生きてるんだよ、マックス。

ぼろぼろの火傷姿だけど、ジミーに助けを求めて。

生きてるのに。

阿片窟のシーンは今回の中で一番好きなシーンかもしれない。

トリップ感がすごくて、正気なはずのこちらも見ててくらくらした。

禍々しいまでの美しさ。迫り来る過去の情景。

居ないはずの過去の人々が次々に押し寄せてくる。

盆が回りながら舞台がせり上がりながら、ヌードルスとマックスがそれを乗り越えたり降りたりしてるのが新鮮で。

またもひかりふる路で申し訳ないけど、至高の存在の祭典を100倍増しで表現するとああなる気がする。

苦しいのだけど何度でも繰り返し観たくなるような、狂気を究極の芸術へと昇華させたおぞまそしさを感じた。

そしてデボラに振られた時と阿片窟と、やっぱり舞台上でぼろぼろに崩れる我らがトップスター望海風斗。

絶望に満ちた望海さんは最高に美しくてしんどいよね。しんどい。

トランクもカラだしね。

一方で記者会見で辛辣な質問を受けつつもかわすデボラ。

ここでもニックの存在に(わたしが)助けられる。

全てを手に入れて上り詰めたかのようなデボラのこのシーン、これも辛かったな。

何のための努力なのか、むなしさを感じたというか。

そしてファットモーのお店のシーンに戻る。

壮年期の望海さん、やっぱり良いですねぇ。

積み上げた歳月の渋さがたまらない。

そんな中、ラジオの臨時ニュースでベイリー長官とジミーの癒着が流れて。

記者会見のジミーがいきなりオケピから登場(だよね?)でびっくりした。

凪様が銀橋に生えてきた、そんな感じ。

凪様もイケおじになってた。食えない感じの渋いイケおじ。しゃーしゃーと嘘吐くタイプ。

あ、こいつ割とやばい奴だな、一筋縄ではいかなさそうだな、って感じがにじみ出ててとても良い。

そしてファットモーから財団のサナトリウムにキャロルがいると聞かされ向かうヌードルス

車椅子のキャロルと再開。

ぞくっとした。

キャロル、あまりにも生気のない目をしてる。

化粧もあるかもだけど、あれは朝美絢ではない。

いや朝美絢なんだけど。

朝美さんのキラキラの微塵も無い、やつれて堕ちるとこまで堕ちたその様。

心が死んだ、歌姫の面影など微塵もない、記憶喪失のキャロル。

そんな彼女に向かってハバナのことを語りさらにキャロルの歌を歌うヌードルスにまずウッときて、

キャロルの回路が繋がり始めたとこでまたウッときて、キャロルが車椅子から立ち上がって取り乱したとこで

私の心の中の何かが弾け飛んだ。

うーつらかった。ほんとつらかった。

デボラが来て入れ替わりでキャロルが去っていって、ぽとりと一輪の赤い薔薇を落としていった。

あの薔薇はキャロルにとってのマックスだったのかな?

彼女はあのあとどうなってしまうんだろう。

その細い糸を手繰り寄せてやがて全て思い出してしまうのか、それともあのまま空白を頭に残したまま生きるのか。

どっちにしてもしんどいね。

キャロルには幸せに生きてほしい。

そしてデボラと再開するヌードルス

ここの歌、歳月の重みと二人の関係性の変化を感じさせて刺さった。

幼いころは確かに同じ気持ち同じ思いで愛し合っていたのに、やがてすれ違ってしまい、それでもまだ愛は残っている。

それなのに、ふたりが結ばれることはないんだなぁって。

もはや愛という言葉では言い表せないような複雑な感情がお互いの間にあるのがよくわかった。

長官のパーティに行くなっていうデボラ。

けど行くんだろうなきっとって思わせるヌードルスの顔。

場面はベイリー長官のパーティへ。

ここで客が長官のスキャンダルとか後ろ暗いとことかを列挙してるんだけどこの時の娘役のドレスがほんと可愛かった。

ああいうの好き。

そしてベイリー長官の部屋。

そこには渋いイケおじと化した凪様と彩風さんもといジミーとマックスの姿が。

ジミー、ここにきて本当においしい。

裏表のある感じは薄々感じてたけどここにきてあっさりマックスを切り捨てるとは。

しかも自分の手を汚さず、あくまでも自殺という形を取らせる。

めちゃくちゃこわいです…。

出会ったときはマックスの協力を仰ぎにきたジミーっていう立場だったのに、いつの間にか(というかかくまってから)

その立場が逆転してて、ここで最後通牒を突きつけるなんて。

やーこわい。そしておいしい。

そして死を選ばざるを得ない中、それをヌードルスにやらせようとするマックス。

ちょっとずるいと思っちゃった。

そりゃ無理だよ。

ヌードルスからしたら、自分のせいで死んだと思って罪の意識を抱いてた相手が生きてるってだけでショックなのに

それをさらに自分の手で撃ち殺すなんて、そんなことできないよね。

とは言いつつ、一瞬逆上してバーンってしちゃったらどうしようとも思ったけど。まぁしないよね。

ヌードルスからしたらマックスを撃ち殺さないことこそが友情の証なんだけど、結果として見殺しにしたことになるわけで。

どっちにころんでもしんどすぎるね。

ヌードルスがそのままじゃ立ち去って、そしてマックスの自殺とデボラの「マックス!!!」の叫び、えぐられた。

銀橋を歌いながら下手にはけてそのまま幕って新鮮だったな。

結局誰一人幸せにならない終わり方だった。

ざらざらした苦い感情だけが残った。

ある程度予感はしてたけど、でもひたすら苦かった。

で、フィナーレはいきなりの凪様と朝美さんですよ。

うっまぶしい!

緑のキラキラいっぱいついたお衣装。

オラオラしてて楽しそうだね朝美さん。

ぼろぼろキャロルちゃんで終わると見てるこっちが持たないから通常運転な朝美さんを見るとほっとする。

レミゼでジャベールを演じて毎回川に身を投げてた推し俳優がカテコで笑顔だとほっとしたのと同じ心境。

精神的にとてもしんどい役を何度も生きる大変さって想像がつかない。

どうか毎晩ぐっすり眠れますようにと祈りたくなる。

ここらはもうよく覚えてないなぁ。

縣さんロケット真ん中びっくりした。元気が良くてがつがつしててよき。

彩海さんもいたよね?

顔は男役メイクなのに足がセクシーだから脳が混乱する。

望海さんが美女を従えてるとこもよかったし、あとは男役さんがガシガシ踊るとこかっこよかったな。

なんだか彩風さんと朝美さんと縣さんに目がいってしまって。

と思ったら望海さんもめっっっちゃかっこいい!!!

やっぱりすごい人だ。

デュエダンも美しかったなぁ。

衣装も振付も大人っぽい感じで、リフトもあって。

やだーおわらないでーーーって感じ。

そしてヒメさんのエトワール。

やっぱ寂しいよ。

観劇歴の浅い私ですらそう思うよ。

階段降り観て、改めてほんと顔と名前の一致する方が増えて感慨深い。

こんなとこまできちゃったのね、私。

これ以上お金のかかる趣味を増やすわけにはいかないとか言ってたのに、宝塚ははまると怖いってわかってたのに、

いまやこのザマですよ。あーたのしいしあわせ。

今回は望海さん以外羽根なかったね。

銀橋に1列になるとこでキャロルが目線上でドキドキした。

眩しい。18列目なのに致死量のきらきらを浴びた。

からの戻る時の背中!冒頭でも書いたのにまた書くけど!!汗びったんこやないか!!!

ライトが反射してつやつやに光り輝いててあーお客様困りますお客様ーーってなった。発狂。

今回は貸切だから望海さんのご挨拶もあって。

あけましておめでとうございますから始まってそうでした新春でしたってなった。怒涛の内容ですっかり忘れてた。

今年も沢山雪組を見たいですイープラスさま何卒何卒。

私にチケットをお恵み下さい。

ふーとりあえず何も見ずに振り返った!順番なんて知らん!!


改めて振り返って思うこと。

希帆ちゃんのデボラと朝美さんのキャロル存在感の対比が面白かったな。

摩天楼の劇場のスターと地下のもぐり酒場の歌姫っていう立場だけじゃなくて、すべてに対比が効いてて。

のぼりつめたいっていう大きな夢を掲げるデボラと、一人の男性との未来だけを見据えたキャロル。

感情がどこにあるかわかりにくいデボラと、情が深く一途に相手を想いそのために壊れていくキャロル。

1人でも生きられるデボラに恋人が居て、1人では生きられないキャロルが全て失うっていうのも皮肉で。

物凄い対比だ。

キャロル役、娘役さんには難しいだろうな。

朝美さんキャスティングの意味が分かった。

デボラと対比できるくらい存在感あるキャロルができる娘役さんって思い浮かばないもん。

いや、やれば出来るのかもだけど、娘役さんだと「一途な恋」になってしまいそうな気がするというか。

「愛と情」っていうねっとりした深さは朝美さんだからなのかなと思った。

これからまだまだ深まってくのが楽しみだ。

そしてここにきてふと思ったこと。

なぜこれほど消化しきれない感が残ったのか。

自分がギャングものに馴染みがないってのもあるかもしれないなぁ。

原作映画も未見だし、そもそもギャングを題材にしたものを見たことが無いので。

でもそれだけじゃない気がする。

ひとつは自分の想像力の無さが原因なのかもしれない。

ヌードルスやデボラやマックスが育った世界がどんな世界なのか、わかるようでやっぱりわからない。

カギは幼少期にあると思うのだけど。

デボラは皇后になりたいって言ったあと、そのためにショービジネスの世界で成功して王子様に求婚されるっていう

具体的な夢というか過程を語ってるのに対して、ヌードルスは皇帝になりたいとは言うもののどのようにして

どんなルートでなのかっていうところが具体的に思い描けていない感じを受けた。

きっと貧しい中で思い描ける成功像っていうのは限りがあって。

資金がたまったらまともなビジネスを始めるっていうけど、その資金の集め方がひたすら手を汚す系で、

それしか知らない感じなのがしんどい。

ローワーイーストサイド出身、貧しいユダヤの移民の子っていうのがじわじわボディブローのように効いてくる。

元々社会にポジションもなく、さらにヌードルスは前科もあって、本当に悪事で稼ぐしか手が無かったんだろうなって。

貧しい者が一生貧しく生きるしんどさもあるけど、そこから這い出すのにまともな道が無いってとこがよりしんどいんだ。

マックスくらい割り切ってたらマシなのかな。

でもあれもだいぶダーク。

父親の話とか、色々苦しい思いをしたからこそ人一倍野心と野望が凄くてかつ人との距離感が掴めないんだろうなと。

貧困から抜け出すためにはどんなことでもやったし、その時に色々なものを切り捨ててきたんだろうな。

そう思うとマックスも可哀想な人だ。クズだけど。

あの時代のユダヤの民がどんな扱いだったのか想像しかできないしきっと足りない。

そしてそこの部分がわからないときっとヌードルスやマックスに寄り添うことはできない。そんな感じがした。

デボラの読めなさというか感情がわかりにくい感じも這い上がるために色んな仮面を被り続けてきた結果なのかな。

私にはわからない。

宗教も差別も話のメインじゃないけど根底では物凄く重要な要素のはず。

なのに私にはその上澄みを想像することしかできない。

自分の実感として理解することができないんだ。

だからなのかな。

ヌードルスにも、デボラにも、マックスにも、私の中でどこか「わからない」って言葉が付きまとってしまう。

歯がゆい。

そんな状況でも望海さんのヌードルスはやっぱり素晴らしいと思った。

最初、演目が発表されたときは勝手にヌードルスってもっとリーダーっぽい人かと思ってたんだよね。

普段は一歩下がったとこにいるけど何かあったら黒服のヤクザを大勢従えてドンパチの最前列に立つ、

思慮深さと強さもありつつ仲間思いで情が深い人、みたいなイメージ。

いやぁ違ったわ。妄想って怖い。

実際のヌードルスは、情の深さもありつつロマンチストでどこか成長しきれていない部分もあって、

ものすごく人間臭くていろんな場面で毎回苦悩する、とても一言では語り切れない深さのある人物だった。

特に25年間普通の人としてひっそり隠遁生活を送ってたってとこ、説得力がすごかったなぁ。

少年時代から壮年時代まで様々な時代を行きかうんだけど、望海さんはそのすべての説得力が半端ない。

表情やしぐさや衣装の違いから年齢の違いは伝わるんだけど、そうやって違う部分はありつつちゃんと一人の人間が

こうやって成長してやがてこうなっていたんだっていう糸が全く途切れず繋がっている感じがものすごくて。

さらにすべての歌の広がりがまたすごい。

夢を語る少年時代の歌は目の前に大海原が広がっていて漕ぎ出していくみたいな煌めきがあるし、

赤い薔薇の中で歌うとこはマリアナ海溝みたいに深い絶望とそれでも抑えきれないマグマみたいな愛があるし、

最後の歌には乾いた風のような虚無とそれでもその中を生き抜いてきたっていう深い余韻を感じさせる。

望海さんの歌によって空間が色んな感情で満たされていって、こちらはただただそこに溺れることしかできない。

なんて幸せなんだろう。

今の雪組を、望海さんがトップの雪組を観られる幸せを噛みしめてる。

と同時に、いつか来る終わりの日がずっと来ないでほしいと願ってしまう。

初見の感想って大事だと思ったから寝る前に振り返ってたら2時近くになっちゃった。

総括すると、内容を落とし込めない自分にもやもやしつつ望海さんはじめ雪組生の演技に酔いしれたmy初日だった!

映画見たらもっと分かるようになるのかな。

それとも何度か観劇したら見えてくるものがあるのかな。

生で観れるのあと1回だけだけどな。

とりあえず次の観劇がたのしみ!


こんな感じでmy初日感想の振り返りは終わってます。

次回観劇は月末になる予定。

その時までに何度か咀嚼したらまた違った見方になるかもしれないし、何より皆さんも進化されてるだろうし。

やー楽しみですね。

とりあえず今回いろいろやり残したので

・殿堂に行く!

・アップルゼリー食べる!

・いいかげんどのスチール買うか決めて買う!

を次回の目標にしたいと思います。

以下おまけ写真。

まずは近寄って撮ったどどーんと大きい皆様↓

お正月感満載の大劇場とワンス仕様のキャトル前↓

楽しかったです!!長々とおつきあいありがとうございました!!


追記。

上で「次回観劇は月末になる」とか言ってたのに実は今日2回目観に行ってきたんですよね~(笑)

上の記事をまとめたのが昨夜(1月9日)の12時になる直前くらいで、時間が遅かったから予約投稿にしてあって。

そのあと深夜1時過ぎに10日のチケットの譲渡先募集を見かけたからぜひ候補に入れてほしいってお願いだけして寝て、

朝起きたらお譲り頂けることになってたので、ばたばた準備して待ち合わせ場所に向かいチケットを譲って頂きました。

ほんとうにありがたい!!!!!

というわけで書いた時点では全く予想もしてなかったけど、本日5日ぶり新年2回目の大劇場に行ってきたわけです。

いやぁ最高だった.!

2回目の観劇、全く違う見方ができて面白かったです。

それについては余裕があったらまた書きます。

でも、こうやって初見のもやもやした感情を書き出して咀嚼して自分なりに消化したからこそ視野が広がったのかなぁと。

私にとって文章に書く行為は自分の感情を整理するのにすごく効果的みたいです。

今後も細々続けていけたらなぁと思っています。

あ、念願のアップルゼリー美味でした!!!