HempLake

つれづれなるままにつらつらと。文字数がやたら多い。

はじめての初日

はじめに

 

雪組公演『CITY HUNTER/Fire Fever!』はじまりましたね!

ありがたいことに生まれてはじめての大劇場初日の観劇が叶ったので、その感想を忘れぬうちに記していきたいと思います。

今後何度も観るうちにまた感じ方も変わってくるでしょうが、とりあえず初見で感じた事ということで。

 

話の結末に関わる重大なネタバレはたぶんありませんが、ひとつもネタバレを踏みたくない方にはお勧めしません。

あ、あと特に後半朝美さんの事ばっかになってます。

ご贔屓なのでしゃーない。

 

ちなみに観劇前に原作漫画は一度読破しました。

では早速、幕間と終演後のメモを元に感想をまとめていきます!

あ、7000字近くあります!

 

 

2021/08/07 『CITY HUNTER/Fire Fever!』大劇場初日

 

第1幕 CITY HUNTER 感想

 

【幕間】

 

なんかやばかったなドタバタしてた。

雪組にあるまじきくらいドタバタしてた。

 

脚本正直うーんかな。

なんていうか、つめこみすぎ?

原作一通り読んでるからわかるけど初見の方々大丈夫かなって心配になる感じだったなぁ。

1幕に盛り込むのは無理があったかもね。

 

さぁ思いつく限り振り返るぞ〜


開演前、幕がするする開いて思わずざわつく場内。

そりゃそうだ。

スクリーンに「開演五分前」の文字。

この時点であ、IAFAだ!って思うわたし。

文字の上下に原作漫画のカラス(だよね?)も飛んでて、わ〜今までとまったく違う~ってなった。

その後「まもなく始まるよ!」と「CITY HUNTER」の文字も表示されて。

直前までスマホの電源切れないやつですね。

 

幕開きはクーデターのシーンから。

娘役ちゃんが兵隊にいっぱい加わっててオペラグラス大活躍だった!

その後新宿の街の場面へ移り、物語が展開していく感じに。

 

以下雑感想。

 

彩風さんの冴羽獠はかっこいい、けどやっぱり女好きだったなぁ。

おちゃらけた獠ちゃんな場面多数でその後の描き方が大丈夫かやや心配に。

でもかっこいいシーンはちゃんとかっこよくて嬉しかった!

今回も脚の長さを見せつけてくれたし冴羽獠が歌って踊ってるってのが様になってて流石でした。

 

希和ちゃんの香、男勝りでかっこいい!

ご本人あんなにふわっと柔らかい方なのに凄いなぁ。

100tハンマーも大活躍で、貼り付けてある文字も色々あって、毎回オペラで見ちゃったよ。

強くてかっこよくてでも乙女な香、良かったです。

 

朝美さんはけっこう早く出てきた!

もっと後かと思ってた!

葉巻だっけ煙草だっけとにかくたまらんです。

喋り方とかことわざの下りは正直いらんのではと思っちゃった(ごめんなさい)。

でもちゃらちゃらしてそうで実は…みたいな見せ方はさすが。

今回も娘役さんを周りにたくさんはべらせてた訳だけどそれが様になり過ぎててこわいとおもった(褒め言葉)。

 

綾さんの槇村は優しさと包容力があってほんとはまり役だと思った!

物語からの退場がはやいから大丈夫かなと思ったけどその後何度もナレーションやら幽霊(違う)やらで出てきてホッ。

 

あとね、縣さんの海坊主と星南のぞみちゃんの美樹もすごく良かった。

海坊主の筋骨隆々な感じどうすんだと思ってたけど全くの杞憂で。

補正なのか姿勢なのかとにかく縣さんがまわりより一際おおきく見えたなぁ。

海坊主と美樹の信頼感みたいなのもばっちり伝わってきてほんと推したくなるカップル。

 

みちるちゃんの冴子もほどよくセクシーで良かった!

ガーターにナイフ、ありがとうございますありがとうございます。

ほんと、fffのモーツァルトと同人物とは思えないくらい艶っぽかったなぁ。

組替えしちゃうの寂しいけどきっと月組でも輝いてくれるだろうなぁという芸達者っぷり。


てか!これは言っとかねば!!

叶さんの女装びっくりした!!!

客席のざわめきと笑いもむべなるかな。

愛羽あやねちゃんお婆ちゃんな役でかわいいって何事。

叶さんすごいヒールなのにあやねちゃんおんぶしながらはけてってすげ〜ってなった。

 

全体的にコメディ要素たっぷりの中、ぐっと引き締めてくれる千風さんの女優とあみちゃんの豊の演技が良すぎた。

あみちゃんの普段着みたいな衣装にも不覚にもときめいてしまったよ(そこ?)。

 

引き締めてくれるといえば真那さん久城さんも!

なんであの方々は悪役とか反社とかがあんなに似合うんだ。

ほんと雪組になくてはならない大切な役者さん達だと思います。

 

そして諏訪さんの政がおいしすぎた!

なかなか目立ってていい味でてたよ。

ひまりちゃんの葉子の描き方が私的にうーんな訳だけどそれは置いといて諏訪さんとの絡みがひたすら「同期〜」ってなった。

 

あと眞ノ宮さんの北尾も良い味だしてた。

腹に一物どころか何物もありそうな感じ。

眼鏡姿がまた良かったです。

刺さる人にはものすごく刺さりそう(わたしです)。

冴子の部下役の星加さんとの対比も効いてたね。

星加さんは冴えなくてでも人の良さそうな感じが滲み出てた。

これも言わせて!

羽織夕夏ちゃんのかすみのビジュアルがめちゃくちゃ好みです!!!

 

 

こっからは人物というか描き方についての感想。脚本とか演出とかのね。

 

まずは良かった点とか面白かった点。

 

冒頭だけかと思ったらその後何度も舞台にスクリーンが降りてきて映像が表示されてて。

ニュースの場面だったり、主要人物の紹介だったり、街の広告だったり、ドライブデートの背景だったり。

映像があることによって物語や世界観が補完されるし単純に新鮮で面白いと思った。

 

あと、下級生に至るまでたくさん役がついてていろんな場面があって、見せ場がちゃんとあるのは良いと思った。

まぁそれが詰め込みすぎにつながっちゃうんだけど。

でもみんながたのしそうにわちゃわちゃ演じてるのって幸せじゃないですか。

 

次は残念な点とかうーんな点。


物語としては女優からの依頼と王女の警護の依頼のふたつが交錯するわけだけど、なんせ人がいっぱい出てきて組織も絡み合うから原作読んでないとごちゃつくかも。

ストーリー自体が原作準拠という訳じゃないしオリキャラもいっぱいだけど、ある程度の人物とそれぞれの関係性がわかってる方が理解しやすいというか。

原作読んでなかったらどれがどこの誰か把握出来た気がしない。

 

そしてここからがいちばん強く思ったこと。

 

どうしても心の底からは楽しみきれなかった訳ですよ。

〇っこり自体は無かったわけだし、原作と比べるとほんっとうにマイルドになってたけど、やっぱり娘役のおしり触りまくってるのはどうなのかなぁと。

キャアッみたいな感じで軽く進んでたけど痴漢は犯罪でしょ。

そこんとこを女の人だけの劇団でやってるの、わたし的にはやっぱり受け入れ難い。

原作がそういうノリなのは知ってるけどさ、それを「そういうノリ」で済ましてきたのが良くないって時代になってるでしょ。

うーむ。

自分の好きな人がそれをやる側になるのを見せつけられるのってものすごく複雑な気分。

彩風さんファンの皆様はどう思われたんだろう。

せっかくのお披露目なのにって気分がどこかに常にありました。

せめてお尻さえ触らないでくれたら違うのにな。

 

かっこいいとこと面白いとことついてけないとことかっこいいとこがごっちゃになってまだ作品自体の評価が出来ないというのが今の正直な気持ち。

「組子が楽しそうならそれでいい」と「いやそれでいいで済ませちゃだめなんだよ」が交錯してます。

 

 

第2幕 Fire Fever! 感想

 

まずは、終演後の叫び↓


あさみさんが!!!

みまごうことなき!!!

にばんてだった!!!!!


うわーーー泣きそう!!!

感無量ってこういうことか!!!


ふぅ。

落ち着こう。

 

というわけで順に雑に振り返っていきます。

「!」多めです。


結論から言うとFire Feverものすごく楽しくて好きなショーでした。

アツくて大人っぽくて情熱溢れてて彩風さんのお披露目にぴったり!


冒頭、チューニングからのスタンバイする組子が見えてさぁはじまるぞわくわくと思って照明がついたら…!!

いきなり!ドセンに!ご贔屓がいるではありませんか!!!

奏乃さんの歌声に合わせて真っ赤な鳥さんたちがばっさばっさ踊り狂ってて。

その中心に…

 

…朝美さんがいる!!

うわぁすごい光景!

みんなを率いてる……!

 

この時点で鳥肌ですよ。

真っ赤な鳥の情熱的な踊り。

いやぁ朝美さん赤似合うなぁ!知ってたけど!!!

鬘にも赤がはいっててオラオラしくて最高なやつで、冒頭からこんなんでどうしましょって震えた!

 

そして彩風さん、続いて朝月さんが登場。

2人とも黒×金のめちゃくちゃ神々しくてつよつよな鳥。

娘役さんがフェミニンじゃないのかっこよくて好き!!

Fire Feverの曲すんごい耳に残る。

アツくてかっこよくて新生雪組感がものすんごい!

 

朝美さんのね、お衣装が、みんなと同じ赤にみせかけて、腰の布とか頭飾りとかに明らかにキラキラが多いんですよ。

うわぁ!!叫びたい!

漏れそうになる「ひゃあああ」の声をこらえるのに必死でした。


で、次のシーン、なんかめっちゃ前髪盛ったポニーみたいな白黒の鬘の強烈な人いると思って振り返ったら朝美さんだった(笑)

ドン・ジョヴァンニ、娘役さんをごっそり侍らしてまたやってる〜てなってたら思ってた以上にコミカルで笑いが堪えきれなかった。

裾ぴらぴらさせるの愛おしすぎでは???

なんせ前のシーンの朝美さんとのギャップが凄すぎてにやにやでした。


そして待ってましたスーツの場面!!

男役さんみんなかっこよすぎて目が足りない!

スーツに帽子、かっこよくて良いっすなぁ。

とか思ってたらわりとすぐ朝美さんでてきたーー!!汗ーーー!!!

お帽子のリボンにキラキラついてる!!

銀橋に出てきてお帽子取ったら地毛がピンクって天才では!?!?

上の方だけピンクで徐々に金というかアッシュグレーみたいなグラデ、破壊力がものすんごかった!!!

このシーンの彩風さん以外の男役さん達、黒いスーツに黒いベストだけどスーツの下がマーブル模様の鮮やかなオレンジのシャツでお衣装も天才だなって思いました(小並感)

 

その後のスパニッシュ希和ちゃんかっこよすぎる!

ほんと歌って踊れて演技も上手くてなんでもできる娘役さんだなぁ。

あの長くてメートル数の多いもさもさスカートでバレエジャンプみたいなの跳んでて、一瞬の出来事だけどびっくり。

 

彩風さん!白スパニッシュ!!大好きなやつ!!

彩風さんもスパニッシュ姿やたら似合うよね!?

足ながーいかっこいいーーー!!

彩風さんファンの姉が見たら喜びそう!

ほんとダンスがかっこいいよね。

キレキレなのにしなやかで抜け感あって身体の使い方が自由自在。

 

てかこれロケットきてしまうのでは?

の流れで一気に緊張感が押し寄せてきた。

 

下級生のダルマちゃんが登場してオペラ覗いてみたら華世京くん!

や〜華やか!美脚!

みんなふりふりピンクが後ろについたお衣装で娘役ちゃんかわい〜男役さん脳がバグる〜って思いながらどきどきしてて。

あの方を見逃したらどうしようわかんなかったらどうしようとか思ってたけど。

でてきたらすぐわかったわ(笑)

 

キャロルちゃんで耐性ついてるからか思ったより衝撃は少なめだったけどそれよりも!

咲さんは私のモノ感満載で途中から絡みつくようなデュエダンみたいな感じになってて、うわぁキャロルだこれってにやけが止まらんかったです。

ひとりだけどう考えても束縛感がつよい(笑)

それをさらっと流す彩風さんの安定感もさすが(笑)

 

綾さんのダルマは脳内バグが起きないのに縣さんのダルマは脳内バグが起きるのなんでなんでしょうね。

あみちゃんは美人すぎた!

みんな顔が男役なのに脚は美人のそれでほんと見てごめんなさいありがとうございますって感情がジェットコースターになった(笑)。

目が足りなすぎたので今度はもっと色んな人を見たいけど朝美さんが出てるから難しいかも。

でも上級生男役さんのダルマちゃんとみたいよ〜

りーしゃさんとか!まなはるさんとか!

今後の観劇の目標ができた!がんばる!

 

70人ロケットはもう圧巻の一言だった!

シルクロードが人数減らしてたのもあって圧が!ものすんごい!!!

みなさん東京千秋楽までがんばってくださいませ〜

 

そして久城さんが出てきて次の場面。

いやぁ久城さんほんと歌上手い…!

劇場を包み込む柔らかで伸びやかな歌声に思わず惹き込まれちゃった。

ロケット出てないそうで残念でもあるけど、この歌声この空間支配力はその残念さをうわまわる素晴らしさだなぁと。

ぐっとくるものがありました。

 

久城さんが語る希和ちゃんと綾さんの物語へ

希和ちゃんのグリーンのワンピース可愛いなぁ。

香とはまったく違う儚げな美少女。

セリフはないのに2人の関係性が心にすっと染み入ってきてものすごく素敵だった。

 

彩風さんの火の鳥が出てきて想いを吹き込むシーンへ。

その後真っ赤な色彩に溢れて一気に場面が華やかに…!

火の鳥衣装好きだなぁ。

羽みたいなマントがついた方々もいて鮮烈な印象。

今回で退団するメンバーが前に出てきて彩風さんと踊る場面はじーんとくるものがあった…!

沙月さんと星南のぞみちゃんのダンスもっと見ていたいよ。

 

縣さんのダンスシーンはかっこよすぎた。

大劇場でひとりっきりなのにそんなこと感じさせない存在感。

その後に続く下級生たちもそれぞれに見せ場があって胸熱だった。

愛羽あやねちゃんひときわ小柄なのにエネルギッシュですき!

眞ノ宮さんのダンスもばっきばきかつ色気たっぷりですきだー!!

一禾さんもキレキレだし日和さんもかっこいいしだんだん感想が雑になってきたぞ。

あみちゃんはどんどん爆イケな男役になってきてびびる…!


そして大階段にスタンバる娘役さんと彩風さん

銀色のキラキラなお衣装素敵だなぁ。

ひとりひとり彩風さんに絡んでくとこ、それぞれも持ち味が出てて良かった。


ギラギラお衣装な男役さんたちが降りてきたらまた真ん中に朝美さん。

ビジューみたいなのがひとりだけ赤。

他の面々は緑、黄色、紫かな?

センターでみんな引き連れて踊ってるよぅ。

階段降りへの期待と不安がわくわくそわそわどきどき増してきたぞ。

 

彩風さんと希和ちゃんが2人とも大階段から降りてきてデュエダンへ。

ネイビー×シルバーの大人っぽいお衣装。

希和ちゃんの袖がアシンメトリーなドレス着こなしが難しそうだけど素敵だ…!

2人の信頼感とあたたかな関係性が伝わってくるようなデュエダンだったなぁ。

銀橋に出てきてご挨拶で割れんばかりの拍手。

ほんと良かったねぇってこちらまで胸がいっぱいになったし、私も目いっぱい拍手したよ!

 


さぁくるぞどきどき

 


エトワールは愛すみれさん。

さすがの美声。

パワフルで伸びやか。


降りてくる皆さんに拍手しながらそわそわが最高潮に。

2階席だから出てくるとこ下半身しか見えないんだけど、綾さん縣さんのあと白いふわふわが見え隠れして、わわわわわわって。


うわあきたよまってたよしんじてたけどほんっとうにきたよ!!!

まっしろな!おっきい!!はね!!!

あさみさん、にばんてだーーー!!!

 

思わず視界がぼやけたよ。

ファン歴が浅い私ですらそうなんだから下級生の頃から応援してきた方たちの感慨たるやいかばかりか。

本当に最高の光景で胸熱でした。

 

そっからはもうただひたすらふわふわ幸せな気分で。

手に持ってるの線香花火みたいでかわいい〜と思いながら、彩風さん希和ちゃんおめでとう朝美さんおめでとうってずっと身体がほかほかしっぱなしでした。


彩風さんのご挨拶は相変わらずちゃんとしてそうでぐだってく感じでにやにやしちゃったよ。

間の開き方がなんとも言えず面白くて、でもひたすら幸せな空間でした。

彩風さんの率いる雪組、今後もほんと楽しみだなぁ。

 

 

おわりに

 

はじめて初日を観劇して何がどうなるか全くわからない中、ほんと嬉しい驚きだらけで幸せでした。

正直シティーハンターはまだ肌に合わない感満載だけどFire Feverはめちゃくちゃ好きなやつだったので、今後自分の受け取り方がどう変わっていくのかたのしみです。

 


今夜はいい夢が見られそう〜

 

おまけ

お写真あれこれ

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羨望と恐怖

先日、私のご贔屓朝美絢さん主演の「ほんものの魔法使」観劇してまいりました。

とても色々考えさせられた良い舞台でした。

生配信を前に、自分の初回の感想をちゃんと言葉で記しておきたくてあれこれ書いています。

 

 

 

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原作を読んで

 

ポール・ギャリコ作のファンタジー小説が原作のこの舞台。

マジシャンが集う魔術都市マジェイアに、アダムという青年ともの言う犬モプシーがやってくるところから始まります。

アダムが使う魔術、それはマジックではなくほんものの魔法のようでした。

彼の登場によりマジェイアの人々は大きく心を乱されることとなり、やがて…。

まぁざっくりこんなお話です。

 

本当は何も情報を入れず原作も読まずにmy初日を迎えようかと思っていました。

でも、初日が5月21日、my初日が5月25日というのもあって初日以降Twitterの感想を薄目で眺めるのには限界があり、5月23日、24日で原作を読みました。

 

原作の感想をひとことで言い表すのは難しいです。

観劇前日の夜遅くに読み終えたのですが、とにかく不思議な余韻が自分の中に残り続けていました。

なんというか、思っていた以上に大人向けのファンタジーだなぁと。

もちろん、内容としては子供も楽しめると思います。

わたし自身もきらびやかで華やかな魔術の街の様子やピクニックで出かける牧場の素朴な景色を想像してその世界に浸ってもいました。

でも、それ以上に作品の持つメッセージ性を自分の中でどう落とし込むか、言葉にならないもどかしさを感じてしまって…。

ただひとつ言えるのは、とても「残る」小説だなぁということです。

 

 

以下、メモを参考にしながら当日の様子と感想、そして観劇後からふつふつと考えてることについて記していきたいと思います。

いちおう書いておきますがネタバレもありますのでよろしくお願いします。

 

2021/05/25 ほんものの魔法使@宝塚バウホール

 

前置き


はじめてのバウ!

朝から、というか昨夜から異様にそわそわしてて、昨日は買い物のあと原作読んだり色々調べたり見たりしつつでなんだかんだ寝るの12時すぎたのに今朝起きたのは6時。

なのに家を出たのは8時半近くだから困ったもんだ。

ずっとそわそわしすぎで服がなんだかしっくりこなくて何度も着替えたり、1度家出たのにエレベーターのガラス面に映った自分の姿を見て靴を履き替えに戻ったりで、とにかく落ち着きがなかった。

あとネイル若干欠け気味なのも気になるし髪もゆえなかったし無念極まりない。

でも!いいの!朝美さんに会えるから!!


で、10時すぎに宝塚南口着。

 

宝塚大橋から大劇場を望むのが好きなんだけど、今回はちょうどタイミングよく阪急電車も通ったので嬉しい!


その後、まずレビューショップへ立ち寄り気になっていたスミレッ子のバッグを購入し、キャトルでスチールやらプログラムやらも購入。

 

いよいよバウホールへ。

 

へ〜こう繋がってるのか。

大劇場は何度も来てるはずなのに入り口がそんなところにあってバウホールがそんなとこに存在してたとは知らなかった…!

あまりきょろきょろしてビギナー感が出るのも恥ずかしいなぁと思ってとりあえず何食わぬ顔で前の方に続いたけど、内心「ほえ~」「うわ~」って興奮しっぱなしだったよ!

 

そしていざ座席へ。

え、ちっさ!

後方列なのにちかい!

めちゃくちゃ見やすいホールじゃないですかーーー!

こんな空間で、こんな距離で、朝美さんを見ちゃっていいの???

死ぬのでは??

 

という訳で以下感想。

不思議な余韻に包まれてるので乱文だけど許してほしい。

 

ざっくり感想


登場シーン、あまりにきらきら眩しくてオペラグラス持つ手が震えた。

オペラグラスの中で目が合って思わず心臓が止まりそうになった。

この人はなんてかっこいい人なんだ…!

知ってたけど、でも、あえて言わせて欲しい。

顔が良い。めちゃくちゃ美しいし綺麗だし整ってる。

顔ではなく歌や演技や立ち振る舞いなど舞台人としての姿全般を好きなつもりだけどやっぱり顔もすきだ。

うーんこれは負けた(なにに)。

 

てかなかなか難しいうた歌ってるな!?

ここに限らず全体的に歌いこなすのが難しそうな歌が多いと思った。

それなのに伸びやかで全てを包み込むみたいな優しさとあたたかみがある。

観るたびに「うわぁ歌がまたうまくなった~」って思わせてくれるとこも好き。

生まれ持った華やかさもあるけどほんと努力の人だと思う。

 

マジェイアの皆がマジックしてるところはそれぞれもっとじっくり見たかった!

なんかこちゃこちゃやってるのはわかったけど目が足りない!

 

衣装と髪型もそれぞれ凝ってて可愛くて全員まじまじと見たかったなぁ。

星加さんメフィスト、黄泉の帝王さんみがあるんですが!?とてもよく似合ってる!

日和さんダンテの長髪くるくるも私的にかなり突き刺さる!

彩みちるちゃんのチャイナ服姿異様にかわいい~~~

羽織夕夏ちゃんのエジプトみのあるビジュアルもとてもすき!!

 

そしてひまりちゃんのジェインもめちゃくちゃかわいい!

カントリーガールなお洋服がひまりちゃんの雰囲気にぴったりだし、例のレースのふりふり靴下もほんっとうにお似合いだ。

ハンプティ・ダンプティを歌いながら踊ってるとことか可愛すぎて悶えそうだった。

 

縣さんのモプシーも可愛いなぁ!

喋る犬ってどんな感じだろうって思ってたら喋る犬そのものだった!

アダムにあれこれまくしたてるのも可愛いし、他の人が話してる時に暇そうにひとり遊びしてるのも可愛い。

それでいて瞬発力と爆発力はさすがのひとことで、うわ〜すごいな〜ってうきうきした。


華世京くん凄いな大抜擢だ。

1箇所噛んじゃってたとこもあったけど、言い直した後も落ち着いてて、若いのにすごいなぁと。

これが初セリフなんだよね?

めちゃくちゃセリフ量多くない??

わ~これからが本当に楽しみだ。

 

市長さんのおうちでいろんなマシーンの娘役ちゃんにもみくちゃにされる朝美さんアダムがいちいち可愛すぎて困った!こんなん見ちゃっていいんですか!!

ご贔屓の主演作品を生で観られてるってだけで幸せなのにまさか無垢で可愛い姿を存分に堪能できるなんて聞いてないよ!!ありがとうございます!!!

すわんちゃんもかわいかった~

糸電話のシーンも和んだしおやすみの歌はとにかくあったかい気持ちになった。

 

2幕冒頭の娘役ちゃんたちにもってもてな朝美さんアダムはなんかもうごちそうさまって感想しか出てこない!

牧場の場面では何といっても蜂さんたちが良すぎた。

カレンさんさすがすぎます。存在感がものすごい。

 

今回いろんな場面で思うけど下級生のいろんな子たちにまでセリフや歌があるのが良いよね。

まだ全員ちゃんとわかるわけじゃないから、この機会に把握できるようになりたいなぁと思った。

 

 

 

試験会場の朝美さんアダム、いきなりばっちばちにキメた茶燕尾の正装になっててひぇってなった!

からのばっきばきのダンス!イケイケキラキラマジック!!聞いてないよ!!これが朝美絢か!!!

無垢で素朴な青年がいきなりあんなんしたら高低差で耳キーンってなるよ!

可愛い姿に溶けてたぶん破壊力が半端なかった~私のライフはもうゼロだ。

ひまりちゃんジェインのお衣装もほんっとうに可愛いし蝶々さんたちも優雅で華やかで眼福そのもの。

 

でも、皆が降ってくるお金を拾うシーンで、心がスンってなった。

原作を読んでた時にも感じたこの感情。

うまくことばにできないもどかしさがある。

なんだろう、この気持ち。

まだ言葉にならないけど、凄く余韻の残る舞台だ。

 

からのフィナーレ!

こんなに短時間にギュギュっと「男役朝美絢」が詰め込まれていいんですか???

登場したところから頭がぱっかーんって吹き飛んでそこから最後まで体感5秒だった…!

早着替えすっごいな。

何よりひとり黒燕尾でライトを浴びる朝美さんの美しさたるや…!!

神々しさすら感じた。

キラキラしてて、センターで、嬉しいねぇ。

なんかもうばっきばきにかっこいいし、黒燕尾を男役を率いてセンターで踊るなんて感慨深すぎて、「うわぁぁぁぁ」以外の語彙を失ったよ。

デュエダンもきらきら!幸せ!!

アダムさんとジェインの物語のその後を見るような多幸感に満ち満ちててほんっとうにしあわせだった~

 

朝美さんのご挨拶、さっきまであんなにイケ散らかしてたのにいきなりぱやっとした雰囲気になってて愛おしすぎた。

「今日は梅雨には珍しい太陽さんさんな日ですね。こんな日はみんなでピクニックでもしたくなりますが、いまは集まるわけにはいかないので、オレンジスカッシュなりチキンなり、個人個人で、おうちで楽しんでもらえると嬉しい?(ここで首コテン)、うれしいです!!」

って感じだったと思う!

チキンは無理だけどオレンジスカッシュは買って帰ったよ!

 

改めて。

いろんなメッセージがちりばめられた余韻の残る舞台で、朝美さんの可愛いお姿もかっこいいお姿も拝見できて、下級生の新たな魅力も知れて、本当に良い舞台だったなぁ。

木村先生素敵な作品をありがとうございます!

 

観劇後に思うこと

 

観劇してから数日、まだうまく言葉にならないけど、舞台を見てから感じていることを少し書き留めておこうと思います。

 

この物語にはハッと来るメッセージが随所に散りばめられていると思いました。

ファンタジーとしてサラッと流そうと思ったら楽しく流せるけど、あとからじわじわ色んなものがにじみ出てきて、とてもひと言では言えない感情を味わっています。


強いメッセージ性を感じたのは、身の回りにほんものの魔法があり誰もがそれを持っているという点です。

どうしても自分には無理だとはなから諦めてしまうことってあるじゃないですか。

でも誰もが心の中の箱にある自分を信じる力を取り戻して、過去にも未来にも行ける想像力をもとに、自由に世界を描いていけたらほんとうに幸せだと思うのです。

わたしはできる。わたしはやれる。

その感覚って本当に素晴らしいものですよね。

 

じゃあ自分は自分のことを信じてあげられているだろうか。

ちゃんと思い描いた未来を叶えようとできているだろうか。

一部は現実となったものもあります。

でもまだ無理だと諦めてしまう部分もあります。

どうやったら自分の心の箱を大事にできるのか、それはとても難しいことだけど決して目をそらしたくない部分だと思いました。 

 

そしてもう一つ感じたこと。

こちらの方はより大きくぐるぐると私の中で巡っています。


この作品は、ファンタジーでありながら、人間の欲深さや妬みや醜さをよく描いてると思いました。

原作読む前に子供向けふわふわファンタジーかと思ってたのに、読後「えっ」「うっっ」ってなったあの感じ。

あれが舞台にもよく出ていたと思います。

 

うまく言えないんですけど、わたしは「怖い」と感じたんです。

 

少なくとも私は、心温まるファンタジー、としてまとめる気分にはなれませんでした。

何度か見たらもっとうまく言葉にできるようになるのかもしれませんが、とりあえず今思うことを書いておきます。

 

私が怖いと感じたのは、自分たちとは違う異質なものを排除しようとする動きについてです。

その動きって日常の中でもよくあるじゃないですか。

ちょっとでも目立つ行動をしたり、人と違うことを選択したりすると、その存在を異端視して攻撃するっていうのはどこの世界でもあると思います。

 

その人はただ自分らしくその場にいたいと思っているだけなのに、それが世間の「当たり前」から外れていると、いつの間にか陰口や排除の対象になっている。

きっとその根底にあるのは「羨望」「恐怖」なんだと思います。

本当は自分もそうなりたいのになれないと諦めている場合、そうなれている人を目の当たりにすると羨ましくて妬みたくなったり。

自分の存在する世界の秩序を守りたいと思っている場合、そこに当てはまらない人間に均衡を崩されてしまうかもと怖くなったり。

だからといって他者を攻撃して良いわけではありません。

 

アダムが孤独を吐露するシーンはひたすら胸に来ました。

ただそのままでそこに存在していて、自分の当たり前をありのままに生きているだけなのに、それが人とは違うという理由だけで排除の対象になってしまう。

素朴で無垢だからこそ、人々とのふれあいでいろんな感情を向けられてより一層孤独感が深まるアダムの姿を観て、本当に苦しくなりました。

 

現に私も何度かそのような経験をしました。

人と違う思考や行動、世間一般から外れたルート、そういうものを選択することが多い人生です。

いじめにもあったし、陰口も言われたし、周囲との摩擦や疎外感を感じて自分から集団を去ったこともあります。

人と違う自分を当たり前だと思っていても、どうしてもどこかで比較して落ち込んでしまうこともあります。

 

でも、攻撃される側の経験もあるけれど、攻撃する側とまではいかなくとも自分の中に醜いもやっとした感情が広がった経験もあるのです。

 わたしはなんであの人じゃないんだろう。

 なんであんなふうになれないんだろう。

 羨ましい。妬ましい。そう思ってしまう自分が嫌だ。

アダムの孤独もわかるし、マジェイアの人々の羨望や恐怖もわかってしまうんです。

 

マジェイアの人々はアダムのことがものすごく羨ましく、ものすごく怖かったんでしょう。

自分たちが努力して地道に練習して作り上げた種も仕掛けもあるマジック。

それはにせものの世界をほんものとして見せようとするもので、私はそれ自体も凄いことだと尊敬しています。

それをいきなりやってきた青年がほんものをそのまま見せてしまったら、自分たちのやってきたことが揺らいでしまうし、自分たちの将来も危うくなってしまうでしょう。

羨望や恐怖が生まれても仕方のないことだと思うと、どうしてもマジェイアの人々にも共感してしまうのです。

 

それを解決する手段として降ってくるお金にはぞっとしました。

客席から見ているとこぞってお金をかき集める皆をなんて浅ましいんだろうと思うけど、でもじゃあ私があの場にいたら、お金を拾わずにいられるんだろうか。

その答えは保留にしておきたいというのが正直な気持ちです。

拾いますとも拾えませんとも断言できない自分がいるのです。

だって、お金は根本的な解決方法ではないから。

きっと手に入れたところで空虚感が残るだろうし、それでも目の前にかりそめの解決方法が提示されたら、そこにすがりたくもなると思うです。

 

私が怖くなったのは、アダムに共感しつつも、自分もマジェイアの人々と同じ側面があると思ってしまったから。

まだうまく言葉にし切れていないけどとりあえずそういうことだと受け止めています。

 

マジェイアの人々には、自分たちがやってきたことをそのまま信じてあげてほしいです。

そして私も。

自分にもほんものの魔法が使えると信じて、自分の中の箱を大事にして、諦めず腐らず一歩一歩前に進んでいきたいものです。

 

 

色々書いてきたけどこの作品は本当に良い作品だと思います。

2度目、3度目と回を重ねると自分の見方も変わってくるかもしれません。

今日の配信、そして明日はまたマジェイア入りしてきます。

次はどんな風に感じか、自分でも楽しみにしています。

 

 

話は変わって

 

朝美さんのことはファントム以前から気になっており壬生義士伝で完全に落ちてワンスでお茶会デビューしたわけなんですけど、実は先日fffの期間中にようやく会に入りました。

というわけで今回が初めて会員として観劇した点でも記念すべき公演となります。

何事も決断するのに時間のかかる私。

でもじっくり考えて心の準備をした分喜びもひとしおでした。

 

これからもっと深く朝美さんのことを応援していきたいと思います!

 

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おまけ 大劇場と阪急電車

 

初心に帰る

ふしぎね、わたしのじんせいがはじまった、そんなかんじ〜

 

 

毎回レミゼが始まるたびにそう歌いたくなります。

この日を待ってた…!

なんせ私のミュオタの入り口がレミゼだったから、やっぱり特別感がものすごいです。

もはや私の生きがいでもあり心の栄養剤でもあります。

 

レミゼ沼に落ちた時の過去記事はこちら↓ 

hemplake.hatenablog.com

hemplake.hatenablog.com

 

というわけでレ・ミゼラブル2021年my初日について振り返っていこうと思います!

 

 

前置き

 

今年のmy初日はプレビュー公演!

プレビュー公演とは、ざっくりいうと本初日の前にお客さんの前で通しの舞台稽古を公開する公演といった感じ。

レミゼは複数キャストなのでプレビュー公演も4日間あり、この期間は本公演よりもちょっとだけチケットがお値打ちです。

とはいえプレビュー公演は舞台稽古というよりもはやただの本番でしかないです。

ついにこの日が来たというキャストの熱量、すでに高い完成度ながらもこれから進化していくという伸びしろ、ようやく今年のレミゼが始まったというお客さんの熱狂、そんなものをビシバシと感じられる公演なのです。

 

私は2017年からレミゼを観始めましたが、プレビュー公演を観劇するのはこれが初めてでした。

2017年は地方公演からの観劇、2019年は帝劇まで行ったもののプレビュー公演ではなく理生ジャベの本初日。

というわけでプレビュー公演にはあこがれがありました。

だって、プレビュー観た人の感想あさって「へーこの人はそういう感じなんだ」って自分が観に行く日までにあれこれ妄想を膨らませるのって楽しいじゃないですか!

誰もまだ知らない新キャストの魅力をいち早く生で観られるっていいな~って思ってました。

 

というわけで今年は初めてプレビュー公演のチケットを入手。

特に今年は新型コロナウイルスの影響か制作発表と歌唱披露がなかったので、新キャストの皆さんがどんな感じなのか全く未知でわくわくも倍増でした。

ちなみに取ったのはプレビュー3日目のチケットなんですけど、なぜかというと上原理生さんのジャベールのプレ初日だからです。

プレビュー4日間通うのは無理となるとやっぱり推しが最優先になるよね~。

 

以下、当日のメモを元に感想などを振り返っていきます!

一幕二幕の感想はほぼ時系列なのでレミゼを知ってる方は場面を思い出しながらどうぞ。

 

 

2021/05/23 レ・ミゼラブル プレビュー3日目 @帝国劇場


初めてのプレビュー公演、熱量がものすごかった!!!

 

開演前

 

まず帝劇に行く前に日比谷シャンテヘ。

というのもレミゼのパネル展が開催されてるとTwitterで知ったので。

シャンテの地下とミッドタウンの地下通路に行って見てきたよ!

雪組fffのとき望海さんの広告ジャック見るためにあちこちさまよった甲斐があってだいぶ土地勘がつかめてきた気がするなぁ。

いっぱい写真撮れたし帝劇向かうぞ~

 

帝劇が見えてきたときから「わ~来ちゃった!!!ていこくげきじょう!!!」って興奮がヤバかった。

はじめてじゃないはずなのに、やっぱり毎回興奮するね。

この特別感はさすがのひとこと。

いつ以来かなぁと思ったら2019年エリザベート以来だ…!

 

着いて、「ん?」と思ったこと。

入口の外側のガラスのところと入ってすぐの上のところに装飾がない…。

いつもはリトルコゼットのイラストとかワンデイモアの写真の垂れ幕とかどどーんとあるじゃん。

なのに今回はないぞ。

そしてキャストボードが至る所にある。

なるほど~密防止か。

うまく工夫してあってよいと思うし特にキャストボードがいっぱいあるのは喜ばしいけど、装飾性が少ないのはちょっぴりさみしさもあるなぁ。

 

いざ客席へ。

この重厚感、帝劇きた~ってなる!

そして始まる前の緊張感がものすごい。

なのに抑えた興奮も感じる。

ついにこの日が来た。みんなそう感じてる気がする。

 

もうね、オケのチューニングから違うんだよ。

なんというか、音の響き方が深い。

ほんとにほんとに始まっちゃうぞ~ってそわそわが止まらない…!

 

というわけで今日のキャスト↓

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2021/05/23 Les Miserables

 

第一幕

 

や ば か っ た ! ! !

 

指揮者の手が動くのが見えて、客席が真っ暗になって、冒頭の♪ジャジャーン♪ジャッジャジャーーーンで既に鳥肌がぶわっっっときた…!!

この時点で泣きそう。あまりにもはやい。おちつけ自分。

 

もうなんか音の厚みが違う。

オーケストラも、アンサンブルも、ひたすら分厚い。

これがレミゼか…!そうだったこんなだったよ!!

杉浦さん相変わらずええ声だ~。

 

そしてジャベールが前に出てくるシーン、理生ジャベーーーうおーーーって(心の中で)叫んだ。

今年も、こんな状況でも、推しのジャベールが観られるって、ほんっとうにしあわせなことだね。

しっかし光夫さんうたうますぎるな???

なんというか、野生のバルジャン。

 

全体的に埃っぽくて汗臭そうできたない。

そうだこの汚さむさくるしさがレミゼだった。

しばらく宝塚観てるとこの世界観が新鮮。

 

独白後の拍手の待ってました感に鳥肌…!

拍手から熱狂を感じる。ものすごい圧。

帝劇が割れるぞ。

ほんとひゅーひゅーふぉーふぉー歓声が飛び交ってもおかしくないような熱狂ぷりだった!実際は無言だけど!

 

もうね、アンサンブルの厚みが素晴らしすぎる。

そうだこれもレミゼだ。このアンサンブルの分厚さもレミゼ

ファクトリーガールさん小柄なのにめちゃくちゃ怖いぞ。

明らかに工場長と良い仲なんだけども。今回はそういう演出なのかな。

 

濱めぐファンテはほんと清らかで儚くて世間知らず感がすごい。

少女がそのまま年だけ重ねたみたい。

無垢で人に強く食ってかかることができないファンテ。

以前の濱めぐファンテより弱弱しさが増してる気がする。

夢やぶれても素晴らしかったけど濱めぐさんの本気はこんなもんじゃないと知ってるぞ。

 

ラブリィレディで改めて感じたこと。

レミゼのこの社会の闇の描き方ほんと胸に来る。

それぞれがここにたどり着くまで、そしてそれを受け入れるまでを思うと辛すぎる。

その中でもかつら屋さんの表現すごく好きだった。

なんかファンテを煽りつつ同情してる感じ?とても新鮮に感じた。

あと、女性たちの「♪いるのは金だけさ」の さ の余韻が劇場に広がってく様が本当に悲しくてつらい。

んでジャベールはやなやつだなぁ。

曲がったことができないって知ってるけどさぁ。

もうすこし柔軟に目の前の「人」を見てあげてよって思っちゃった。

もちろんこれがジャベールなりの正義って頭ではわかってるんだけども。

 

Who Am Iの光夫バルのにーよんろくごーさーーーーーんの突き抜け方ものすごい!

すっこーーーーん!!!

正直光夫さんのTwitterの件はまだもやもやしてて、何事もなかったかのように過ぎていったのがううううん?で、それは今も変わらないんだけど、やっぱり歌声はものすごいなって思った。

役者の素行と板の上の様子を切り離すべきか否か。切り離せないよね。難しいね。

 

濱めぐファンテが目が開いたまま亡くなるのはまじキツいなぁと今回も。

ガラスのように透き通った目がほんとつらかった。

そして対決はどう見ても光夫バルの圧勝。ジャベールがんばって〜。

 

リトコゼちゃんの登場でオペラグラスがぐわっと上がる周囲。

歌声がこっちこちに緊張しててうおーがんばれーって全力で応援したくなった。

そりゃ緊張して当然だよね。あんなに小さいのに舞台で一人。

ほんとにすごいと思うし尊敬しかないよ。

そして谷口マダムはやばく怖い。

リトコゼちゃんがとってもちいちゃいぶんマダムのデカさが際立って威圧感半端ない。

 

橋本テナよいな〜良すぎる!

見た目も中身もきたなくて(褒めてる)絶対近寄りたくない。

それでも茶目っ気があって魅力的なんだよね。

谷口マダムと橋本テナ、なかなかバランス良くて好きだ。

宿屋の歌はグロいけど楽しいよね~。

本当は記念コンサートみたいにこっちもノリノリで手拍子したい。

 

光夫バルがリトコゼちゃん迎えに来たあとぶんぶんに振り回しててひゃーってなった。パパつよい。

 

ベガーズ!ガブローシュちっこかわいい!!

うおーーきたーーーマリアンーーーーーー!!!

 

え、木内アンジョかっこいいな???

めちゃくちゃ良い声!!クリアで透き通るのに芯がある!

なんか学生っぽい爽やかさがものすごい。

それでいて革命に向かう熱さもあって、これは好きなアンジョ。

わたしのなかで揺るがない絶対的アンジョは理生アンジョだけど(1度しか観てなくてもはや神格化されてる)、それを抜きにすると観てきた中では相当好きな部類だ。

もちろんまだまだこれからの面もあるんだろうけど今後が楽しみ。

木内アンジョつぎ観れるのはいつだ。もっとみたい。

(調べたら取ってる帝劇公演は木内アンジョ固定だった。思わず笑いつつガッツポーズ。)

 

対する三浦マリの可愛さはもはや異常。

ぱやぽやしててかわいい。あふれ出る弟み。

歌声はまだまだ伸び代ありって感じだけど所作とかだいぶ良くなってる気がするなぁ。

何よりコゼットが一目ぼれをする説得力のあるマリウス。

 

そしていくちゃんエポの違和感たるや。

どうしてもこれまでコゼットだと思ってきたので私の頭がまだ混乱してる。

でもちゃんとエポニーヌの発声になってるし歌も悪くなかったよ。

失礼ながら思ってた以上にちゃんとしたエポニーヌだった。

けど私は昆ちゃんエポやふうかエポがとても好きなので。

これからいくちゃんなりのエポニーヌの感情がもっともっと肉付けされていってほしいなぁと思った。

 

敷村コゼちっちゃいな!

 

(時代的に)久々登場のジャベ、目がぴきぴき言ってて怖すぎた。

衣装やメイクのせいもあるかもだけど体の厚みまで増してる気がするくらいの存在感。

対する橋本テナの存在感も良いな。

小物感とその裏にある食えないオヤジ感。とってもしたたかで好き。

 

スターズ!スターズ!!

今日も最高でした!語彙どこーーー??

きっちりかっちりまっすぐでかっこいい!

音圧ー!音圧ーーー!!

脳みそふっとんだーーーーーー!!!

 

ガブかわいい〜〜

そして学生たちきた!

やっぱり木内アンジョよすぎでは?

イケメンオーラが眩しいんだけどカリスマ性というより仲間を思いやる感じ。

「♪マリウスわかるけれど〜」がほんとに分かってるタイプのアンジョだ。

つい木内アンジョをオペグラで追ってしまう。木内アンジョよい。

あれだ、音量は伸び代だけどとにかく声が良い。

すこーんって気持ちよく突き抜ける。

群れとなーりてーーーのところもすごいよかった。

 

民衆の歌はとにかく杉浦フイイが好きすぎて困る。

いつもいつもかっこよすぎるし歌がうますぎる。

ひとり高台に上ってソロ歌うところがほんと好きなんだよ。

「♪屍超えて拓け明日のフラーーーンス!!!」のとこ。良いよねぇ。

 

プリュメ街。

敷村コゼなんか鉄砲玉みたいだ。

上じゃなくて前に伸びる声。

そして小柄な体から想像できないくらいの強めコゼ。

これは光夫バルにも対等に立ち向かえそう。

圧倒的まっすぐな正しさをもってるように見える。

なんていうんだろう、生徒会に入ってそうだし、おつりが多かったらその場でぱきっと言いそうだし、テストの採点ミスで自分の点が下がるってわかってても先生に申告に行きそう。つたわれ。

小柄で華奢だからか15,6歳にみえてかわいいんだけどとにかくつよい。

そして三浦マリとの身長差がただひたすら萌える。うわーーーすき!!

あとヅカ式の実際にしないキス良いね。今後もこれでいいんじゃない?

 

きたーーーワンデイモアすきーーー!!

ここでも木内アンジョよいな。

そしてそして理生ジャベの音圧やっぱりすごい!!

あといくちゃんエポの声が伸びてよく聞こえる。

この歌聞くとほんと頭が沸くんだよ。

レミゼさいこう!あたまいたい!!手が腫れるほど拍手したよ!!!

 

第二幕 


レミゼは本物の炎使うのがいいよね。

木内アンジョと並んだ時の理生ジャベのつよさよ。

数々の戦を乗り越えてきた戦士感が半端ない。

「♪昔は~俺もたたかった~」が久々だから新鮮ににやけちゃったよ!

知ってる。めちゃくちゃ強かったよねあなた。信ぴょう性半端ないっす先輩。

 

On My Own、いくちゃん歌は上手いなぁと改めて。

表現的にもう一皮突き破ってほしいという気もするけど、そもそもエポというよりいくちゃんとして見ちゃう自分がだめなのか。

難しいね~。

 

嘘の作戦を語る理生ジャベの説得力がものすごい。こりゃ信じるわ。

案の定ころっと騙されてる木内アンジョ可愛い。やっぱり学生なんだね。

ガブローシュが正体見破ったポーズのあと理生ジャベの頬ぺちっとして煽ってて、理生ジャベがうがーって叫びながら犬みたいに噛み付こうとしてた。なにあれ。よい!

 

なんか木内アンジョ三浦マリだとバリケードの儚さもろさが際立つ気がする。

二人ともまだ学生だから、崇高な理想を掲げても民衆がついてこない感じもわかるし、それがわかるからよりしんどい。

なんかガラスの結晶でできたバリケードって感じ。

透き通ってて美しいんだけど少しの衝撃であっという間に粉々に砕け散ってしまいそう。

 

恵みの雨もほんとしんどいね。

いくちゃんエポ、歌いながら何度もビクッって痙攣してる感じになってて生々しくて痛そうだった。

おでこにそっとキスする三浦マリに胸がきゅっとなる。

 

光夫バルの登場でぐわっと厚みの増すバリケード

なんか1人で立て直せそう感がつよい。なんだこの存在感は。

 

バルが砦からジャベを逃がすとこで、光夫バルの歌の合間に理生ジャベが「バルジャン俺をころせえええ!」って叫んでて怖かった。

去り際の背中の余韻がやや短い気がしたけどそれでも伝わる心境。

 

Drink With Me辛いね。

どうしても杉浦フイイー好きーーーってなっちゃうけどだからこそしんどい。

木内アンジョが歌い始めた仲間たちを見て、バルに慰められるように励まされるようにポンっとされてたのも胸に来たし、何より川島グランの「♪偽りじゃないのか」でアンジョに対峙する様がしんどすぎる。

なんだかショック受けてる感じがする木内アンジョ。

儚いぞ。このバリケードは落ちる(確信)。

 

光夫バルの彼を帰してが安定の良さで鳥肌。

ただ強いだけじゃない優しさがある。

 

「♪市民は来ない~」の木内アンジョがほんとしんどいね。

やけくそ気味の学生たちが辛い。

そのなかでも三浦マリのやけっぱち感がぶっとんでていのちだいじにしてってなる。

撃たれた三浦マリに駆け寄るのに川島グランにお前の場所はあっちだろって示されて砦に駆け上がる木内アンジョの図にウッてきた。

木内アンジョの散り方儚すぎない??あっさり儚く散っていって辛すぎる。

川島グランがみんな死んでから覚悟決めて木内アンジョと同じ位置で撃たれるのもほんとしんどい。

胸が痛い。張り裂けそう。心臓に尖った刃が突き付けられてる。

 

そうね、光夫バルは生きてるよね。なんだこの説得力。

砦に駆け寄ってからの理生ジャベがぴきぴき崩れてく様が本当につらい。

さっきからつらいしんどいしか出てこない。

 

橋本テナの下水道良いなぁ。においがしそうな下水道。

「♪丸い月が見下ろすだけ~」のところ、神の物語の中でテナの泥臭さが際立つなぁと改めて思った。

 

光夫バルめちゃくちゃつよい。

そんなに小柄じゃないはずの三浦マリをあっさり運ぶ。

つよい。

 

そんな光夫バルと対峙する乱れまくってる理生ジャベ。

うわぁしんどい。めちゃくちゃしんどい。

自殺がとくに凄すぎた。凄まじかった。

刺さるとか抉るじゃなくて粉々に砕かれた。わたしが。

ジャベールのゆらぎが、心の葛藤が、歌声に乗ってばんばん迫ってくる。

なんて人だ。私はなんて人のファンをしてるんだ。

もう感情がおいつかない。ひたすらくるしい。あたまがぐちゃぐちゃ。

そんなに自分を追い込まなくても良いのに。

ひたすらまっすぐで、でも揺らぎもある、そんな自分もそのまま全部受け止めてまるごと愛せたならば、こんなにしんどい場面を迎えずに済むのに。

それでもまっすぐだからこそ自分を許せないのが理生ジャベなんだなぁ。

この壊れ具合、あふれる人間味がたまらなくつらい。

本当に辛くて苦しくてここが家なら泣きわめいてた。

 

ルーセルがまたしんどいんだよね。

戦いに加わらず見捨てたのはあなたたちだって言いたくなる気持ちと、自分たちの生活もあるもんねって気持ちと、感情を麻痺させないとやってられないよねこの時代って気持ちと、いろんな感情が入り混じってぐちゃぐちゃになる。

そこから続く三浦マリのカフェソングも悪くなかった。しんどいね。

 

敷村コゼはしっかりしててマリウスより年下なはずなのに貫禄がある。

そして、光夫バルの話聞いて、ぽけ?ハッ!な三浦マリがとにかくかわいい。

結婚式幸せだね〜。

学生たちが転生して生き生きしてるこの場面はほんと癒し。

後ろで軽快にこちょこちょ動いてる木内給仕ついみちゃった。

これからのはっちゃけに期待。

 

エピローグでこらえていた涙腺が崩壊した。

「♪預けた子だ 私は父じゃない」の後の敷村コゼの間髪入れないつよめの「パパ!」 に泣く。

光夫バル、なんて幸せそうなんだろう。

 

舞台上に出てきて客席をぐるっとゆっくり見渡す木内アンジョが良すぎた。

「♪彼ら夢見た明日が来るよ」、そう信じたい。

なぜここに理生ジャベがいないんだろう。うわ~つらい。

どうかジャベールにも魂の救済を。

 

終わってからの拍手がもうほんと物凄かった。

順に挨拶するところでどんどん拍手がすごくなっていって、理生ジャベや光夫バルのところでは割れんばかりどころかどっか割れてたくらいの拍手で、ほんとすごかった。

今までで一番くらいの熱狂だった。

どうかこの思いが届きますように。

私もそう願わずには居られなくてめちゃくちゃ拍手した。

バルジャベが肩組んで去るのも良いね〜

ほんとみなさまお疲れ様でした!!のどかわいたよ!

 

改めて思うこと

 

何度か通うと感覚が麻痺してくるけどレミゼってほんとしんどい演目だなぁと改めて感じました。

この感覚を取り戻せてほんっとうによかった。

 

どうしても、何度も通うと見方が変わってきちゃうじゃないですか。

なんというか中の人目線になっちゃうというか、物語を純粋に追うのではなくキャスト同士の比較だったり相性だったりそういうものをより重視しそうになっちゃう。

まぁもちろん今回もそういう見方もしてたわけだけど。

でも、なんだか新鮮にえぐられるようにしんどかったです。

 

私は、砦が落ちるところの胸を締め付けられるような辛さに慣れたくない

そこの部分をエンタメとして消費する人間になりたくない。

改めてそう感じました。

 

レミゼって、そんなに気軽にほいほい何度も観られる演目じゃないんです。

この感覚を忘れたくない。

まぁ、そんなこと言いつつ今年も何度も観るつもりなんですけど。

でも、コロナ禍で開催されるレミゼで、しかもプレビュー初日っていうので、なんだか初心に帰ることができた気がします。

 

一度きりのその場の感情の揺れ動きを大切に。

何度観ても初めて観た時のピュアな気持ちを忘れずに。

 

これからも大好きなレ・ミゼラブルを好きでい続けたいと思います。

 

 

おまけ

 

せっかく行ってきたのでパネル展と帝劇の写真をちょこっと。

次に列に加わるのは7月になります!進化と深化がたのしみ!!

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パネル展 シャンテ&ミッドタウン

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ひさびさの帝国劇場!

 

おひっこし、からの改めて自己紹介

2021年、あたらしくはてなブログに引越してきました。

今まではFC2blogを使っててそれほど不満はなかったのですが、なんとなく。

しばらく更新あいちゃったし心機一転、程度の軽い考えです。

いちおうFC2blogの古い記事も移行してありますが、移行したデータのまんまいじくってないので行間とか文字の大きさとかがめちゃくちゃで読みづらいと思います。

ずぼらなもので全部に手を入れるのが億劫なのでそこはご容赦くださいませ。

以下、改めて自己紹介なんぞしていこうと思います。

 

 

私がブログを書く理由

 

そもそもなぜ私がブログを書くのか。

それは、美しいもの見たはなから薄れゆく自分の感情を何とかして書き留めておきたい…!と思うからです。

 

何かうつくしいものを観たら心を動かされるじゃないですか。

なのにその時の感情ってどんどん忘れていってしまって自分でもなかなか思い出せないのがもどかしいんです。

その時心を動かされたものって自分の人生にとってきっと大事な意味があると思うんですよね。

そういったものを一つ一つ書き留めていくことで、ああこの時の自分こんなこと考えてたんだなとかこんなことに惹かれてたんだとかを、あとからでも振り返ることができればいいなぁと思って書いています。

つまりは個人の感想、備忘録です。

 

もちろんいろんな人に読んでもらえたら嬉しいしコメントとかもらえたら小躍りしちゃうけど、きっと誰も読まなくても書き続けると思います。

だってわたし自身が過去のわたしの文章を読みたいから。

 

というわけで改めて自己紹介なんぞしていこうと思います。

 

わたし とはどういう人物か

 

一言でいうと、「好き」にとことん埋没していく人です。

好きなもののためなら全国どこでも一人で気軽に行けます。

このコロナ禍、それがなかなか自由に叶わないのが地味にストレスだったりしますね。

 

そんなわたしの好きなもの。

いっぱいあるけど、その中でも特に好きなのはフィギュアスケートとミュージカルと宝塚歌劇団雪組とハンドメイドとファッションと恩田陸ですかね(おおい)。

その中でも、私の生活に多大な影響を与えまくっている前3つについて軽く語っていきたいと思います。

 

すきなものそのいち:フィギュアスケート

 

フィギュアスケートの沼にずぶずぶはまっていく過程でターニングポイントは何段階かあるのですが、その中でも2012年ニースの世界選手権はとても大きいポイントでした。

きっとまたどこかで書くと思います。というか書ければいいなと思います。

 

2012年THE ICEでアイスショー鑑賞デビューをし、2012年の仙台NHK杯で試合観戦デビューもしました。

以後8年間で過去にスケートを見に行った都道府県は、北海道、宮城、埼玉、東京、神奈川、新潟、長野、静岡、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、広島、福岡(抜けあるかも…)。

海外はそれぞれ中国の上海(2014年中国杯)、フィンランドヘルシンキ(2017年世界選手権)、韓国の江陵(2018年平昌オリンピック)での観戦経験があります。

その中でも思い出に残る試合は2012年NHK杯(仙台)2017年世界選手権(ヘルシンキ)2018年平昌オリンピック(江陵)ですね。

こうやって振り返ると生で沢山の素敵な演技をみられてほんと幸せだなぁと思います。

 

好きなスケーターは多々いますが、現役では羽生結弦選手宮原知子選手の滑りに語彙力を無くすことが多いです。

Twitterを見てればどの界隈に興味があるかはわかると思います。

 

すきなものそのに:ミュージカル

 

ミュージカルにはまるきっかけは2017年のレ・ミゼラブルでした。

それまでも子供向けミュージカルとか劇団四季とかは観たことがあったものの、あくまで2~3年に一回のおたのしみ程度でした。

でも、あの年のレミゼで私の人生は大きく変わりました。

その年は3回レミゼを観たんですけど、1回目ですごいな~また観たいな~となってチケットを追加し、2回目でわぁキャストが違うとこんなに違うんだそれなら別の組み合わせも観てみたいと血眼でチケットを探し、3回目のレミゼでの“運命の出会い”を果たしてずどんどごーんと沼に落下したわけです。

あの時上原理生さんのアンジョルラスに出会っていなければ私はミュージカルの沼に生息していなかったはず。

本当に衝撃的な体験でした。

詳しくは前ブログから移行した記事に書いてあります。

 

hemplake.hatenablog.com

 

それ以降いろんな劇場でたくさんのミュージカルを観てきました。

好きな劇場は博多座です。

あそこの1階特B席(1階後方の一段高くなってる場所)がめちゃくちゃお得で好き。

劇場前におっきいパネルがあるのもうきうきするし、入ってすぐの商魂たくましいお土産ゾーンみたいなのも大好きです。 

 

すきなものそのさん:宝塚歌劇団雪組

 

雪組にはまる過程も何段階かあって話せば長いですが。

実はヅカの初見は雪組ではなく宙組だったんですよ。

 

2016年に大学の課外授業の一環で大劇場に行って、お芝居とショーでものっすごいキラキラを浴びてこりゃはまったらやばそうだなとは思ったものの、その時はまだスケートの方で手いっぱいでなかなかそれ以上広がらなかったんです。

あとからあれは朝夏まなとさんと実咲凛音さんのトップ時代だったんだと知りました。

入場前に引率の男性教授が「今の宙組は若くて芝居はいまいちだがダンスが本当に良い」と言っていて、(こんなヅカオタだらけの空間でいまいちだなんていったらファンに殺されるべ)と内心思ったのを覚えています。

そしてさっき、演目のタイトルを調べようとしてあれが生田大和先生の作品だったと知り、わ~そうだったんだ~と驚きました。

なぜなら私の“親”が生田先生作のひかりふるだからです。

 

最初に雪組に興味を持ったのは東宝版の1789にはまっていた時。

Twitterを眺めていたら1789のあとにひかりふる路をセットで見るとなかなかえぐられるからおすすめと書いてあって、へー面白そうだなと思ったのがきっかけです。

ちょうどNHKBSで放送があったので録画してみて、トップの2人のあまりの歌唱力の高さに度肝を抜かれました。

望海風斗さんか、スケートのTLでも何度かお名前拝見してたな……まさかこんなにすさまじい神のような歌唱力を持ったお方だったとは!!!真彩希帆ちゃんもめちゃくちゃうまいし何よりすんごくかわいいいいいい!!

そんな感じでほんと衝撃的だったんですね。

というわけで望海さんと希帆ちゃんは私の中で特別な存在です。

 

その後2019年2月ファントムの東京千秋楽をはじめてライブビューイングで見て帰路雪の中アドレナリンでほくほくあったかくなるという体験をし、2019年6月に壬生義士伝ではじめての生観劇を果たし、その後なぜだかカフェブレイクの放送を見て朝美絢さんにすとーんと落ちて今に至ります。

現在は雪組を生きがいとしていて月組もほんの数回観ていて宙組も一度観に行って他組にも興味がある、そんな感じです。

 

おわりに

 

このブログでは主にミュージカルと宝塚を観た後の感想を書いていけたらと思っています。

Twitterとかでは収まらない長文をこっちにつらつら残していくつもりです。

文章が長くなることには定評があるので覚悟しといてください。

以上!

 

薔薇のかおりの夕ぐれ

ひさびさの更新、2020年最初の記事は雪組です。

タイトルは昔歌ったことのある合唱曲から。

1幕最後のあのシーンを観てふと思い出したのがこのタイトルでした。

先日観劇してきたONCE UPON A TIME IN AMERICAについて、感想をまとめるのに思ったよりも時間がかかってしまいました。

というのも自分の感情を咀嚼して消化するのがなかなか難しくて…。

いつも観劇後は感想をメモに書きなぐるんですけど、今回はそのメモ書きの時点ですでに9,000字を超えていました。

観劇前日に朝美さんのお茶会にも行ってきたのでその内容に触れる部分だけカットして、あとはほぼ全文ママでお届けします。

というわけで以下めちゃくちゃボリューミーです。

ネタバレ満載です。あらすじにガンガン触れてます。

未観劇の方は観劇後に読むことをお勧めします。

2020/01/05 ワンスアポンアタイムインアメリカ 15時公演@大劇場

2020年観劇初め!!

今回はイープラス貸切公演。S席で、大劇場で初めての1階センターブロックだった!見やすかった!

からの、帰りの電車なう。

なんて言えばいいんだろうこの気持ち。

とりあえずこれは書かねば。

フィナーレのパレードのキャロルちゃんのくるっと振り返った背中が汗でびったびたで色っぽ過ぎてめまいした。

あんだけ男役の格好でオラついたらそりゃ汗もかくわと思いつつ、だめでしょその艶はだめだめって頭パーンってなった。

銀橋で1列になる時はちょうど目線の先が朝美さんで、舞台化粧朝美絢の破壊力に酔いしれた。

はい、現実逃避だね。

…ここからなんて書けばいいのかな。

見てる間、ふとした瞬間に何度かひかりふる路をその席で見てる自分が浮かんだ。

繰り返し、繰り返し。

決断の刻でサンジュストが膝をつくとこからジャコバン派が銀橋に勢揃いして後ろにサンキュロットがババってキメるとこまで。

目の前でくっきり鮮明にみなさんが演じてる様子が再生されて。

大劇場4回目にして初めての経験だ。

月組のIAFAでも1階席だったのに、そんな風にはならなかった。

今日は、目の前で本当にみんなの姿が思い浮かんで。

ああこの席でひかりふる路を生で観たら最高だったろうなって。

音楽も脚本も至高だったあのひかりふる路をこの席から観たかったなって。

うん。

えーとつまり、正直にぶっちゃけると、ワンスがあまり刺さらなかったんだ。

観てて感じたもやみたいなのが最後まで晴れなくて。

壬生義士伝も特に終盤の脚本どうなんだと思いつつ、それでも最後涙が溢れて大変だったけど、

つまり感情移入しまくったんだけど、ワンスではそれが無くて。

なんというか、最後まで入り込めなかった。

そしてそんな自分がとてつもなく悲しかった。

待ちに待った、大好きな雪組の舞台。

歌も演技も素敵なのに、そもそも題材が合わないのか、脚本の問題なのか。

なんでこんなにももやもやが残るのだろう。

老いたキャロルの演技には胸がぎゅーっと締め付けられたけど。

あまりにみすぼらしくて惨めででもうつくしくて。

何度か観れば変わるのだろうか。

この気持ち、どうすれば。

そういえば東宝1789初見の時も何度かん?ん?ってなって、内容に関しては少しもやっとしたもんなぁ。

推し俳優が出てて回数通うから自分を鼓舞するために考えないようにしたけど、正直少し合わないなって思う部分もあって。

通ううちに大好きになったけど。

うーん。

難しい。

語彙が欲しい。

雪組のみんなについて、壬生義士伝ではまだ誰が誰だか全然わかってなくて、全ツでは割とわかってきて、

今では組子の顔と名前がだいぶ一致するようになって、そのせいもあるのかも。

「あ、この人こんなとこに」みたいな見方になると本筋から逸れるじゃん。

初見の時はストーリーを追いたいのに、知識が邪魔をするというか。

知識がある方がわかりやすいこともあるとは思うけど、あまり細部に行きすぎると全体を見る余裕がなくなっちゃう。

あと40分くらい阪急乗るんだ。

少しずつ振り返ろう。

とりあえず記憶を頼りにして、あとで円盤とかパンフとかで答え合わせしよう。

思い出しつつ書いてるうちに自分の気持ちもまとまってくるかもしれないし。

(以下、流れに沿って振り返りつつの感想は色付きでお送りします。第1幕第2幕で色を分けます。)


第1幕

貸切なので開演前ににわさんのご挨拶あり。

わりとラフな格好で登場してびっくり。

あれ、にわさんって何の役だっけ?ってなった。

そして暗転。

おなじみの望海さんの「皆様、本日はようこそ~(以下略)」の前に「あけましておめでとうございます」がついてて

わー新春ってそれだけでテンション上がってうきうきした。

からの幕が空いてすぐにわさん登場。

なるほどカフェ?バー?のオーナーさんだったのか。

そして銃撃の音から回想へ。

ギャングな望海さん。

そしてスーツの男役の皆さま。

朝美さんひとりだけめちゃくちゃ顔白い。メイクも女役のやつ。

え、破壊力、破壊力。

のっけからみんなかっこよすぎる!!!

なかなか面白い始まり方だと思った。

宝塚の群舞大好きなので目が楽しい。

からの回想が終わりヌードルス来店。

あの、おじさまな望海さんめっっっっっちゃかっこいいのだけど!!!

は?すでに致死量超えた。はやい。

かっこいいって言ってもキャーキャー黄色い声あげたくなる感じじゃなくて、渋さが良い。

いい意味でとても普通の人というか、苦労してここまで来たのだなというのが表情や肩からにじみ出てて。

背負ってきた歳月の重み、体に染みついた疲労、言葉に出さなくても伝わるその人生。

登場してすぐにこの空気感、さすがだなぁと。

鍵の話。

そして子供時代のシーンへ。

バレエをしてる娘役さんたちがひたすら可愛い。

ソロ歌唱はヒメさんから。退団さみしい。

みんな可愛いなぁってほわーと見とれてたから希帆ちゃんもその中にいるって気づかなかったよ。

「デボラ歌って」ってみんなから言われるとこで初めて存在に気づいた。申し訳ない。

けど希帆ちゃんの歌はさすが。

みずみずしくて透明感あって少女そのもの。

それでいて未来の成功を予感させる華やかさとうまさがある。

髪型も白いふわっとしたチュチュも可愛かったなぁ。

そして少年時代の望海さんも可愛すぎた!本当に少年だった!!

なんて言うんだろう、ふとした時の仕草や表情、何より瞳の輝きがティーンエイジャーそのものなんだよね。

その視線の先に長い未来が、たくさんの可能性がある、そんな若者特有のキラキラした目付き。

わたし、望海さんの歌だけじゃなくお芝居もほんっとうに好きなんだと再確認した。

でね、もちろん歌も最高!

デボラとヌードルスが皇后と皇帝になりたいって歌う歌、ただの幼い二人が語る夢物語なんだけど、

野心と反骨精神とスケールの大きさを感じさせて、すごく色々なものを内包してると思った。

決してきらきら甘いだけじゃない、ここを出てもっと大きな世界へ羽ばたいてやるっていう気概というか。

ゆめゆめしいだけじゃない泥臭さみたいなのを感じられてものすごく心に残った。

街で悪さする少年たちのシーンへ。

彩海さん縣さんはまぁ当然若いとして、まなはるさんもティーン感満載なのがさすがだなぁと。

ドミニクもパッツィーもコックアイもめちゃくちゃやんちゃでかわいかった。

そして彩風さんマックス登場。

いやいやスタイル良すぎでは??いくらアメリカが舞台とはいえずるい。

マックスがデボラにプレゼントし損ねてヌードルスがさらっとプレゼントするのはここらへんだったっけ?

ヌードルス、あまりにスムーズに手がはやくてこいつーってなった。

いいねぇぴゅあで。まぶしいよ。

そしてヌードルスが事件を起こすシーン。

彩海さんのドミニク、わりとすぐいなくなっちゃって残念だったなぁ。

敵対してる諏訪さんのバグジーもいい味だしてた。新公主役もたのしみ。

捕まったヌードルスを思いながらひとり赤い薔薇を持って歌う希帆ちゃんが切なくてけなげで可愛すぎた。

ここだったかな、幕に鍵の絵が映されながらにわさんが状況を説明するシーン。

あそこ含めちょっと解説じみたセリフが多い印象で。

もちろん状況説明は大事なんだけど、ちょっと説明的だと感じたかな。

月日は流れ、ムショからでるヌードルスを迎えにいくマックスたち。

マックスがヌードルスのために用意した一張羅のスーツ、なかなかの一張羅っぷりだった。

あれ常人じゃ着こなせないでしょ。

普通の人だとスーツに着られちゃいそうだけど望海さんだから着こなしててかっこよく見える。さすが。

そして摩天楼の劇場に出演するデボラのシーン。

そこには小林幸子がいた(褒めてる)。

やーすっごい豪華だね!!

1789のマリーの登場シーンを思い出したしなんならそれよりきらびやかかも!

最初セットかと思った部分まで衣装の一部で、一緒に階段を降りてきたのはびっくりした。

そしてそれに負けない存在感、キュートでフェミニンで色香もあって歌うまで、そりゃ人気出るわこの子スターだわって感じた。

デボラちゃんすごい。

成功したものだけが与えられる場、見られる景色があるんだろうなと。

そこからの天上と地下の差がまたすごい。

そう、お待ちかねのクラブインフェルノのシーンです。

地下の悪女がどうたらみたいな彩風さんのセリフにくるぞくるぞおちつけわたしって脳内でわめくしかなかった。

朝美キャロルちゃん、最強にオンナでした…。

はい昇天。ゴートゥーヘヴン。

座ってるとこから立ち上がる時の胸元、見ちゃいけないものを見た気がした。これはあかん。

オペラグラスの中におっそろしく美貌で色っぽくて艶っぽいオンナがいて、アダルティに歌い上げるわけですよ。

うん、ここは地下だけど天国だね、わたしにとっては天国。ヘヴン。

とにかくありえないくらいの美女だった。

そりゃ稼げるわ。みんな貢ぐわ。

黒いロングドレスに着替えてキャロル再登場。

入店したマックスとヌードルスの元へ。

マックスといちゃつくキャロル。

彩風さんが朝美さんの腰のあたりをあまりにナチュラルに抱えててわー!わーーー!ってなった。

デボラ入店。

そしてヌードルスとデボラの再開。

ここで昔ふたりで語り合った夢について振り返ってるところが何だか切なかった。

そのあと、ヌードルスがひとりになってから成功した彼女と自分を対比して苦しんでるのも辛かったなぁ。

せっかくデボラと再会できたのにさっきなんで嬉しそうじゃなかったのかなって思ったけど、なるほどね。

ヌードルスは刑務所で7年も過ごした中で自己肯定感も削られるし周りから置いていかれたような気分も味わうし、

一方でデボラはすでに地位と名誉を手にしていて、彼女と自分を対比させたらあまりに惨めで絶望したんだろうなぁと。

しんどいね。

仕事部屋みたいなとこでアポカリプスのみんなが話してる時に隅で踊ってるキャロルちゃんをガン見してたら、

ばちこーんってオペラグラスの中で目が合ってひぇってなったあの瞬間心臓止まってた。

そしてイタリアマフィアとの接触(叶さんかっこいい…)と宝石店の襲撃。

この宝石店の女性が映画ではキャロルなんだよね?

このシーン、少しコミカルでアクセントきいてた。

からのマックスがイタリアマフィア射殺。

なんて奴なんだ。

マックスの生き方を思わせる大事なシーンなんだろうけど、マックスわっるーって言いたくなる自分の軽さがいや(笑)

銀橋にキャロルとマックスが出てきてキャロルが殴られるシーンも見ててほんとクソだと思った。

女に手を挙げてその後キスする男って最悪すぎる。

キャロルちゃんはなんでこんな奴好きになっちゃったんだ。

でも彩風さんにこういう役のイメージ無かったけど蓋を開けてみたら良い意味でよくあってると思った。

中身は相当ねじれてて黒いんだけど表向きはスマートで、血の通ってなさと血気盛んさが同居してる感じ、良い。

新しい彩風さんが見れておもしろかった!

そんなマックスへの想いを緑のドレスで歌うキャロルがまた素敵だった。

明らかにマックスへの当てつけっぽい歌詞を艶っぽく歌い上げてて。

冒頭「それ彩風さんまんまじゃん」ってちょっとクスッとしたけど、でもなんだか切ない気持ちになった。

キャロルはマックスがいないと生きていけないんだろうなぁでもそんな生き方を後悔しないんだろうなぁという感じが。

一方マックスからキャロルに対しては愛がないとは言わないけどわりと扱いが乱暴で冷たいじゃん。

うー切ない。

その後も何度かあったけど、状況説明としてキャロルの歌が効果的に使われてた気がする。

CD買いますありがとう。

朝美さんの歌声がまた素敵で。

男役とは全然違うんだけど、でも娘役っぽいわけでもなくドスも効いてて、性別を超越した朝美絢が歌ってるって感じ。

身体の使い方がもうキャロルで、え、伝わらない?とにかく全身キャロルな感じで歌ってて、いやぁ最高だった。

そしてようやくジミー登場。

凪様ジミーめちゃくちゃ良かった。ハマってた。

普通いち労働者が自分の目的を達成するためにギャングに頼ったりする?こわくない?

その行動力がまずすごい。

さらに初対面のマックスたちを乗せてしまう交渉術もすごい。

皆を率いるリーダーシップもあるし、後半では平然と嘘を吐く強かさもあるし、ジミーほんと切れ者って感じだった。

ストの労働者を扇動するシーンの凪様、めちゃくちゃかっこよかったなぁ。

レミゼのアンジョルラスみたいだなって(←私の中で最高の褒め言葉ですこれ)。

凪様のアンジョ見てみたい。赤いベスト衣装もめちゃくちゃ似合いそう。

とにかく皆を率いる姿の説得力と頼れる背中感がものすごかった。

ジミーの衣装も似合ってたな。

あの帽子と服、すごく合ってる。最高。

ところで後で検索してて知ったんだけどこのシーン凪様のセリフ飛んじゃってたんだね?

確かに彩風さんが「ストだろ?そのくらい知ってる、新聞で読んだ」みたいにセリフを引き継いで言ってるなぁと思ったけど、

あれが凪様をフォローしてたとは初見じゃ全く気付かなかった。

アクシデントがあってもそれを気づかせないで破たん無く進めていける。プロってすごい。

話は変わるけど。

今回終始感じたけど、登場人物の中で付き合うなら綾さんニック一択でしょ。

めちゃくちゃ思いやりあって音楽の才能もあって、何より相手のことをいちばんに考えてる。

絶対人を傷つけないし、相手が嫌だと思うことは深追いしない。

そんな紳士っぷりが綾さんの優しい雰囲気にめちゃくちゃ似合ってて素敵だったなぁ。

デボラにとってはいち仕事仲間なのだろうけど、傍にこういう人がいるかいないかってだいぶ差があると思うし、

ニックの存在にはきっとすごく助けられてると思うんだ。

付き合うならニック一択。異論は認めない!!

で、あの問題のシーンですよ。

レストラン貸切のお食事。

レストランなのにお酒が出てくるのの何が変なのかと思ったらそうか禁酒法時代だったね(まだ頭に入ってなかった)。

慣れた体でシャンパン頼むデボラかっこいい。

そして赤い薔薇の部屋でティアラを渡すシーン。

あのお部屋、バックの美しい背景とまがまがしいまでに真っ赤なバラと、絵面が好きすぎる奴だった。

その先の不幸を予感させる緊張感のある美しさ。

デボラがティアラをもらってただ喜ぶのではなく、どうやってそのお金を用意したのかが気になるところ、考えさせられた。

そうだよねただ贈り物貰ってありがとうってわけにゃいかないよね資金源気になるよね。

レストランの貸切も薔薇部屋もティアラも、どう考えてもものすごくお金がいるわけで。

そこが気になるところにデボラのヌードルスへの想いが垣間見える気がした。

デボラって割と何考えてるかわかりにくいじゃん?

だけど、ヌードルスに真っ当な道を歩んでほしくて、真っ当であれば成功者じゃなくてもいいのかもなってふと思った。

けどヌードルスはそれじゃ納得いかないよね。

ようやく再起して幼いころに語り合った夢を叶えようとしてる時に痛いとこ突かれるわけだし。

でも乱暴は良くないよー。

ところでデボラに迫るヌードルス、蝶ネクタイ解くとこかっこよすぎません???は???

周りのオペラグラス掲げ率もすごすぎてちょっと笑ったやっぱみたいよねそこ。

からのあの歌唱。もはや絶唱

ヌードルスの絶望、孤独、それでも拭いされないデボラへの想い、なんかもう、ね…。

ヌードルスの持ってき方の下手さが可哀想になってくる。

そしてソファーであのポーズ。死(わたしが)。

幕間、色々覚書するつもりが貸切公演のプレゼントの案内もあったし何よりほわほわしすぎて全然書けず。

少ししてからようやく動けたのであちこちうろついてみたけど公演メニューのアップルゼリー完売で残念だったな。

こんどくるときはあれぜったいたべる!!

第2幕。

ハバナの風に吹かれに行くヌードルスとマックスとキャロル。

わーキャロルこの衣装ほんっとうにかわいい!

ひらひらしつつも清楚でハットも含めバカンスって感じで最高!

お昼の普段着のキャロルちゃん最高ですねぇ。頬がにやける。

いきなりラテンのショーが始まったかと思うような絵面の華やかさはびびったけど宝塚っぽさ満載だったな。

月組IAFAのあのシーンは唐突すぎて目が白黒なったけどこちらは舞台もハバナだしわかる感じ。

みちるちゃんがまた可愛すぎた。

健全な色気があって、やり過ぎない感じの女の子感が良い。

酔っ払いヌードルスの相手してくれてありがとう。

一転してデボラの帰宅シーン、やっぱ付き合うならニック一択すぎた。ほんといい人。

からのお宅にいる美女、あれだれ?ってなった。

照明ついてオペラで除いてうわーお星南のぞみちゃん!ってびっくりした。

え、まさか生足?ランジェリーにガウン姿でのタバコとか刺激強すぎてツーンなるわ!!

高慢ちきで嫌な女感が迸ってたなぁ(褒めてる)。

なかなかのイメチェンっぷりだよね?

星南のぞみちゃん、清楚でけなげな美人ってイメージだったからひょえええってなった。

そしてサムはわりかしクズだった。まじクズ。

煌羽さんの名脇役っぷりもほんと好きだ。

後半、だんだん思い返すのがしんどくなってきたな。集中力の問題。

そこから一転、クラブインフェルノへ場面が変わり、禁酒法撤廃の歌に。

紫のきらっきらの変形裾のドレス姿のキャロル。

わーーーこの衣装めっちゃ好きーーー!!!

髪飾り、石座チェーンみたいなのに羽とビジュー飾りみたいなのがついててめちゃくちゃお洒落だった!

黒っぽいおっきな耳飾りともよく合ってたなぁ。

今回キャロルのお衣装とアクセサリー色んなのが見れてほんと嬉しい。

このシーンだったかな、他のとこだったかな?確かジミーとマックスが同じテーブルについて話を進めてる中で、

スポットライトの当たらないとこでカクカクお人形みたいなダンスしてるキャロルがめちゃくちゃ可愛かったです。

笑顔に艶があって本当に素敵。

そして連邦準備銀行襲撃の話。

マックスの野望がすごい。

よくもまぁそんな大それたことをと思うけど、これまでもそうやって生きてきたんだろうなという感じで。

それを聞いてる時のキャロルの心配そうな眼差しがつらい。

セリフがないのに表情で感情が伝わる。

そしてヌードルスにマックスを告発するよう頼むキャロル。

必死に縋る姿に胸を打たれる。

あのクズ男を本当に愛してるんだね。

生半可なことじゃ止められない相手を知ってるからこそそんなやり方しかできないってのがもどかしいよね。

そこからのヌードルスが一人苦悩するシーンはただただ圧巻だった。

ダビデの星の歌が胸に刺さった。

混乱し、苦悩し、最後に縋る相手はそこなんだなって。

だめだここはうまく言葉にできないや。

とにかく望海さんがすごかった。ほんとすごい人だ。

そして密告の電話へ。

連邦準備襲撃のシーン。

正直やり方が雑だなぁと思っちゃった。

だってすごいとこに忍び込んでヤバいことやるわけでしょ?そんなんじゃ失敗しちゃうよ。

てかさ、警察とマフィアが手を組んでるって冷静に考えなくてもやばくない??

腐りきってる。

爆破のシーン、キャロルがめちゃくちゃしんどかった。

しんどいつらいしんどい。

そうだよね愛する人を守るために警察に突き出すってそれだけでも辛いのに、まさか死亡って聞かされるなんてね。

半狂乱になりながら黄色テープに縋って、最後「マックス!!!」って割れた声で絶叫するのが、

なんか、その、めちゃくちゃしんどい…えぐるしんどさ。

声を最後に姿は見えなくなるんだけどその声だけで彼女の何かが壊れちゃった感じが伝わるんだ。

ひかりふる路のNHK-BS版だけに拾われてるテルミドールサンジュストの「ッマクシム!!!」って叫びあるじゃん。

あれも相当しんどいけど、この「マックス!!!」はそれをはるかに凌駕する。

愛する人、縋る対象を失った絶望が凝縮されてる。

朝美さんの悲痛な叫び、本当につらかった。

ヌードルスも苦悩してて。

そうだよねそりゃしんどいよね。

自分のせいで親友が仲間が死んだって思うよね。

止めるつもりだったのに、自分もその場に行くつもりだったのに。

あーしんどい。

けど生きてるんだよ、マックス。

ぼろぼろの火傷姿だけど、ジミーに助けを求めて。

生きてるのに。

阿片窟のシーンは今回の中で一番好きなシーンかもしれない。

トリップ感がすごくて、正気なはずのこちらも見ててくらくらした。

禍々しいまでの美しさ。迫り来る過去の情景。

居ないはずの過去の人々が次々に押し寄せてくる。

盆が回りながら舞台がせり上がりながら、ヌードルスとマックスがそれを乗り越えたり降りたりしてるのが新鮮で。

またもひかりふる路で申し訳ないけど、至高の存在の祭典を100倍増しで表現するとああなる気がする。

苦しいのだけど何度でも繰り返し観たくなるような、狂気を究極の芸術へと昇華させたおぞまそしさを感じた。

そしてデボラに振られた時と阿片窟と、やっぱり舞台上でぼろぼろに崩れる我らがトップスター望海風斗。

絶望に満ちた望海さんは最高に美しくてしんどいよね。しんどい。

トランクもカラだしね。

一方で記者会見で辛辣な質問を受けつつもかわすデボラ。

ここでもニックの存在に(わたしが)助けられる。

全てを手に入れて上り詰めたかのようなデボラのこのシーン、これも辛かったな。

何のための努力なのか、むなしさを感じたというか。

そしてファットモーのお店のシーンに戻る。

壮年期の望海さん、やっぱり良いですねぇ。

積み上げた歳月の渋さがたまらない。

そんな中、ラジオの臨時ニュースでベイリー長官とジミーの癒着が流れて。

記者会見のジミーがいきなりオケピから登場(だよね?)でびっくりした。

凪様が銀橋に生えてきた、そんな感じ。

凪様もイケおじになってた。食えない感じの渋いイケおじ。しゃーしゃーと嘘吐くタイプ。

あ、こいつ割とやばい奴だな、一筋縄ではいかなさそうだな、って感じがにじみ出ててとても良い。

そしてファットモーから財団のサナトリウムにキャロルがいると聞かされ向かうヌードルス

車椅子のキャロルと再開。

ぞくっとした。

キャロル、あまりにも生気のない目をしてる。

化粧もあるかもだけど、あれは朝美絢ではない。

いや朝美絢なんだけど。

朝美さんのキラキラの微塵も無い、やつれて堕ちるとこまで堕ちたその様。

心が死んだ、歌姫の面影など微塵もない、記憶喪失のキャロル。

そんな彼女に向かってハバナのことを語りさらにキャロルの歌を歌うヌードルスにまずウッときて、

キャロルの回路が繋がり始めたとこでまたウッときて、キャロルが車椅子から立ち上がって取り乱したとこで

私の心の中の何かが弾け飛んだ。

うーつらかった。ほんとつらかった。

デボラが来て入れ替わりでキャロルが去っていって、ぽとりと一輪の赤い薔薇を落としていった。

あの薔薇はキャロルにとってのマックスだったのかな?

彼女はあのあとどうなってしまうんだろう。

その細い糸を手繰り寄せてやがて全て思い出してしまうのか、それともあのまま空白を頭に残したまま生きるのか。

どっちにしてもしんどいね。

キャロルには幸せに生きてほしい。

そしてデボラと再開するヌードルス

ここの歌、歳月の重みと二人の関係性の変化を感じさせて刺さった。

幼いころは確かに同じ気持ち同じ思いで愛し合っていたのに、やがてすれ違ってしまい、それでもまだ愛は残っている。

それなのに、ふたりが結ばれることはないんだなぁって。

もはや愛という言葉では言い表せないような複雑な感情がお互いの間にあるのがよくわかった。

長官のパーティに行くなっていうデボラ。

けど行くんだろうなきっとって思わせるヌードルスの顔。

場面はベイリー長官のパーティへ。

ここで客が長官のスキャンダルとか後ろ暗いとことかを列挙してるんだけどこの時の娘役のドレスがほんと可愛かった。

ああいうの好き。

そしてベイリー長官の部屋。

そこには渋いイケおじと化した凪様と彩風さんもといジミーとマックスの姿が。

ジミー、ここにきて本当においしい。

裏表のある感じは薄々感じてたけどここにきてあっさりマックスを切り捨てるとは。

しかも自分の手を汚さず、あくまでも自殺という形を取らせる。

めちゃくちゃこわいです…。

出会ったときはマックスの協力を仰ぎにきたジミーっていう立場だったのに、いつの間にか(というかかくまってから)

その立場が逆転してて、ここで最後通牒を突きつけるなんて。

やーこわい。そしておいしい。

そして死を選ばざるを得ない中、それをヌードルスにやらせようとするマックス。

ちょっとずるいと思っちゃった。

そりゃ無理だよ。

ヌードルスからしたら、自分のせいで死んだと思って罪の意識を抱いてた相手が生きてるってだけでショックなのに

それをさらに自分の手で撃ち殺すなんて、そんなことできないよね。

とは言いつつ、一瞬逆上してバーンってしちゃったらどうしようとも思ったけど。まぁしないよね。

ヌードルスからしたらマックスを撃ち殺さないことこそが友情の証なんだけど、結果として見殺しにしたことになるわけで。

どっちにころんでもしんどすぎるね。

ヌードルスがそのままじゃ立ち去って、そしてマックスの自殺とデボラの「マックス!!!」の叫び、えぐられた。

銀橋を歌いながら下手にはけてそのまま幕って新鮮だったな。

結局誰一人幸せにならない終わり方だった。

ざらざらした苦い感情だけが残った。

ある程度予感はしてたけど、でもひたすら苦かった。

で、フィナーレはいきなりの凪様と朝美さんですよ。

うっまぶしい!

緑のキラキラいっぱいついたお衣装。

オラオラしてて楽しそうだね朝美さん。

ぼろぼろキャロルちゃんで終わると見てるこっちが持たないから通常運転な朝美さんを見るとほっとする。

レミゼでジャベールを演じて毎回川に身を投げてた推し俳優がカテコで笑顔だとほっとしたのと同じ心境。

精神的にとてもしんどい役を何度も生きる大変さって想像がつかない。

どうか毎晩ぐっすり眠れますようにと祈りたくなる。

ここらはもうよく覚えてないなぁ。

縣さんロケット真ん中びっくりした。元気が良くてがつがつしててよき。

彩海さんもいたよね?

顔は男役メイクなのに足がセクシーだから脳が混乱する。

望海さんが美女を従えてるとこもよかったし、あとは男役さんがガシガシ踊るとこかっこよかったな。

なんだか彩風さんと朝美さんと縣さんに目がいってしまって。

と思ったら望海さんもめっっっちゃかっこいい!!!

やっぱりすごい人だ。

デュエダンも美しかったなぁ。

衣装も振付も大人っぽい感じで、リフトもあって。

やだーおわらないでーーーって感じ。

そしてヒメさんのエトワール。

やっぱ寂しいよ。

観劇歴の浅い私ですらそう思うよ。

階段降り観て、改めてほんと顔と名前の一致する方が増えて感慨深い。

こんなとこまできちゃったのね、私。

これ以上お金のかかる趣味を増やすわけにはいかないとか言ってたのに、宝塚ははまると怖いってわかってたのに、

いまやこのザマですよ。あーたのしいしあわせ。

今回は望海さん以外羽根なかったね。

銀橋に1列になるとこでキャロルが目線上でドキドキした。

眩しい。18列目なのに致死量のきらきらを浴びた。

からの戻る時の背中!冒頭でも書いたのにまた書くけど!!汗びったんこやないか!!!

ライトが反射してつやつやに光り輝いててあーお客様困りますお客様ーーってなった。発狂。

今回は貸切だから望海さんのご挨拶もあって。

あけましておめでとうございますから始まってそうでした新春でしたってなった。怒涛の内容ですっかり忘れてた。

今年も沢山雪組を見たいですイープラスさま何卒何卒。

私にチケットをお恵み下さい。

ふーとりあえず何も見ずに振り返った!順番なんて知らん!!


改めて振り返って思うこと。

希帆ちゃんのデボラと朝美さんのキャロル存在感の対比が面白かったな。

摩天楼の劇場のスターと地下のもぐり酒場の歌姫っていう立場だけじゃなくて、すべてに対比が効いてて。

のぼりつめたいっていう大きな夢を掲げるデボラと、一人の男性との未来だけを見据えたキャロル。

感情がどこにあるかわかりにくいデボラと、情が深く一途に相手を想いそのために壊れていくキャロル。

1人でも生きられるデボラに恋人が居て、1人では生きられないキャロルが全て失うっていうのも皮肉で。

物凄い対比だ。

キャロル役、娘役さんには難しいだろうな。

朝美さんキャスティングの意味が分かった。

デボラと対比できるくらい存在感あるキャロルができる娘役さんって思い浮かばないもん。

いや、やれば出来るのかもだけど、娘役さんだと「一途な恋」になってしまいそうな気がするというか。

「愛と情」っていうねっとりした深さは朝美さんだからなのかなと思った。

これからまだまだ深まってくのが楽しみだ。

そしてここにきてふと思ったこと。

なぜこれほど消化しきれない感が残ったのか。

自分がギャングものに馴染みがないってのもあるかもしれないなぁ。

原作映画も未見だし、そもそもギャングを題材にしたものを見たことが無いので。

でもそれだけじゃない気がする。

ひとつは自分の想像力の無さが原因なのかもしれない。

ヌードルスやデボラやマックスが育った世界がどんな世界なのか、わかるようでやっぱりわからない。

カギは幼少期にあると思うのだけど。

デボラは皇后になりたいって言ったあと、そのためにショービジネスの世界で成功して王子様に求婚されるっていう

具体的な夢というか過程を語ってるのに対して、ヌードルスは皇帝になりたいとは言うもののどのようにして

どんなルートでなのかっていうところが具体的に思い描けていない感じを受けた。

きっと貧しい中で思い描ける成功像っていうのは限りがあって。

資金がたまったらまともなビジネスを始めるっていうけど、その資金の集め方がひたすら手を汚す系で、

それしか知らない感じなのがしんどい。

ローワーイーストサイド出身、貧しいユダヤの移民の子っていうのがじわじわボディブローのように効いてくる。

元々社会にポジションもなく、さらにヌードルスは前科もあって、本当に悪事で稼ぐしか手が無かったんだろうなって。

貧しい者が一生貧しく生きるしんどさもあるけど、そこから這い出すのにまともな道が無いってとこがよりしんどいんだ。

マックスくらい割り切ってたらマシなのかな。

でもあれもだいぶダーク。

父親の話とか、色々苦しい思いをしたからこそ人一倍野心と野望が凄くてかつ人との距離感が掴めないんだろうなと。

貧困から抜け出すためにはどんなことでもやったし、その時に色々なものを切り捨ててきたんだろうな。

そう思うとマックスも可哀想な人だ。クズだけど。

あの時代のユダヤの民がどんな扱いだったのか想像しかできないしきっと足りない。

そしてそこの部分がわからないときっとヌードルスやマックスに寄り添うことはできない。そんな感じがした。

デボラの読めなさというか感情がわかりにくい感じも這い上がるために色んな仮面を被り続けてきた結果なのかな。

私にはわからない。

宗教も差別も話のメインじゃないけど根底では物凄く重要な要素のはず。

なのに私にはその上澄みを想像することしかできない。

自分の実感として理解することができないんだ。

だからなのかな。

ヌードルスにも、デボラにも、マックスにも、私の中でどこか「わからない」って言葉が付きまとってしまう。

歯がゆい。

そんな状況でも望海さんのヌードルスはやっぱり素晴らしいと思った。

最初、演目が発表されたときは勝手にヌードルスってもっとリーダーっぽい人かと思ってたんだよね。

普段は一歩下がったとこにいるけど何かあったら黒服のヤクザを大勢従えてドンパチの最前列に立つ、

思慮深さと強さもありつつ仲間思いで情が深い人、みたいなイメージ。

いやぁ違ったわ。妄想って怖い。

実際のヌードルスは、情の深さもありつつロマンチストでどこか成長しきれていない部分もあって、

ものすごく人間臭くていろんな場面で毎回苦悩する、とても一言では語り切れない深さのある人物だった。

特に25年間普通の人としてひっそり隠遁生活を送ってたってとこ、説得力がすごかったなぁ。

少年時代から壮年時代まで様々な時代を行きかうんだけど、望海さんはそのすべての説得力が半端ない。

表情やしぐさや衣装の違いから年齢の違いは伝わるんだけど、そうやって違う部分はありつつちゃんと一人の人間が

こうやって成長してやがてこうなっていたんだっていう糸が全く途切れず繋がっている感じがものすごくて。

さらにすべての歌の広がりがまたすごい。

夢を語る少年時代の歌は目の前に大海原が広がっていて漕ぎ出していくみたいな煌めきがあるし、

赤い薔薇の中で歌うとこはマリアナ海溝みたいに深い絶望とそれでも抑えきれないマグマみたいな愛があるし、

最後の歌には乾いた風のような虚無とそれでもその中を生き抜いてきたっていう深い余韻を感じさせる。

望海さんの歌によって空間が色んな感情で満たされていって、こちらはただただそこに溺れることしかできない。

なんて幸せなんだろう。

今の雪組を、望海さんがトップの雪組を観られる幸せを噛みしめてる。

と同時に、いつか来る終わりの日がずっと来ないでほしいと願ってしまう。

初見の感想って大事だと思ったから寝る前に振り返ってたら2時近くになっちゃった。

総括すると、内容を落とし込めない自分にもやもやしつつ望海さんはじめ雪組生の演技に酔いしれたmy初日だった!

映画見たらもっと分かるようになるのかな。

それとも何度か観劇したら見えてくるものがあるのかな。

生で観れるのあと1回だけだけどな。

とりあえず次の観劇がたのしみ!


こんな感じでmy初日感想の振り返りは終わってます。

次回観劇は月末になる予定。

その時までに何度か咀嚼したらまた違った見方になるかもしれないし、何より皆さんも進化されてるだろうし。

やー楽しみですね。

とりあえず今回いろいろやり残したので

・殿堂に行く!

・アップルゼリー食べる!

・いいかげんどのスチール買うか決めて買う!

を次回の目標にしたいと思います。

以下おまけ写真。

まずは近寄って撮ったどどーんと大きい皆様↓

お正月感満載の大劇場とワンス仕様のキャトル前↓

楽しかったです!!長々とおつきあいありがとうございました!!

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過ぎた日に乾杯

おわってしまいました、わたしの2019レミゼmy千穐楽が…。

8月19日、あの日以来こころにぽっかり穴があいたみたいです。

けどね、それは決して空虚な感じではなく、時が経つにつれてなにかあたたかいもので満たされていくような感じ。

正直札幌も行きたかったんです。

いちおう観劇予定を組んだ時は納得してたんですよ。

9月は忙しいし、札幌はさすがにポーンと行ける距離じゃないし、飛行機苦手だし。

でも通っているうちに、ああ大千穐楽まで見届けたかったなって思い始めたんです。

理生さんの初日に帝劇まで見に行って、御園座も行って、梅芸も当然通って、博多座も行くのに、

なんでhitaruのチケットは取らなかったんだろうって悔やんでました。

おけぴでもお譲りが出ないかしつこいくらい覗いてました。

でもmy千穐楽を見て札幌公演への執着はすぱっと断ち切れました。

本当に素晴らしくて最高に良すぎたのに、それを言葉で表す語彙を持ち合わせてなくて悶々としてます。

初見ってのは言い過ぎだけど、でも2回目くらいの新鮮な気持ちで観れた、そんな感じ。

何度も観てると観方って固定されてきちゃうじゃないですか。

始めのころのピュアな感じに戻りたい…!そう何度思ったことか。

でも今回はそのピュアさをちょっと取り戻せた気がします。

my千穐楽と考えると寂しくもなるけど、それ以上に充足感に満ちてて、本当に悔いなく気持ちよく終われました。

そのくらい素晴らしかったんですよ!

というわけで、8月19日ソワレの感想を振り返りつつ、2019年レ・ミゼラブルの私なりの総括を書いていこうと思います。

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2019/08/19 レミゼ博多座ソワレ

[開演前]

博多座のロビーのこの雰囲気好き。商魂たくましくて。

帰りに駅で買おうかと思ってた通りもん、ここで買っちゃったよ。

博多座2019 ミュージカル レ・ミゼラブル ご観劇記念」の帯付き。

そういえば去年の1789観に来たときはお茶を買ったなぁ。

売り子のおばちゃんに試飲を勧められてまんまとお買い上げに至ってしまった。懐かしい。

今日の席は前から2列目、サブセンのセンター寄り端っこ。

舞台中央が遮るものなくノンストレスで見れる。神席ってやつでは。

さ~もうすぐ開演だ。

わたしの今年最後の理生ジャベ、しっかり目に焼き付けるぞ。

[幕間]

福井バル×理生ジャベさいっっっこうだ!!!

新宿講座で村上さんが「構成のきっかりした」って表現してた気がするけどよくわかる!

舞台全体にぴしっと一本品格が通ってるんだね!

理生さん顔怖いのはもちろんなんだけど体全体から迸る信念とかエネルギーとかを感じる。

確実に深まってる。

もっとちゃんと振り返りたい。でもまだうまく表現できない。もどかしい。

そして福井さんのバルジャンが本当に凄まじく良い。

独白ですでに泣きそうになった。こんなの初めてだ。

宿屋に入れなくて袋叩きになったあと、「憧れていたこいつが自由というものか~♪」って歌うじゃん。

あそこの前で仰向けになったまま「ハハハッ」ってやさぐれたように乾いた声で笑ったんだよね。

その瞬間にバルジャンの絶望とか怒りとか期待が裏切りに変わった辛さとかがぶわって迫ってきて、なんかもう辛すぎた。

え、バルジャンなんか悪いことした?みんな黄色い紙しか見てないのでは?そんな悪い人じゃないじゃん??

そこらへんからもういつもみたいな観方ができなくなっていった。いい意味で。

誰が演じてるとかこの後こういうシーンだとかあそこの演じ方どうするんだろうみたいな感じじゃなくて、

このバルジャンがこれからどうなっていってしまうのか、はらはらどきどきみたいな感じで。

もちろん頭の片隅では誰がどう演じてるかちゃんとチェックしてるんだけど、それ以上に物語の世界に入り込んでいたんだ。

いやぁびっくり。だってわたしこれ何回目のレミゼだと思ってるんだ。

いまさらこんなにぴゅあっぴゅあな気持ちになれるなんて。

それを引き出したのは間違いなく福井バルジャンなんだと思う。

今期福井バルジャン観るのこれが2回目なんだけど、前回はそうは思わなかったんだよね。

ちょうど1か月前に観た、2017年レミゼでも一番好きだった福井バル×川口ジャベの組み合わせ。

はずれのない組み合わせじゃん。うまいに決まってるし、すごいに決まってる。

なのにあの日はそう感じなかった。あれはなんでだ。

福井さん、あの日のどの調子が悪かったんだろうか。

それとも梅芸と博多座の圧倒的な音響の差だろうか。

うーんわからん。

でも今日の福井バルジャンはやばいぞ。

理生さんと福井さんの組み合わせがまた最高に最強なんだね。

帝劇はそう何度も行けないし、名古屋か大阪で観ればいいかと思ってたのに、存在しなかった組み合わせ。

ようやく観られた。

福井さんの上手さと、理生さんの上手さと、相乗効果で「は~~~~~~~(ため息)」としか言いようのないこの感じ。

なんて幸せなんだ。

この良さを言葉にしたいのに、圧倒的に語彙が足りなさ過ぎて、どの表現もするする上滑りしていっちゃうな。

でもとにかく幸せにもほどがある。

だめだ時間が足りない…!

続きは終演後。

開演前にロビーで買ったお弁当おいしかった!!

[終演後、帰路にて]

は~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とにかくよかった!さいこうすぎた!!

わがレミゼ観劇人生に一片の悔いなし!!!って感じ!

もう今日死んでもいい!嫌だけど!!!

おちつけわたしおちつくんだ。

このままだとただのあほみたいだぞ。

でもまじめに感想をふりかえろうとしてるのにただただ「よかった~」しかでてこない。

あまりによすぎて言葉にならない。どんな言葉を並べ立てても伝わらない。

松島やああ松島や松島や。

そんなかんじ。

わかってくれ。

[夜、ホテルにて]

着替えてベッドの上でだらだらテレビ見てたらようやく落ち着いてきたぞ。ふぅ。

こっから改めて思い出す限りざっくり雑に振り返っていきます。

ごちゃごちゃ前後するだろうけど。

福井バルジャンと理生ジャベール、パワーバランスがちょうど良いって感じたなぁ。

基本的に、バルジャンは力持ちだしジャベールはいつもドジなんだけど、そのさじ加減って組み合わせによって違うじゃん。

理生さんを基準にすると、対光夫バルだと弱そうでドジっ子感ましましだし(というか光夫さんがつよい)、

対シュガバルだと逆にシュガーさんが優しすぎちゃう気がするんだけど、福井バルだとそこのとこが絶妙で。

それを一番感じたのが対決のところかな。

どちらも何を言ってるかはっきりくっきりで。

あそこの2人の歌詞をどっちも聴くのって結構大変じゃない?

音の高さ的な問題でぽーんと耳に飛び込んでくる方に引き寄せられてしまう。

なのに福井さんと理生さんだと本当に全部がクリアに聞こえたんだよね。

どちらも発声がしっかりしてて、まさに正統派で。

新宿講座でオペラみたいな品格が漂うっておっしゃってたけどほんとそんな感じ。

終始、2人の歌声がぐっと舞台をまとめ上げて、ぴしっときっかり品が漂ってる気がした。

バルジャベでいうと、前後しちゃうけどバルジャンが荷馬車を持ち上げた後のシーンがとても好き。

とりあえず理生さんの「不思議だ、信じられない」がツボなんです。つたわれ。

あのあと理生さんってごりっごりの目で疑いながらバルジャンをカツアゲしてくじゃん(違う)。

あそこで、バルジャンが上着を要求した時に手をあげて制止して、その後上着を着せてあげるのって理生さんだけなんだね。

(梅芸で川口ジャベと伊礼ジャベも観たけど、2人ともすっと上着を渡してあげてバルジャンが自分で着てた。)

上着を着せてあげるってことはバルジャンがジャベールに対してくるっと後ろ向きになるってことで。

あそこの、ジャベールには見えないその刹那にバルジャンがどんな表情をするのか、そこの部分を毎回楽しく見てます。

福井さんはそこであまり動揺していない感じだった。

ジャベールが「失礼します」って去って行った後も、わりと冷静に振り返っていて。

シュガーさんは肩で息して「ハァッハァッ」ってなった後に「あいつはすべて信じている」につなげていくから、

あージャベールに睨まれて緊張したんだね動揺したんだね良く隠し通したねって気分になるけど、

福井さんはその点でもものすごく対等な感じがした。

うん、ジャベールの圧に屈しないしむしろ圧をかけてもいるんだけど、対等。

なんていうんだろう、もちろん経験的には圧倒的に福井さんが勝ってるんだけど、あくまでも対理生ジャベで

バルジャンとジャベールとして見たときの「光と闇」の表裏一体感が一番しっくり来たっていう感じかな。

福井バルジャンは、もともとまじめで優しさと厳格さを兼ね備えた人だったのに長い牢獄生活でやさぐれて

荒っぽくなっちゃったって感じで、理生ジャベールは、もともとまじめで厳格だったうえで生まれを呪い環境を呪い

這い上がろうともがくうちに狂気的かつ猟奇的になっちゃった感じと言えばいいのだろうか。

うーん難しい。

でもとにかく芯の部分に共通点がある気がした。似ているとか同じ香りがするとかとはちょっと違うんだけど。

環境が違えば、出会う人が違えば、ジャベールもバルジャンのように生まれ変われたかもしれないのにな。

その「光と闇」感が浮き彫りになる感じの組み合わせだった。

ちなみになんで福井バルジャンに厳格さを感じたかというと、プリュメ街でのコゼットとの接し方かな。

もちろん可愛くて大事な娘なんだけど、コゼットの追及を制する時の表情や言い方がぴしっと厳しいお父さんという感じで。

お箸の持ち方とか挨拶とお礼の仕方とかなぁなぁにせずきっちり教えてそうな感じがした。

あくまでイメージです。コゼットはお箸使わない。

福井さんはそういうちょっとしたとこの演技のつけ方が繊細で緻密で品がある感じがしたんだよね。

例えば宿屋にコゼットを引き取りに来るところ、マダムが香水をふりかけて誘惑しようとしてる時にその香水にむせてたり、

あとのシーンになるけど下水道でマリウスを担いでからお尻あたりを励ますかのようにポンポンってしたり、

そういうちょっとした所作がものすごく自然ででも印象的な感じで。予定調和ではないし演技という感じがしない。

バルジャンを長くやってきた中で着実に積み重ねてきたものがあって、舞台上で自然体で生きている気がした。

あとこれも書いとかなきゃ。

待望の桑原愛佳ちゃんめっちゃくちゃうまくてあんぐり。

各所で愛佳ちゃんのリトルコゼットが素晴らしいと絶賛の言葉を目にしてきたんだけどほんと良かった。

歌声はもちろん、表情がすごくよい。

ほうきで掃いてきて、すっと上を見上げて、まるでお城が見えてるかのように「にこっ」って笑うの。

ああなんて可愛いんだ。

マダムに本気でおびえてて、バルジャンが引き取りに来るとこでも後ろで細かく演技つけてて、

そのひとつひとつがコゼットそのものな感じ。子役ではなくすでに一人前の女優みたいだと思った。

今日の理生さんのスターズはかっこよすぎて震えたな。

きっかりしっかり布教されました、うん。

何度も、それこそレミゼ以外の場所でも聴いてきたけど、公演後半ということもあってか今まで以上に深みと凄みを感じた。

重厚感のある、がっしりと骨太かつ強い信念を感じるスターズ。

理生さんが「教会で信者に説法をして布教する感じ」って言ってるのを何回か聞いてるからかもだけど、

でも聞いてなくてもそういう風な圧倒的な正しさとまっすぐかつ狂信的な信念を感じ取ることができたと思う。

それでいて、観客に語り掛けるような、客席と対話してるかのような空気感も感じられて。

そこの深化の仕方が良かった。

もともと理生さんファンだから贔屓目もあるかなと思ってたけど、それ抜きにしても理生ジャベのスターズは圧巻だった。

また所作がいちいち美しいんだよね。

圧倒的声量そして凄まじい目力と共に警棒を掲げながら「このー星にー誓う俺はーーーーー♪」って歌い上げた後、

警棒をしゅるっと脇に持ってすっと帽子をかぶって悠然と立ち去っていく、あの一連の流れが本当に好きだ。

そして海宝さんのマリウスも好きすぎる。何度か言ってる気がするけど。

今年で最後みたいなのをちらほら見かけるけど寂しいにもほどがあるな。

天然なぽやみがよいですよね、うん。それに歌がものすごくうまい。

ベガーズでマリウスとアンジョルラスが後ろから出てきて、「誰が導くか 誰がこの国を~♪」

「それは将軍ラマルク 彼こそ味方だ~♪」って歌うとこ、毎回心の中でキタ――――って叫んでる。

ああできるものなら理生さんとの組み合わせでもっかい観たかったな。

あとあそこの海宝マリウスも好き。

レッド&ブラックでアンジョルラスが「ブラーックよるーのおーわり~♪」って歌ってる最中、ちょっともぞもぞするんだけど

同じテーブルにいるジョリ(だよね?)に励まされて、えいって決心した顔になってアンジョに口ごたえするみたいな感じで

「君が今夜居合わせたら~♪」って歌い始めるとこ、ほんと微笑ましかったな。

プリュメ街でも、今日は塀を乗り越えたあとコゼットが下に降りてきてから慌てたみたいに膝の汚れをぽんぽんはたいてて。

身だしなみチェックしたりは観たことあるけど膝をはたくのは初めて観たなぁ微笑ましいなぁという気分に。

そしてコゼットの手を握る前にズボンでぺしぺしと手汗を拭ってたのも初めて観たぞ。

ひとつひとつの所作にお坊ちゃんみとぽやみがありつつ品格が漂ってるとこが好きだ。

そしてなによりあの歌声ですよ。

ハイトーンのa母音の発音の仕方がとても好きだという結論に到達。

プリュメ街といえばあそこのコゼットのキラキラっぷり観てると「若いっていいなー」って毎回思う。

いろはコゼットだと余計にそんな感じ。まぶしすぎて失明しそう。

「彼は知っているのかしら~♪」でくるっと回る時に、今日は漫画みたいに髪の毛が綺麗にしゅるっと翻ってて可愛かった。

で、コゼットがきらきらしててマリウスがぽやぽやしてればしてるほど、エポニーヌのつらさが増すんだよね。

今日は帝劇初日ぶり、実に4か月ぶりの昆ちゃんだったんだけど、やっぱり昆ちゃんエポはさすがだなぁと思った。

ものすごく度胸があって一人で生きていけそうに強いんだけど、でもマリウスの前だと途端に乙女になって、

その中にちょっと意地を張ってたり強がってる部分があるのが、いじらしくて切なくて。ぐさぐさ刺さる。

ちなみに海宝さん×昆ちゃんだと、エポが読んでる本を取り上げたマリウスが逆さまだなってくるっと元に戻すとこが好き。

今日のプリュメ街、エポニーヌ目線で観ると本当にえぐられたな。

「突き刺さる彼の言葉が~♪」の吐き捨てるような口調と「彼が求めたら捧げてしまう~♪」の切なさの対比が辛すぎた。

あとマリウスとコゼットが近寄って手を取るとこ、他のエポニーヌは見たくないのに目が離せないみたいな感じの

目つきでじっと見てるけど、昆ちゃんエポは2人が近寄った瞬間にもう見たくないって感じで顔がぐしゃっと歪んで

がしゃんって門叩いてたのが泣けた。

なにそれしんどい。

昆ちゃんエポ、2幕でマリウスから手紙を託されるところも他の子たちと違ってたな。

他のエポニーヌは「わかってくれない~♪」のあと手紙をぐっと握りしめながらぶんぶん振ってて怒りを感じるけど、

昆ちゃんは手紙を握ってからふっと一瞬陰りのある表情をしてて、哀愁とか切なさが伝わってくる感じ。

そしてオンマイオウンも素晴らしかったなぁ。

「またあたしひとり」が囁く感じでぼそっと始まって、そのあと夢見てるような笑顔で歌うんだけど、

「知ってる 夢見るだけ~♪」でもまだ笑顔なのが逆に辛い。ちょっと無理してる感じの笑顔。

エポニーヌの背負ってる孤独が、闇が見えた気がした。

10代にしてあれほどの孤独を背負わざるを得ない少女の辛さを感じた。

こんなのはじめて。

そして恵みの雨がほんっとうに幸せそうでつらすぎない???

はじめて人のぬくもりを感じて安らぎを得られたみたいな感じの穏やかさで。

マリウスにあと少しでキスできそうで、本当にあと少しで、そこでふっと息絶えて、なんかもうあああって感じだった。

つらいしんどい。

つらいといえばバリケード陥落も辛すぎたな。

あそこのシーン、毎回悲劇を芸術に昇華することの意味みたいなのを感じるんだけど、今日もそれを感じた。

まず相葉アンジョが美しすぎるんだよね。

「立つのだ仲間よ 世界に自由を」のところののびやかな高音、回を重ねるごとに透明感を増してる気がする。

花のように美しく咲き、そして儚く散っていくアンジョルラス。

2017年の時よりもぐっとリーダーみが増してて、散り際の潔さがまぶしくて、ただただしんどい。

そして学生たちが撃たれていくところ、つらすぎるのに目が引きつけられてそらすことができない。

照明がぱっと当たって、皆が次々に撃たれて、銃撃の反動で体が揺れてるのが収まって、静寂が訪れるあのシーン。

絵面として最強に美しくて、だからこそその悲惨さが胸にしみて、毎回ナイフで胸を切り刻まれてるかのような気分になる。

うっ。思い返してもしんどすぎる。

レ・ミゼラブルレ・ミゼラブル感がぎゅっと凝縮されてて、一番しんどくて一番好きな演出かもしれない。ううう。

前後するけどジャベールが砦から逃がされるところ、今日の席は理生さんの表情が本当に良く見えた。

ぴきっとヒビが入って崩壊への序奏が始まる、その瞬間が。

バルジャンに突き飛ばされて、ぐわっと目を見開いてバルジャンの目を凝視して、そこで視線が交わった時に

ヒビの入る音が聞こえたような気がしたんだ。

うわきっつ…これはきついわ…。

福井バルジャンのあのまっすぐな正しさが結果的にジャベールを追い詰めてしまったんだな。

バルジャンが正しいってわかってはいるんだけど、でもそれを到底受けいれられなくて、その葛藤ともがきが伝わった。

バリケードから去る直前の背中の演技、あそこもより深みを増してて。

その後、死んでるガブローシュを発見して、うおおおおおおって咆哮して、下水道への血痕を発見してからの

下水道出口と自殺の流れ、あれは…なんかもう…。

精神が崩壊してしまって、それでもなおジャベールなりの正しさを貫こうとする感じ、その積み重ねてきた「正義」を

ひしひしと感じて、止められるものなら止めたいのに誰も彼を止められないし救えない、そんな感じの辛さ。

とにかく凄みを増してた。

自殺のシーンを観るたびに、何かの間違いで救出されて生き延びてほしいなとか現実逃避するんだけど、

きっと彼自身が一番それを望んでいなくて、助かった先にあるのはただの生き地獄なんだろうなという気がする。

ジャベールにとって自殺は救済で、でもそれでしか自分を保てないって…。だめだしんどい。

そういうね、救いようのない悲惨さを感じた。

今までで一番、ジャベもエピローグで主の国にいてほしいな、せめてカテコで理生さんが笑っててほしいなって思った。

あとはあれだね、Turningとカフェソングもとてもつらい。

Turning、「武器さえ使えない 学生死んでも誰が泣く」を歌ってる女性(今日は私の好きなアンサンブルの島田さん)が、

誰よりも先にウッて泣き崩れるとこでいつも胸が揺さぶられる。はーしんどい。

一番泣いてるのはあなたじゃないですか。

からのカフェソング。海宝マリウスの一番好きなところです。

あそこの表現で物語全体のマリウスの立ち位置が決まる気がするというか。

なぜレ・ミゼラブルという悲惨な物語の中でマリウスだけが生き残りコゼットと幸せになるのか、その説得力というか、

下手したら場違いになりそうなその存在の意味が決まる感じがするんだけど、その点で海宝マリウスの信頼感はやばい。

出だしの「言葉にならない」のあまりにも所在の無いぽつっと感で既に胸に来る。

今日は全体的に虚無感というか空虚な感じが強めだと思った。

「歌声もない~♪」でふっとロウソクを消したあと、マリウス自身が亡霊のようだった。

抜け殻ではなくもはや死者のような虚ろで儚くて消えてしまいそうなその姿。

体だけじゃなく心にも深い傷を負ってしまったってのが今更ながら実感できてほんとしんどかったなぁ。

こうやって振り返ってみると終盤つらいしんどいとしか書いてない。

やっぱりレミゼは重い。

見る側にも覚悟と体力が求められる、ものすごく重みのある作品。

だからこそ結婚式のシーンの意義を感じるんだよね。

マリウスとコゼットは幸せだし、テナとマダムは相変わらずがめついし、死んじゃった学生やアンジョも生き生きしてて。

あれがなくて一気にエピローグだとしんどすぎるので。あそこで息抜きできるのはありがたい。

そういえば結婚式でマリウスがマダムに「金が先だ」って言われてテナルディエにお金払ってるとこ、

今日初めてちゃんと見れた気がする。

胸ポケットにすっと手を突っ込んでさらっとお札を取り出して渡すんだけど、指がほんとうに綺麗で。

いつもこのシーンなんで印象に残ってないんだろうと思ったけど給仕ウォッチングをしてたからだね。

今日の席はほぼ相葉給仕が見えないので、必然的にそのやり取りに目がいったんだ。

ここにきてようやく言及するけど橋本じゅんさんのテナルディエもよかったなぁ。

2017年も観れてなくて今回が初なのだけど、思ってた以上に渋いエエ声でした。

人生経験豊富そうだし、新井漫画版のテナルディエに似てる感じで。

もっとコミカルかつ軽妙な感じの方かと思ったら腹黒でがめつくてほの暗くて爬虫類みたいだった。

それでいて足元だけ随所でタップダンスみたいにぱたぱた踊ってたの面白かったなぁ。

マダムが銀食器落として空気が凍り付いてからの「マエストロ、アレーグロ」のところ、じゅんテナは

「マエストロ、俺が歌う~ゲロ」て言っててなんじゃそりゃって脳内でずっこけた。

うん、色々いいバランスのテナルディエでした。

やっとエピローグだ。

実はここら辺、もうちゃんと覚えてない。

そこまでのところで私自身がぼろぼろのぐずぐずで精神の消耗っぷりが半端なかったので。

そんな中でも、福井バルジャンが亡くなって「罪深き我が身あなたのもとへ」ってすくっと立ち上がるところ、

あまりにも神々しく輝いてて、ああバルジャンは光の世界へ旅立ったんだなってものすごく納得したのは覚えている。

レミゼにはいろんなテーマが含まれてるけど、結局のところ一つに絞るなら「愛」の物語だと感じた。

日本語で改めて愛っていうと照れくさいけどね。

愛によって託されたり、愛を注いで育てたり、愛によって結ばれたり、愛を得られない孤独があったり、

祖国を一途に愛したり、そもそも人を愛したことなど無かったり。

いろんな愛がそこにはあって、だからこんなに悲惨でつらい物語でも語り継がれているんだなと実感。

やっぱりレミゼはいいなぁ。


こんな感じで長い長いmy千穐楽の感想が締めくくられています。

本当はこのままの流れで2019年のmyレミゼについて観た回数とかキャストの内訳とかマイベストキャスト的なのも

振り返ろうかと思ったんですが、長くなりすぎたので今回はここまでとします。

そちらはまたの機会に。

あとレミゼ以外にも、なかなか記事は書けてないけど理生さんと松本俊明さんとのジョイントコンサートとか

はじめてのDerMond Festとかエリザベートとか歌宴とか海宝さんのソロコンとか、色々人生楽しんでます。

その感想も全部メモ書きは残ってるんですよ。

今更感もあるし、さすがに全部は無理だけど、せっかくなのでいくつか絞って表に出せたらなぁと。

ま、そこらへんはおいおい準備したいと思います。

今夜は博多座千穐楽

博多の地に思いをはせつつ、一人ジュースでお祝いします。

過ぎた日に乾杯。うたごえに乾杯。

p.s.札幌は行けないけどパンフだけでもほしいな~。うううどうすりゃいいんだ。

【詳報!】プロデューサーがお教えするミュージカルの魅力

先日6月18日、栄の中日文化センター主催の理生さんゲストの講座に行って来ましたよ!

ちょうど開場15分くらい前に会場に到着。

ざっくり200人弱くらいなのかな、結構広い部屋で、しっかりと椅子と机がならんでました。

新宿の時は狭い部屋に椅子だけぎゅうぎゅう詰めだったから、だいぶ雰囲気が違うなぁと。

で、席だけ先に取っていいけどいったん退室してほしいとのことで、一度いちばん下の階まで移動しました。

今回はせっかく地元なので母を誘ったんですけど、下で待ってる最中になんだかどよめきが。

母に聞いたら「いま上原さんらしき人が目の前を通ってった気がするけど」とのことでした。

仕事のメールの返信をしてて下を向いてた自分が悔やまれます。ううう間が悪かった…。

ちなみに今回、洗い物中に手が滑って包丁で右手親指を怪我してしまい、メモを取るのが難しいかなぁと思ったんですが、

始まってみたらメモ魔の血が騒ぎ、結局がしがしペンを走らせてる自分に気がつきました。

習慣って怖い。

机があったのでノートを広げやすかったのもよかったですね。

というわけで今回も、メモ書きをもとに記憶をたどりながらつらつら書き出してみました。

東宝プロデューサーの篠崎さんは【篠】、理生さんは【理】で書いていきます。

メモ書きの足りないとこをあとからちょくちょく補ってるので、細部は違ってると思います。

ざっくり広い心でお読みくださいませ。

あ、おそろしく長いです。


まず机に配布してある宣伝チラシの説明があり、次に篠崎さんの紹介へ。

エリザ、ベス、1789などをプロデュースしているとの説明の後、篠崎さん登場。

【篠】

先ほど興味のあるチラシだけ持っていってとの説明がありましたが(笑)、

理生くんの出演するコンサートのチラシはぜひ持っていって、コンサートの方にも足を運んでくださいね。

ちなみにキバのはえた方のチラシ(ダンスオブヴァンパイアのやつです)は私のやってるもの。

そちらもよろしくお願いします。

では早速、今日のゲストに登場してもらいましょう。

何のためにワンクッション置いたのかって感じですけどね(一同笑)。

上原理生さんです。

理生さん登場。柔らかめの白シャツにいつものネックレス、メガネ姿。

【篠】

ようこそ~。

【理】

お邪魔します。

(ここでマイクの電源オフになっててあれ?ってなる理生さん)

【篠】

まぁマイクいらないくらいの声量ですよね(笑)。

【理】

そんなことないですよ(あえてマイク無しで)(イケボ)。

(会場を見渡しながら)すごいなぁ。いつもはオーケストラピット挟むので。

白日の下にさらされてる感じがしますね。

舞台の上からだと、客席って意外と真っ暗でわからないんです。舞台に集中してるので。

カーテンコールになって初めて、ああこんなにお客さん入ってるんだ、ってわかりますね。

【篠】

今日はせっかくなので、客席からはわからない話も聞いていけたらと思います。

まずはご存じとは思いますが上原理生さんのご紹介から参りましょう。

1986年生まれ、東京藝術大学、いわゆる藝大の声楽科を卒業。

2011年、25歳の時にレ・ミゼラブルのアンジョルラス役でデビュー、以来ロミオ&ジュリエットのティボルト、

ミス・サイゴンのジョン、1789のダントンなどを経て、今年からレ・ミゼラブルのジャベール役をやられている、

まさにミュージカル俳優と呼べるにふさわしいキャリアのお方です。

レミゼ御園座にくるのは初めてですか?

【理】

はい。きのう(6/17)初日でした。

【篠】

そちらをご覧になった方は?(ぱらぱら挙がる手)

あ、微妙な反応ですね(笑)

ではこれからご覧になる方は?(結構挙がる手)

【理】

これから見る方に話すほうが怖いかもしれないですね。

なんかハードルが上がってしまうというか。

【篠】

では東京で見た方は?(こちらもわりと手が挙がる)

【理】

ありがとうございます。

【篠】

理生くんと一緒にやったのは1789ですかね。

2016年と18年、残念ながらどちらも名古屋でやってないのですが。

俗に言う名古屋飛ばしというやつですね(一同笑)。

講座でもよく「なぜ名古屋は飛ばされるんですか」って聞かれます。

いや、別に飛ばしてないんですよ!

でも、名古屋に上演できる劇場がなかったり、そもそも名古屋の主催者の方がやるかどうか判断されるので、我々が決められるわけではないんです。

名古屋飛ばして大阪行くか!博多にしようか!とかそういうわけじゃない(笑)

では、1789をご覧になった方は?(結構手が挙がる)

【理】

わーお。おおすごーい。

【篠】

その時に初めてご一緒したんですよね。

あ、一回だけ飲みに行ったよね。大阪の夜、徹平くんの知り合いの店に。

徹平くんがギターを弾いて、カラオケなんかもあったりして。

僕人生であんなに上手な「千の風になって」聞いたことないですよ!

理生が歌って。本人が出てきたのかなってくらい。

いやなんの話だって感じですけど(一同笑)。

【篠】

今日は俳優からの目線でいろいろ聞ければと思っています。

ミュージカル俳優への道はいろいろあると思うんですけど、その中での理生の場合はまず藝大ってとこかな。

普通の大学と違うじゃないですか。

そもそもそこを目指そうと思ったのは?

【理】

目指そうと思ったのは高校生の時ですね。

もともと歌は好きだったけど、ロックンローラーになりたかったんです。

ちょうど小学校中学校が90年代で、ラルクとかその後Queenとかに憧れていて。

それで高校生になってバンドを組んでロック道を歩もうと思ったんです。

でもその高校に軽音部がなかったんですよね。

じゃあギターを弾けるようになろうと。それでギター部に入部しようとしたんです。

【篠】

あ、ギター部はあったんだ。

【理】

はい。

で、ここだ!ってなって担任の先生に入部届を持っていったら、「君は合唱部の方がいい」って言われて。

どうやら担任と音楽の先生との間で裏取引があったみたいなんですね。

それで、「いや先生俺合唱じゃなくてロックがやりたいんです」って言ったら、

「大丈夫、合唱部でもギターやれるから」って言われて(一同笑)、じゃあまぁいいかって。

それで1年間合唱をやったら、1年生の終わりに先生に「お前声楽やらないか」って言われたんです。

でも僕はそこでもまだロックをやりたかったんですね。

クラシックは正反対じゃないですか。

それでも先生に説得されるうちに、音楽の勉強できるならいっかって。

【篠】

流されやすいんだね(笑)

【理】

そう(笑)

それで2年生から声楽をやり始めたんです。

【篠】

でも藝大って普通は小さいころからめざすものじゃないですか。

生まれる前からクラシックやってました、みたいな人ばっかりというか。

【理】

大半はやっぱりそういう環境でやってた人でしたよ。

【篠】

それで受かっちゃうのがすごいよね。

【理】

たまたまじゃないですか。

でも受かるための勉強しかしていなかったんで。

入ってからが大変でしたね。

ぜんっぜん話についていけないんです。

「あのオペラのあのアリアいいよね~」って言われても全然わからない。

【篠】

声楽科ってどういう勉強していくのかな。

【理】

普通の一般教養、音楽史、週一のレッスン、合唱の授業って感じですかね。

本当に勉強と歌っていう感じです。

【篠】

楽器は弾かなきゃいけないんです?

【理】

楽器を弾くってのはないですね~。副科で選べるけど、受験の時はいらないです。

受験は歌が9割、あと少しピアノをさらう程度で。

それがあればおバカでも平気。だから馬鹿が多いんです。

すっごいいい声で宇宙戦艦ヤマトを歌ったりしてる人がいる(一同笑)。

【篠】

つまり浪人とかせずに受かったってこと?

【理】

ありがたいことに。

でも浪人してる人も多いんですよね。そういう方たちは知識も技術もあって。

何浪もしてるから、高校生のコンクールの声楽部門1位が同じ学年に何人もいるんです、年度ごとの(一同笑)。

ほんとやってらんないですよ。全然勝てないんで。

でも入っちゃえば環境はクラシック一色でしたね。

【篠】

その段階でもロックンローラーをやりたい気持ちってのは残ってるの?

【理】

まだちょっと残ってるんですよね~(笑)

でもクラシックの美しさに惹かれていきました。

自分の学年は結構リベラルな感じで、ミュージカル好きも多かったんです。

それで、新入生歓迎会でミュージカルのガラコンサートをやったり、自分たちでカンパニー作ってサークルみたいに活動したりしていて。

それに誘ってもらいました。

【篠】

大学に入ってからミュージカルに触れたって感じですかね。

【理】

そうですね。

ミュージカルは舞台芸術のクラシックの流れとロックの流れが融合しててすんなり入ってきました。

あとは必ず日本語でやるってのがね(ここでくすくす笑いが起こる)。

あれ、なんかうけたぞ?

【篠】

オペラは基本的にヨーロッパの原語だもんね。

【理】

ぶっちゃけ聞いててもわからないんですよ(一同笑)。

ある時日本語でオペレッタやったら、反応が全然違ったんです。

それが本当に楽しくて。

日本語でやって、お客さんもそれを楽しめるのが素敵だなって。

その時にレミゼのオーディションのお知らせもらったんです。

【篠】

レミゼの全キャストオーディションって、すごい量が来るんですよ。

音源を全部ちゃんと聞いて、係の人が(一同笑)。

係の人っていうか歌唱指導の方か(笑)。

その期間会議室をおさえて、すごい数をみんなで聴いてるんですよ。

じゃあ、仲間内でもみんなオーディションに出してたって感じなのかな?

【理】

どうだろう?

その話したことないな~聞いてみよ。

【篠】

いまだにみんなと仲良くしてるのかな。

【理】

ひとりぐらいですかね(一同笑)。

ほかのみんなはどこで何してるのか。

【篠】

レミゼのオーディションは4年生の時?

【理】

あ、卒業後です。

クラシックを極めたくて大学院の試験を受けたら、そこで落ちたんです。

あっちゃー、俺の未来どうなっちゃうのかなってなって。

【篠】

結構難しいもんなんでしょ。

【理】

かなり。学部に比べても人数絞られるし。

で、大学院浪人してたけど2回目もダメで。

じゃあどうしようかなってときにレミゼのオーディションがあって、受けさせていただいて。

【篠】

そう考えると、オーディション一つで人生が変わるってことだね。

【理】

本当にありがたいことですね。

受かってなかったら何してたかな。プー太郎かな。

【篠】

オーディションって作品によって違うじゃないですか。

レミゼっては他と違うとこがって。

演出もスタッフも外国の方で、本国の審査があるんですよね。

ほかの作品はたいてい日本で選ぶけど、レミゼはオリジナルプロダクションのスタッフが来て選ぶ。

最初は歌唱指導の人が選んで、テープ審査で通った人の映像を一度送るんですよね。

じゃあ最初に受けたときの役は?

【理】

アンジョルラスで出しましたね。

そのときはオリジナル版のファイナル公演だったんですよ。

最後の最後の最終審査にジョンケアードさんがいらしてました。

【篠】

そもそもレミゼは見てた?

【理】

あのですね、学生時代にやってたんです。サークルで。

アンジョルラス似合うと思うからって。チートが入ってるけど、予習済みでした。

それで出会って大好きな作品になって、だからオーディション受けてみようってなったんですよね。

【篠】

じゃあ全然知らない作品だったら受けてないかもしれないと。

【理】

そうですね~。

東宝プロデューサーの前で、その役をやったことがあるなんてこんな大きなことを言いづらいけど。

【篠】

最初のオーディションはすごく緊張したでしょ。

何を歌うんです?

【理】

ふるいにかけるってことだろうけど。

みんなで同じ部屋に入って、一日の終わりにを一人ずつ歌うんですよ。

その時に「これを歌ってそのあとに希望した役を歌うんだろうな。ウォーミングアップだ。」ってすらっと歌ったんですね。

で、みんな終わった瞬間に「はい、今日これで終了です」って。

まじかよ!落ちた!って。

まあでも次に呼ばれて、アンジョルラスを歌いました。

そこで落ちてたらシャレになんないですよ。

そもそもそういうオーディション自体初めてだったので。

こういうとこでこんな雰囲気でやるのかって思いました。

【篠】

で、2回目の時どんな感じだったの?

【理】

その時は1人ずつ部屋に入って審査員の前で歌う感じで。

【篠】

出てくと次に待ってる人がいたり、すれ違ったりするんですね。

そのときだれかいたりした?

【理】

その時は覚えてないなぁ。

あ、最終審査でKENTAROさんいました。

あのときはジャベールだったんですよね。

インパクトあるから覚えてます。

パンフ見て顔を覚えてて、本人いて、あ、この人かって。

【篠】

でも学生時代にやってた人が本当の役になっちゃうって、何人の人がいるんでしょうね。

【理】

デビューした時に学生時代の仲間が来て、俺たち分家だったのに本家になっちゃったねって言われました。

【篠】

そう考えるとほんとすごいですね。

稽古のことは?

【理】

最初は何もわかんなかったですよ。

【篠】

この格好のまんまでいっちゃったとか?

【理】

あ、着替えはちゃんと持っていきました。そこら辺は予習済みで。

でもほんとわかんなかったです。

そもそも知らない人がいっぱいいる~、みたいな。

【篠】

僕も最初スタッフで入って、あそこの人は何をやってる人なのか、これは誰に聞くのかって全然わからなかったです。

その時はおんなじ役が3人とかいたんだっけ。

【理】

そのときは2人かな。

【篠】

よく井上芳雄くんがダブルキャストの相手の悪口を言ってるけど、どうなの?(一同笑)

ああうまいなぁ、とか、こうやるのか、とかある?

【理】

あのときはそんなこと考える余裕なかったですね。

ど素人だったから。

ほかのこと考える余裕なかったです。

結果全然わからなくて。

【篠】

初日は覚えてるもんです?

【理】

めちゃめちゃ緊張しましたね。

今もだけど、幕あいてお客さんの反応見て、いい反応じゃないといいものと言えないなぁと思ってるので。

その時はどうなるんだろうって思ってました。

アンジョルラスでABCカフェのシーンで登場で、エポニーヌが歌うシーンのあと盆舞台でぐるっと回ってABCになるので。

スタンバイの時に本当にどきどきしてたら、まわりの人も大丈夫だよって言ってくださいました。

それでぐるっとまわって登場をして。

最後に赤い布を掲げて「むれとなりーてーーーーー」って歌うとこですごい拍手をもらえたんですよね。

それを聞いてそこから楽しんでできるようになりましたね。

大学の時に亡くなられた恩師の方が「拍手が人を育てるから」っておっしゃってだんですけど。

ぜひ、いいと思ったら、素晴らしいと思ったら迷わず拍手してあげてくださいね。

特に若い人達にはそれが救いになるので。

【篠】

早速ですがその2011年の帝劇のレミゼ、まさにそのシーンを。

【理】

あるの?これ24歳なんですよね。

うわーはずかしー。

あ、邪魔ですかね(といってプロジェクター前から移動)。

【篠】

では。盆が回ります。

【映像(ABCカフェの始まりからレッド&ブラックの決めポーズまで)】

(若い)(24には見えない。リーダー感満載。)

(理生さんが「なつかしー」とか「○○さんこれやってたんだね」とかなんかもそもそ言ってる。)

 【篠】

 それ独り言?

 【理】

 うん、独り言(一同笑)

(映像終わって拍手)

【篠】

この拍手で救われたというわけですね。

【理】

いや、この後のシーンですね(笑)

いやでも若いですねー。自分で見ても若いし、恥ずかし~。

まぁデビューにしてはいいんじゃない?(一同笑)

でもこの映像初めて見ました。すごい貴重映像ですね。

映ってる他のメンバーに、今も一緒にやってる人がいるんです。

デビューから見てくれてる、戦友という感じですね。

【篠】

今となっては幻のアンジョルラスですよ。

ちなみにこれをご覧になってる方は?(ぱらっと上がる手)

どうでしたか?って本人の前で聴くのもあれだけど。

お客さん→「それからのファンです」

【理】

ありがとうございます。

【篠】

持ってかれちゃいますよねハートを。

【理】

(笑)でも青いですよね~。

【篠】

デビューしての反応はどうでした?

【理】

お手紙もたくさんいただいて、出待ちもいっぱいで。

びっくりしましたよ。

あの時はファイナル公演だったってのもあってフィーバーで、両手にいっぱいプレゼントで筋トレみたいになってて。

あ、これ持って帰るのかって。

それだけいいと思ってくれたのかなぁと思いますね。

【篠】

次が全く毛色の違うロミオ&ジュリエット。

あ、これに関してはこの前刈谷には来ましたね。

一応名古屋飛ばししてないという。

ロミジュリは初小池ですよね。

【理】

初小池ですね。初修ちゃん。

この時はオーディションだったんですけど、小池さんとそれ以前の学生時代に面識があったんですよ。

授業持ってたんです、藝大で。

講師という形で、年度の最後の方にいらしてって感じでした。

同級生の同じサークルの女の子で宝塚大好き子がいて、その子が「イケコがくる!!」って(一同笑)。

で、その子は履修してて僕はその授業を取ってなかったんですけど、

「イケコ来るから理生絶対来た方がいいよ!聴講生でもいいから!!」って。

その授業は短いオリジナル作品を作るっていう授業だったんです。学生が。

【篠】

じゃあそれをアドバイスするのが小池さんと。

【理】

そう。

で、僕履修してなくて聴講生なのにキャスティングされたんです(こんな感じでっていうモノマネ付き)。

それで面識がありました。

オーディションはお世話になった人からの連絡でしたけど。

【篠】

じゃあ小池さんからなのかもですね。

小池さん、見てる作品数が半端ないんですよ。

昨日エリザベートのマチネのチェックで来て、一度いなくなってソワレもまた来たんです。

そうしたら、間で歌舞伎座行ってきたって。

三谷歌舞伎をチェックしてから戻ってきたんですよ。

だからレミゼを見て、上原理生こんな風なんだってなって、ロミジュリに呼んでみようってなったのでは。

ちなみにロミジュリはどの役で受けたの?

【理】

役は2つですね。

ベンヴォーリオとティボルトを受けました。

で、歌い終わったらめちゃくちゃ笑ってるんですよ小池さんが。

それで「どっちやりたい?」って聞かれてティボルトって言ったらティボルトになりました。

【篠】

言ってみるもんだね(笑)

ベンヴォーリオもイメージ的にはあってる気がするけどね。

でも今ロミジュリは若返ってるからね~。

【理】

もう無理か(笑)

【篠】

もう大公とかお父さんとかじゃない?(一同笑)

【理】

でもティボルトもっかいやりたいんですよね。

まだ2作目だったので、いろいろわからなくて。

だから悔しいです。

いまやったら絶対もっとよくできるのにって。

【篠】

そんな右も左もわからない頃のティボルトを。

【理】

あるんですか?うわーーー

CDは聞いたことあるけど映像は初めてだ。

あ、邪魔ね(といって場所を移動)(一同笑)。

【映像(本当の俺じゃない)】

(若い)(アツいティボルト)

(見てる理生さんが途中で位置を壁際にそって少し後ろに移動)(画面を凝視する理生さん)

(拍手)

【理】

恥ずかしさのあまり汗がでてきますね。

懐かしいなぁ。あと背が高く見えるね。

【篠】

レミゼとは全然作品も違うし、これ録音ですからね、音源が。

【理】

あ、そうですね。

でも右も左もわかってない感満載ですね。

恥ずかしいなぁ。もっとできたなぁ。悔しいなぁ。

でも懐かし~。あんな衣装だったなぁ。

篠さん使ってくれませんか。

【篠】

俺この作品は関係ないから(笑)

小池さんに言うことはできるけど。

【理】

言ったんですよ、1789の打ち上げの時に。

ティボルトもっかいやりたいですって言ったら、君はロック歌えるのか?って聞かれました。

やっぱダメかな、やりたいんだけどね。

【篠】

駄目だろうね(一同笑)。

若返ってるからね。

ところでこないだのティボルトって誰だったっけ?

【理】

大ちゃんとヒロ。

そこは年上!行けるんじゃないですか!!(拍手)

【篠】

いけるかもね!

【理】

じゃあスケジュールが合えばぜひ。

ティボルトもっかいやりたいな~。

【篠】

その次がミスサイゴン

そう考えると大作ばっかりですごいね。

これは作品として知ってた?

【理】

ブイドイをはじめに聞いたんです。作品を見る前に。

いい曲で、いつか歌いたいとずっと思ってました。

【篠】

それを歌えてしまうって本当にすごいよね。

【理】

いやいやいや。

ラッキーだしありがたいですよね。

それでジョンを受けました。

ちょうどサイゴンが新演出版に変わるときだったんですよね。

【篠】

そうか~。

育三郎とだったよね。

【理】

そうそう。

ダブルが岡さんで。

新妻聖子さんがキムでしたね。

【篠】

そういえば全部いくとだね。

レミもロミジュリもサイゴンも。

【理】

そうそう。役柄も近い感じでしたし。

【篠】

早速ですがそのブイドイを。

【理】

ひえー。

【篠】

また本人が視界の邪魔になるという(一同笑)

【理】

これ25歳ですかね当時。

(ここで少しトラブル)(音は出るけど映像が出ない)

【篠】

このままじゃ皆さんに怒られちゃう。

じゃあ本人が身振り手振りで口パクでやるってのはどうです?(一同笑)

【理】

そんなのあり!?

【篠】

で、動きが違う!って言われるんですよ。みんなの方が多分覚えてるので。

あ、いけそうですね。

【映像(ブイドイ歌い始めから育三郎さんがでてきて少し歌うとこまで)】

(若いねやっぱ、とぼそっとつぶやく理生さん)

(確かに若い)(でも相変わらずすごい歌唱力)(写真でしか見たことないシーンが動いてる!)

(拍手)

【理】

は~。直球勝負って感じですね。

【篠】

いい曲ですね。サイゴンだとこの曲が一番好きです。

実は1回しか見てないけど、この曲しか覚えてないんです。

【理】

やっぱり実際の映像使ってるのもいいよね。

この作品に携われてよかったです。

内容もだし、演出家でダレン・ヤップさんが来てくれて。

新演出版の基盤を作るっていうので、新しい演出の仕方、舞台での生き方を丁寧に教えてもらって。

それが今でも舞台に立つうえでの根幹になってるんですよね。

舞台上で生きることを教えてもらったというか。

ターニングポイントでしたね。すごく勉強させてもらいました。

それこそ神様みたいな、慈愛に満ちてて優しくて、でも熱い、愛情深い人で。

一緒に涙を流して真摯に向き合ってくれて、すごい恩があります。

【篠】

3作品目にしてまた違った演出家の方と出会ったと。

【理】

それまで暗中模索でわからなかった日々に、これでいいんだよって道を示してくれる機会だったのがミスサイゴンですね。

【篠】

またやれるといいですね。

【理】

そうですね~。

前回、大千穐楽が名古屋で、ひょうごけんりつ、ちがう、愛知県芸か(一同笑)。

そこで僕の出演が99回で終わったらしいんですよ。

あと1回やったら三ケタになるんで、1回でいいからやらせてほしいですね。

いつかまた、ダレンさんとやりたいです。

【篠】

この後色々な作品がありますが、その中でヴェローナの二紳士の映像が。

(ここで噴き出す理生さん)

ご覧になった方は?(ほぼ挙がらない)

これ名古屋でやったんですけどね~。

【理】

シェイクスピアの喜劇を宮本亜門さんが演出したものなんです。

亜門さんとは初めてだったんですけど、ものすごく動き回って見せてくれて、で「やって」って感じでした。

で、すごいおいしい演出をつけてくれたんですよね。

僕は凄く楽しんでやらせてもらいましたよ。

【篠】

僕も実は観てないんです。

自分の作品とかぶってたので。ちょうどショーシャンクの空にをやってたんですよ。

で、映像を今回見てみたら、ああ面白そうだなって。

【理】

出演者も豪華ですよね。

西川さん堂珍さんあと筋肉体操の武田さんとかブラザートムさんと霧矢さんとか。

(ここで1789の映像が流れる)

あ、ダントンだー。

【篠】

ヴェローナ飛ばそうと思ってたんですよ(笑)

でもやっぱりみたいなぁと思って。戻ります。

【映像(エグラモー登場シーン?)】

(映像を見ながらしゃべる理生さん。) 

 【理】

 客席から登場するんですよ。石油王みたいな恰好で。で肩に鳩載せてるんですよね(一同笑)

 【篠】

 鳩これ?(ポインターで指し示しながら)

 【理】

 それ!(一同爆笑)

 腰に下げた金のランプをこすると煙が出て、それをかぐとみんなバッタバッタ倒れてくんです(一同笑)。

 【篠】

 これどんな気分でやってるの?(一同爆笑)

 【理】

 楽しんでやってます。

 (キスシーンで)あ、これキスしてないですよ。

(映像終わって拍手)

【理】

ほんとこれ突っ込みどころが満載なんですよ。

すごい面白かったですね~。

亜門さんが、「オペラ歌手の感じで来て!ただ朗々とやってくれたら十分だから!」って。

でそのあとのシーンで裸になるんですよね。

テントの中で着替えるんです。

霧矢さんがいてそこで着替えて、すっげー恥ずかしいなーって思ってたら霧矢さんが「手伝いましょうか」って(一同爆笑)。

【篠】

じゃあ各地で転々と裸になったと。

【理】

もう怖いものはなくなりました。

【篠】

では、次は1789を。2016年と18年とありますが、初めて一緒にやったんだよね。

理生がダントンっていう実際の人物を演じて。

実際の肖像画はものすごい不細工なんですよね。

で、似てないんだけど、理生の作ったダントンが豪放磊落で、ダントンってこういう人だったんだなって。

ぴったりだったと思います。

【理】

たのしかったですよ。

愛らしいというか、しっくりくるというか。酒ばっか飲んで(笑)

【篠】

今までの理生のイメージとも違うよね。

【理】

今までそういうのを見せることがなくて、それを引き出してくれた感じですね。

【篠】

この作品、男性がたくさんでてるじゃないですか。革命派と王党派と。

吉野さんとかサカケンさんとか渡辺くんとか、キャスティングが大変でした。

【理】

そこ聞きたいな。

【篠】

誰がどこにってのは結構パズルしましたね。

しかも、東宝版がどうなるか小池さんしかわからなくて、どこか変更点があるかもっていう状況で、

台本が固まる前にキャスティングしなきゃいけないってなっていて。どうするんだって。

だから理生がアルトワ伯だったかもしれないんです。

でも結果決まるべくして決まったという感じになりました。

じゃあ、パレロワイヤル2016年と18年つなげて流しますね。

ちょっとだけ変わってるところがあるんですけど、ご存知の方は?(手が挙がらない)

あれ、知らない?だいたい聞きに来る方は遠慮しないんですけど。

【映像(ダントンのセリフからパレロワイヤル全部)】

(ダンシャルちゃんのダンスのとこが二重に流れる)】(振りが違う)

(自分が観に行ったことあるのが流れるのはこれが初めて)(懐かしいなぁ通ったなぁ)

(別角度がいっぱい)(「紳士になれる」の部分のロナンのダンス映像が入ってる!)

(ちなみに18年のはひなりちゃんシャルロットてぺロナンver)

(映像終わって拍手)

【理】

いい曲ですよねー楽しいよね。

自分も踊ったし、みんなほんとに大変な舞台で、けがもあって。

でもダンサーのみんなが、パレロワイヤルが一番楽しいって言ってくれて、それがうれしかったですね。

【篠】

それぞれどの役にも個性があっていい作品ですよね。

そうこうしているうちに時間が来てしまいましたが。

こうやって振り返って、どうですかね?

全くミュージカルに縁がないとこから始まって、それが2011年からミュージカルの世界に入って、どうですか。

【理】

そうですねー。

本当にありがたいことに、大きな作品に出させて頂いて。

振り返ると最初はロックンローラーになりたくて、でも藝大に行ってクラシックをやってミュージカルに出会ったという感じで。

ミュージカルに出会ってなかったら同じ歌でもこんなにだくさんのジャンルをやっていなかったなって思うんです。

こんなにたくさん歌えるっていう部分で、視野を広げてもらえたのかなって感じですね。

総合芸術だとつくづく感じますし。

役者、プロデューサー、小道具、大道具、スタッフ、いろんな人が作り上げているものなので。

デジタルの世の中で、舞台芸術は究極のアナログだと感じます。

沢山の人が集まって、それぞれの人の手で作られるのが芸術なんだなってのをすごく感じるようになりました。

人のつながりや一瞬にかける思い、汗、そういうのが糧になって舞台を作っているのだと。

【篠】

みなさんが思ってる以上に本当にアナログなんですよね。

セットを動かしてるのも人ですから。

小道具一つとっても人が作ってるんです。

そいういう細かいとこの仕事をみなさんが感じて作品の良さにつながってるのかなとも思いますね。

じゃあこれからやりたいこと、役は?

【理】

人間じゃない役、それ、そのキバの人とか(といって皆の机の上のダンスオブヴァンパイアのチラシを指す)。

吸血鬼やりたいですね。あとジキハイとか。

【篠】

狂気の役って感じですかね。

逆にみなさん、こういう役が合うと思います、こういうの見てみたいですとかは?

答えづらいですか?

じゃあ全体に関して、質問がある方は挙手を。

以下質疑応答コーナー

Q.ミュージカルはアメリカや日本では文化になってるけど、ヨーロッパやアジアではあまりミュージカルが

文化になってない印象がありますが、いかがでしょうか?

【篠】

ヨーロッパだとイギリス、ロンドンかな。

【理】

レミゼスペイン語版をみたんですけど、もう激アツで。

詳しく知らないですけど世界各国でやってるのかも。

【篠】

ただ1789の時にも聞いたんですけど、フランスはミュージカルが根付いてないですよね。

【理】

やっぱり国によってちょっと違うと思います。

Q.歌のない、いわゆるストレートプレイの違い、良さはなんですか?(といった感じの質問だったと思います)

【理】

ストレートプレイはまだちょっと歴が浅いから良さを伝えられるほどじゃないですけど。

だからミュージカルの点でお話しします。

ヴィクトル・ユーゴーが言ってて。

「音楽は、人が言葉で表すものを言葉でない事柄でもって表現する(ニュアンス)」と。

つまり目に見えない心情を言葉でないもの、歌、で表現することができると思うんですよね。

ストプレの方はごめんなさい。

でも、ミュージカルの題材にできないようなものができるとは思います。

【篠】

たしかにミュージカルは歌わないといけないですからね。

だから作風によってはミュージカルにならないものもあるだろうけど、ストプレだとそれがないと思います。

Q.この演出、舞台セットが好きだったなってのは何ですか?

【理】

1789ですね。

【篠】

ありがとうございます。それを言ってほしかった~。一番お金かかってるから。

【理】

でもあれはお世辞抜きでこれ(と言って手を上下に動かす)がすごかった。(←額縁のセットのこと)

王族派と革命派がわかるじゃないですか。あれがすごい。

【篠】

小池さんともそこを話しましたね。

王宮が民衆をつぶす形にしたい。

そのために額縁が下がってそのうえが王宮、それが上がると下から民衆が出てくるっていう風に。

それでみんなで埼玉の大道具の工場に行ったんですよね。

傾斜があるので、実際にどうか、踊れるのかって。

【理】

そこに行くまで全然イメージわかなかったですね。

特に民衆はあの上に乗ることができないので。

去年トークショーで、新歌舞伎座であの上に上ったのがうれしくて。

あれテンション上がったなぁ。

でも、作品ごとに描きたいものって違って、その作品で描きたいベストの舞台芸術があって、すべて素晴らしいと思います。

【篠】

ぜひ見た目の美しさと、そこに込めたメッセージも見てほしいです。

【理】

そこもミュージカルが総合芸術って感じる部分のひとつですね。

Q.妄想ですが、劇団四季とか宝塚の作品でこれがやりたいってのがあれば。

【理】

良い質問でしたね~。

それこそ四季だったらファントムやりたい。

ミュージックオブザナイト歌いたいですね。

宝塚だとひかりふる路っていうのがあって、1789のあとのロベスピエールの作品なんですけど。

ダントンっていう映画があるんだけど、オマージュがちゃんと織り込まれてるんですよね。

恐怖政治に賛同しないダントンが、民衆からの人望が厚くなっていってて、

ロベスピエールから反乱因子とみなされてしまって、話し合うけど処刑されちゃうっていう。

そのダントンをやりたいですね。

1789とは違うテイストだし、あの映画がちゃんとオマージュされて素晴らしいし、シリアスなダントンをやりたい。

みなさんの力でどうにかなるんでしょうか。

あと、作曲がワイルドホーンなんですよね。

スカーレット・ピンパーネルでもロベスピエールやったけど、ワイルドホーンの楽曲も好きなので。

また彼の曲を歌ってみたいです。

Q.最近テレビとかで倫理的に使われない言葉があったり、下にテロップでが注が出たりしますが、

ミュージカルの中でも使ってはいけない言葉とか振り付けとかあるんですか。

【篠】

自主規制、どうかな実はそれほど意識していないところですね。

【理】

我々もそんなに制約を受けている感じはしないですね。

【篠】

一般的にミュージカルのジャンルとしてそういうとこに抵触してくるものが少ないのでは。

ストプレでもそんなにない気がしますね。

その辺はわりと自由というか。

なので安心してご覧ください。

【篠】

時間も来たので、最後に一言お願いします。

【理】

ひとこと?うーん。

本日はお集まりいただきご清聴賜りありがとうございました。

ちゃんとみなさんが求めていた話をできましたかね(拍手)

みなさん観劇するのが好きな方たちだと思うので、その愛を忘れずに、舞台に足を運んでくれたらと思います。

キャストスタッフ、みんなそれが励みになって頑張れるので。

これからも楽しみにして頂けたらと思うし、我々もそれ以上のものを見せられるように頑張るので、また劇場にお越し下さい。

本日はありがとうございました。

(拍手)(退場)


こんな感じでみっちり12,000字超の大作になってしまいましたよ。

や~貴重映像盛りだくさんでほんっとうに楽しかったです!!

ざっくり言うと新宿の朝日カルチャーの講座はレミゼのジャベールについて掘り下げていく内容で、

今回の栄の中日講座は上原理生というミュージカル俳優について掘り下げていく内容でしたね。

正直似たような話になるのかなぁとか勝手に思ってたので、嬉しい誤算でした。

自分がファンになってから浅いので、昔の映像が見られる機会は本当にありがたいの一言です。

というか東宝さん結構映像持ってるんだね!その映像もっといろいろ世に出してほしい!!

今回、一緒に行った母と、一番印象に残った部分は何かという話をしてみたら、同じ部分が挙がりました。

母も思わずメモを取ってたので、ああ感受性が似てるんだなと思ったり。

それは、理生さんが終盤で語っていた、「ミュージカルは総合芸術でありかつ究極のアナログである」という部分です。

やっぱり私は、人の手が作り上げるもの、沢山の人が協力して出来上がるもの、機械に取って代われないもの、

一瞬一瞬に思いが詰まったもの、そういうものにものすごく惹かれるんですよね。

いろんな芸術作品が好きですし、それこそそういう勉強もしてきたので絵画も彫刻も建築も色々大好きですが、

その中でも私が一番惹かれるのが身体表現芸術、つまり舞踊やダンスや演劇みたいな舞台芸術なんです。

その理由を改めて言語化してもらった気がしたというか。

究極のアナログで一回きりでたくさんの思いが詰まったその一瞬って本当に魅力的なんですよね。

しかもそこに音楽の力が宿っている。言外の感情を歌に乗せて表してくれる。

本当に素晴らしい総合芸術だと思います。

だから私はミュージカルが好きで、劇場に通うのをやめられないんです。

さて、明日はレミゼ名古屋千秋楽!

両親の分もチケットを取ったので、一緒に見に行けるのがすごく嬉しいです。

6月19日ソワレの感想をまだまとまられてないのが心残りだけど、この記事だけでも書きあげられてよかった~。