HempLake

つれづれなるままにつらつらと。文字数がやたら多い。

大高緑地を愛する者の叫び

私は名古屋市出身です。

名古屋というと「都会」というイメージがあるかもしれません。

しかし、思い返すと私の生活は大高緑地の豊かな自然に支えられていました。

大高緑地は緑区でも屈指の自然を誇る場所です。

東京ドーム26個分の広さを誇る敷地には、若草山や雑木林、池、梅林、桜の園などたくさんの自然があります。

ここにはオオタカなどの貴重な生物に加え、ザリガニやカブトムシ、野鳥などたくさんの生き物が暮らしています。

ところが今、ここに恐竜のテーマパークを建設するという計画が進んでいます。

しかも、地元住民に何の説明もなくこの計画は発表されたのです。

恐竜パーク、民間整備で 来夏開業の大高緑地

以下、一部抜粋

名古屋市緑区の県営公園「大高緑地」に来年七月、実物大の恐竜ロボットを設置した探検型のテーマパーク「ディノアドベンチャーライド名古屋」がオープンすると発表した。民間事業者が県営公園に施設整備する初めての試みで、県は年一千万円程度の使用料収入を見込めるという。

 全長十五メートルのティラノサウルストリケラトプスなど恐竜の模型三十体を樹林に設置し、手足や尻尾が動いたり、ほえたりする。

 場所は園北西部にある若草山と呼ばれる丘の西向きの斜面約三・二ヘクタール。一帯はナラの木を中心とした樹林地で、ほとんど利用されずに残っている。景観保全のため、カート道敷設で伐採するのは〇・六ヘクタールにとどめる。」

私はこの計画には断固反対します。

大高緑地にその様なテーマパークは必要ありません。

なにが恐竜だ!ふざけるな!と声を大にして言いたいです。

大高緑地の自然を「何もない」からつまらないという人もいるかもしれません。

けれど、創造力は「何もない」中で育まれていくものだと思います。

子供に本来備わった「何もない」中から「遊びをつくる力」を大高緑地は最大限発揮させてくれます。

恐竜パークはこのような「遊びをつくる力」を阻害するものであると考えます。

私は大高緑地で育ちました。

幼少期から大高緑地には毎日のように通いたくさん遊びました。

芝生をはだしで駆け回り、ザリガニをつり、木登りをし、雑木林を探検し、赤土の泥を全身に浴び…

自然の中で、自分たちで遊び方を考え、全力でそれを実践していました。

まるで山ザルのような、とてもたくましく活発な幼少期でした。

がけ

こういった崖でもよく遊びました。

また、緑地からは自然の恵みもたくさんいただきました。

つくしやタケノコ、しゃしゃんぼ、桑の実、椎の実…

まさに四季を五感で体感することのできる場所でした。

成長をしてからも、大高緑地はずっと私の心のよりどころでした。

中学でいじめにあい辛い思いをしたとき、母と緑地に行ってただひたすらその自然を眺めていました。

大好きな祖父が亡くなったとき、綺麗な桜の木の下で母と姉とお団子を食べて心を癒しました。

大学受験に失敗したとき、ひとりで散歩をしに行って何日も梅林を眺めて過ごしました。

祖母が亡くなったとき、家族でサンドイッチを作って新緑の下で食べました。

緑地の自然は辛い時も悲しい時も心が虚ろな時も、いつもそっと心に寄り添ってくれるのです。

恐竜パークの建設が予定されているのは、大高緑地の中でも随一の美しさを誇る「若草山」に至る雑木林だそうです。

駐車場から雑木林の斜面を登り樹のトンネルを抜けると、ぱっと目の前に広がるのが「若草山」です。

ここは見通しが良い絶景地で、特に春の桜の時期の美しさたるや言葉を失うほどです。

こちらが雑木林のトンネル。ハートの形になってます。

若草山 入り口

その先に広がる、桜の時期の若草山

若草山 桜

まさにこの桜の木の後ろに見えている雑木林に、恐竜パークは建設されようとしています。

桜

新緑の季節も、若草山は息をのむほどの美しさです。

若草山 新緑

雑木林の樹のトンネルを抜け、目の前に突如現れる広大な自然。

初めてそれを目にしたときの記憶はありませんが、20年以上たった今でも、その景色はいつも感慨深く感動的なものです。

恐竜パークが建設されると、この若草山に至る雑木林に地元の人が立ち入ることができなくなってしまいます。

私は歩けるようになる前、まだハイハイだったころから緑地の自然を肌で味わってきました。

それから20年余り、緑地の景観はだいぶ様変わりをしています。

湧き水は埋め立てられ、遊具の建設が進み、外来植物の増加によってはだしで歩くことが危なくなってきました。

昔の自然のままの姿から、どんどん人工的な姿へと変えられてしまっています。

それでも、今なお緑地には豊かな自然がたくさん残っています。

何度でも訪れたくなる、心が安らぐ、そんな優しい自然が広がっているのです。

これ以上、この自然と景観を踏みにじってほしくありません。

自然の中で過ごした経験を、もう取り返すことのできない懐かしさの中に封じ込めたくはありません。

今でも私は帰省すると緑地に行きます。

桜を見たくてそのためだけにわざわざ帰省することもあります。

下宿先の近くは観光客ばかりでこうやってふらっと訪れたくなるような自然はありません。

大高緑地は私のふるさとであり、おうち以外では世界中で一番大好きな場所なのです。

恐竜パーク、断固反対!

現在、地元住民の方たちが署名活動など頑張ってくれているようです。

よかったらお力添えお願いいたします。

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何もできない自分がもどかしく、ここまで長々と書いてしまいました。

どうかたくさんの方にこの問題に興味を持っていただけたら幸いです。