HempLake

つれづれなるままにつらつらと。文字数がやたら多い。

恩田陸作品の特徴あれこれ

私は読書が好きだ。

特に恩田陸が大好きだ。

だがしかし、恩田陸を盲目的に崇拝しているわけではない。

好きだからこそ、何度も読むからこそ、うん?と思う部分が見過ごせなくなっているのだ。

何年間も、「恩田陸の作品ってなんだかどれも似てるんだよなぁ」と思いつつ言葉にできないでいた。

しかしとある夜、何を思ったか恩田陸についてWordにまとめてみたら出るわ出るわ。

というわけで私の思いのたけをつづったのが以下の文章です。

何故だか「恩田陸に詳しくない人に恩田陸を紹介する」みたいな感じになってます。


恩田陸作品を読み続けて早10数年、

ほぼ全作品を読了した者による徹底した恩田陸分析!!

恩田陸作品の特徴あれこれ~

あまりにもワンパターン! これが恩田陸作品の全てだ!!

1.登場人物はやたらめったら美男美女

2.途中まで超絶面白い、のに終盤の着地点不明

3.みんなお酒・たばこが大好き(未成年含む)。酒豪だらけ

4.登場人物の趣味はたいてい読書(しかもミステリマニアばかり)

5.別居離婚母子家庭異母姉妹等々家庭の問題はお手の物

6.軍事要素(特に戦車)/植民地思考/格闘技/八咫烏が挟み込まれる

7.作者のよく見る夢/ひらがなゲシュタルト崩壊話が度々登場

8.場景描写が映像的かつ難解。特に建物の間取りの想像がしづらい

9.子持ち人物の子持ち感ゼロ(作者独身のためやむをえないか)

10.国立理系羨望主義(作者は早稲田文系。コンプレックスか)

恩田陸作品に一抹の不安を覚えたそこのアナタ、大丈夫!

上記要素がマシな作品もあります。そこで、私の独断と偏見で

恩田陸ワールドに慣れないアナタにもおすすめの3冊をセレクトしました!

1,夜のピクニック 2.チョコレートコスモス 3.上と外

あまりに濃いものはちょっと…という方はぜひこの3冊をば。だいぶマイルドですから。

また、恩田陸は短編やエッセイもなかなかに面白いのでおススメできます。

特に『「恐怖の報酬」日記 酩酊混乱紀行 イギリス・アイルランド』は最高です!

恩田陸要素が濃いめでも大丈夫!という勇者にはこちらの4冊をおすすめします!

1.中庭の出来事 2.夏の名残の薔薇 3.ライオンハート 4.ユージニア

1と2は特に入り組んでいてややこしいですが、恩田陸作品ならではの美しさがあります

頭の中で時間軸と登場人物を整理しつつ、恩田陸ワールドに思う存分浸りましょう!

次点→『私の家では何も起こらない』『ねじの回転』『Q&A』『月の裏側』

恩田陸は私たちを非日常の世界へいざないます。

途中まではその魅力に惹きこまれるものの、やがてもやもや感が生じることでしょう。

何かがおかしい、納得がいかない、え?そういう終わり方しちゃうの??え???

しかし私は言いたい。

もやもや感や不明瞭さがあってなお、中盤までの面白さは格別のものなのだということを。

謎めいた美しさ、胸が締め付けられるようなノスタルジア、どこか耽美で優雅な世界、

恩田陸作品は、そういったものが随所に散りばめられた、贅沢な宝箱のようなのです。

終盤どれほどぶっとんで終わるか、それを想像しつつ読むのもまた一興といえましょう。

最後になりましたが、

わたくし自身は散々な言い様をしつつ恩田陸作品をこよなく愛しております。

その世界観に取りつかれ、手あたり次第読み、何度も読み返した今だからこそ言えます。

「読みたかったのはコレじゃないんだ感」こそが恩田陸作品の最大の魅力だと。

アナタも読めば読むほど、恩田陸作品の理解できなさが理解できるようになることでしょう

これでもう恩田陸は怖くない!一緒に独特の世界観を味わいましょう♪

P.S.恩田先生、薔薇の中の蛇とダンデライオンの完結を楽しみに待っています!!


読み返してみると、言いたい放題ですね。

ぴゃああすんません…

けどね、やっぱり恩田陸が大好きで、書店で文庫を見かけるとついつい買っちゃうんですよね。

最新の短編集『私と踊って』も多分に漏れず。

『私を踊って』の一話目「心変わり」を読みながら思ったんです。

あーこれが私が恩田陸に望んでたものだ!やっぱり短編は最高だなぁ!

シンプルに美しくて謎めいてて、やっぱり恩田陸は天才だ!!

ところが短編集を読み進めるうちに頭の中に「?」が増えていって、「台北小夜曲」でついに前言を撤回するに至りました。

やっぱこの人の感性にはついていけない…

めちゃくちゃ展開が気になったのにラスト1ページでこの返しって何よ……

あまりにも拍子抜けというか、なんというかその、面白くない(小声)………

けどね、こういう落差の激しさに耐えられないようじゃ恩田陸ファンとは名乗れません!

当たりはずれを楽しめるようでなければ…!

そんなわけで、今日も私は本屋で恩田陸コーナーに立ち寄るのです。