沼に落ちる音
2019年一発目の記事です。
観劇鑑賞の感想メモ的に書いてるこのブログ、2018年の下書きにいろいろたまってるやつもあるんだけど、
とりあえず今日の宝塚雪組ファントム大千秋楽ライブビューイングの感想をまとめときたい…!
というわけで行ってきましたよライビュ!
ほんとは第一希望の二条に行きたかったんだけど(わりと近いから)、はずれて第二希望の大津になりました。
でも場所なんて関係ない!行けて本当によかったです!
そもそも私と宝塚について。
正直全く詳しくないただのにわかです。
けど、ファンでもないくせにじつは宝塚大劇場で観劇したことがあるんです。
私の通ってた大学の学部は美学芸術学科ってとこで、実地演習という授業が履修できて、
そこでは学期に5回、展覧会や伝統芸能やクラシックの演奏会に連れてってもらえたんですね。勿論タダ。
今思い返してもおいしすぎる…また履修したい…(無理)。
で、3年前の秋学期に念願の宝塚鑑賞が含まれてたのです。
その時見たのはシェイクスピアとその妻の物語でした。
タイトルもどの組だったのかも忘れてしまったけど、とにかく惹きこまれたのを覚えてます。
本当にかっこよくて、蟻地獄みたいな魅力で、「はまっちゃやばい」ってずっと心の中で唱えてました。
でも、けっきょくはまりきらなくて、それっきりになってたんです。
今回雪組のファントムのライビュのチケットを取ろうと思った原因は遡ると去年の1789になるんですかね。
東宝1789にはまっていろいろ感想調べてたらひかりふる路を観劇した人の感想がちらほら混ざってて、
「1789やフランス革命が好きな人は雪組のひかりふる路も見てほしい。BSでも放送あるからこの機会にぜひ!」
みたいなのを見かけて、どっちも好きだからと思って軽い気持ちで録画したんです。
で、そこで衝撃を受けました。
望海風斗さんと真彩希帆さん、うたうますぎない??え???
スケオタ的に望海さんのお名前は見かけたことあったけど、あれほど歌うまできらきらした方だとは…!
気づけば録画を3回くらい見返してました。
内容もだけど歌もあまりに好みすぎて、母や姉も巻き込んで一緒に観賞会したくらいです。
てなわけで、沼の入り口を認識しつつあったところで見かけたのがファントム千秋楽ライブビューイングの文字。
こちらも軽い気持ちで抽選発売をぽちっとし、第二希望の大津が取れて、今日に至るのです。
ここからようやくライビュの感想です!ちなみに宝塚のライビュはこれが初めてです!
幕間と帰路と家でiPhoneのメモにがしがし書いた殴り書きをそのまま載せていきますね。
2/10 雪組ファントム千秋楽ライビュ@ユナイテッド・シネマ大津
【幕間】
すごい…
望海風斗様も真彩希帆ちゃんも歌うますぎない???
いやー歌うまなのは知ってたけど映画館で見るのなかなか良いな!!
音に包まれる感じだしオペラグラスもいらないし。
これはハマりそう〜
雪組生でみたい!そんな欲が一層高まった!!
エリック、うまく言えないけど思ったよりも普通の人で、等身大の青年という感じ。
なんかもっと高みに立ってる近寄りがたい感じのイメージを勝手にしてたので、とても人間的だと思った。
クリスティーヌはかわいすぎる!
最初のちょっと芋っぽい感じとかその後の一皮むけた感じとか、きほちゃんすごすぎるね!
ファントムは今回が初見ってのもあるかもだけど、内容なのか歌なのかとにかく心臓のばくばくどきどきがすごい。
劇場でみてるみたいな臨場感。
凄いなぁ惹き込まれるなぁ。
ちょこっと感想をTwitterで呟いたらフォロワーさんが反応して下さったのがまた嬉しい。
今この時間全国の映画館で同じものをリアルタイムで見てるなんて不思議な気分だ。
【終演後】
これは雪組沼落ちの予感…
いやぁ最高だった!!!
ちょっと語彙がないわ。
すごいものをみてしまったすごいものをみてしまった。
落ち着かねば…
しかしぼろぼろのぐずぐずになるエリックのなんと美しいことか。
望海さんの歌はもちろん演技が本当に胸に刺さる。
特に印象的だったのが、クリスティーヌに顔を見せてと言われて葛藤しながらも彼女を信じて仮面を外すシーン。
なんて胸が締め付けられるんだろう。
表面的な言葉ではうまく言い表せないけど、望海さんの歌はただ上手いだけじゃなくてその裏に何十倍もの
濃密かつ複雑な感情が揺らめいてて、その一つ一つがこちらの情動を揺さ振ってくるような気持ちになる。
見ていてとても苦しいんだけど、でも強烈かつ芳醇な魅力に満ちてて目を逸らすことができない、そんな感じ。
感情の機微がとても繊細に表現されてる。凄い人だ。
エリックは青年なんだろうけど中身はなんだか幼さというか少年のような強情さや歪みみたいなのも感じられて、
それが彼の積み重ねてきた孤独な歳月を引き立たせてるように思えた。
彼は陰りや儚さや脆さを内包してて、一部が崩れたらたちまち自我が崩壊してしまいそうな繊細さがある。
そのきっかけとなってしまうのが仮面を取った彼の顔を見てクリスティーヌが逃げちゃうとこなんだろうけど、
みてて正直ちょっとひどいと思ってしまった。
だって直前まであれほど愛があればだいじょうぶ的なこと言ってたじゃない。
きほちゃんのクリスティーヌはそれが許される気がするけどね。
純粋で無垢なお嬢さんで、言ってることに裏表はないのだろうし、やってることにいい意味で無自覚なのかもしれない。
でもやっぱりその行動はショックやで。
もう一つ印象的だったのがキャリエールと銀橋(で合ってます?)の上で親子として向き合ってデュエットするシーン。
彩風咲奈さん、ひかりふる路のダントンではただの豪快なおっさんだったのに(褒めてる)、
キャリエールではガラッと変わってとても紳士的かつ哀愁すら漂う愛に溢れた父親像で本当に素敵だった。
そして父親に向き合うエリックからもまた愛を感じられて…。
2人のデュエットの美しさや顔の醜さについて軽口を叩くところ、なんかもう無理って感じだった(語彙)。
そして、終盤のエリックが捕まってキャリエールに撃つよう頼みそれが果たされるシーン。
気がついたら視界が歪んでた。
私、泣いてるんだ…って茫然とした。
正直あまり外で涙を流せないタイプなので。
文章では「泣いた」とか書いてても実際に涙が流れるかというと別なのだけど、今日は本当に泣いた。
これも愛の一つの形なのかもしれないけど、でもあまりに辛すぎるよなぁ。
けどエリックがそう懇願したらキャリエールとしてはことわれないよなぁ。
キャリエール、このあと大丈夫だったかな、大丈夫なわけないよね。
そうか、これはただの男女の恋愛だけじゃなく、親子の物語でもあり、愛を渇望する物語なのか。
「オペラ座の怪人」はいくつかのバージョンを見たことがある。
小学生の時にレンタルDVDで白黒の無声映画版を見て、中学生の時映画館で新しいやつを見て、
高校生になってから劇団四季のを観に行った。
でもこの「ファントム」はそのどれとも違う物語で。
ああ、これが「ファントム」なのか。
なんて悲しく辛く切ない物語なんだろう。
初めて大劇場で宝塚を観た時に感じた「はまったらやばいぞ」のあの感覚。
でもあの時はそこまでだった。
あの時見ていたのが今の雪組だったら。そしてこの「ファントム」だったら。
きっと私は迷いなく沼に飛び込んでいただろう。
そこがたとえ辛く苦しい場所だったとしても、きっと満面の笑顔で飛び込んでいた。
なーんてポエミーになるくらいすごい求心力だった(笑)。
にしても改めて!望海風斗さんも真彩希帆ちゃんもなんて歌が上手いんだろう…!
私の持論として、ミュージカル俳優は演技はもちろんだけどそれ以上に歌うまであってほしくて、
それこそ理生さんとかソニンちゃんみたいに圧倒的声量と美声と上手さで会場を満たして欲しい派なんだけど、
だいきほコンビにはその上手さがあるなぁと。
特に望海さんの歌の上手さは、ただ音程が合ってる、ただ声量がある、そんな表面的なものじゃなくて、
そこに込めた感情や魂を歌い上げる力やがとにかく凄まじいところにあるんだろうなぁと。
見てるこっちの感情がジェットコースター並みに揺さぶられるあの表現力…!
そしてもちろん技術的にも最高だからもう神としか言いようがない。
は〜しあわせ。
同じ時代にこんな人達がいて、その様子を遠くにいてもリアルタイムで見られるなんて。
いつかこのふたりを生で観たい。
そう強く思ったし、きっとそれはすぐ現実になるんじゃないかと思う。
そんな確信がある。
BSを録画して軽い気持ちでみたひかりふる路がこんなところに繋がってたなんて。
は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんな感じで確実に沼に足を浸してますね。
うーんこれはやばい。この沼はやばい。
引き返すなら今かもしれないけど、とりあえず今はもう少し余韻を味わってみたいです。
あ、書き忘れてたけどカーテンコールで望海さんの素っぽい感じが見られたのとてもほっこりした!以上!!