【詳報!】上原理生の語る魅惑のミュージカル
5月15日、新宿にて行われた朝日カルチャーの理生さんの講座に行ってきましたよ。
なんかもうすごかった…!
ほんと行けてよかった!!
ジャベールを中心にレミゼについてのお話がみっちりで、理生さんファンにもレミゼファンにも沢山学びのある講座でした。
当日、開場時間すこし前に整理番号順に並んだんだけど110~120人くらいいたのかな。
学校の教室くらいのサイズ感の部屋に入ったら椅子がぎゅうぎゅう詰めで、この時点で抑えた熱気がすごい。
後方席でメモを取りつつ聞いてたのだけど、あまりの情報量の多さに頭がほわほわしました。
ただでさえ汚いメモを書き起こしつつ、ついでに前後の流れを思い出しつつで、まとめるのに時間がかかっちゃったよ!
というわけで口調とか細部とか違ってるだろうけど、雰囲気だけでも伝わればいいなぁと思います。
ちなみに進行役をして下さった村上さんとの対談のような形式でした。
村上さんは【村】、理生さんは【理】で書いていきますね。
あ、めっちゃ長いので覚悟しといてください。
(理生さん登場。わ、濃い!が最初の感想(こら)。メガネで黒シャツにいつものネックレス姿。)
【理】
たくさんのお客さんがいて近いから緊張しちゃいますね。帝劇はオーケストラピット挟むから。
警部負けちゃう(一同笑)。
【村】
上原さんのジャベールを見た人は手を挙げてください。
(けっこうな数の手が挙がる)
【理】
ま~。警部カンゲキ♡(一同笑)
【村】
アンジョルラスからジャベールに移った初日の感想は?
【理】
革命を起こす側から鎮圧する側になって、バリケードの景色は同じでも気持ちが違う。
ふしぎだな~と。血気盛んではなくなった感じ。
【村】
ひときわ(見た目が)おじいさんに作ってある感じですよね。
【理】
僕意外と若いんですね(一同笑)。
ジャベールは52歳。若く見えるから英国スタッフの指示でそうなったんです。
【村】
3人のジャベールの中で攻めてると感じました。蛇みたいというか。対決の笑顔も印象的でした。
【理】
あそこは稽古の時も笑っちゃった。
原作にもその記述があるんです。
証拠が掴めなかった悔しさよりカンがあってたっていう喜びが勝ってると。悪魔のようなほほえみというか。
演出の方からも猟犬が狩りをする喜びみたいにしてほしいということで、ばっちりハマったなぁと。
新しいジャベールと言ってもらうけど、けっこう原作から取ってます。
【村】
役に入り込む、憑依系なのかな。色んな役作りがある中で、構成のきっかりした中の狂気を感じます。
では1番最初にジャベールに決まった時の感想は?
【理】
よかった~~(ため息混じりに)。
前回でアンジョルラスは最後と決めてました。あの時点で勝ちそうだったし、周りも若くなってるし。
他の作品でも革命やってたりで、バスティーユ落としたり恐怖政治したり革命のプロみたいになっていて(一同笑)。
学生の信念やその青臭さから離れてるなぁと。
なので、最初からアンジョルラスは受けず捨て身でした。
ダメだったらレミゼからしばらく離れるかもしれないと思ってたので、本当に安心しました。
オーディションはジャベールとバルジャンで受けたのと、じゃあ次はジャベールで来て、の計2回でした。
【村】
学生の真実味・実感って大事だと思います。劇世界の前提なので。
アンジョルラスはソロがないプリンシパルで、キャラクターの華で勝負するから、裏返すと芸の力じゃないというか。
上原さんも岡さんも歌えるけどそういう問題じゃないですよね。学生が50代じゃダメ(一同笑)。
【理】
ユゴーが6月暴動を取り上げた理由のひとつじゃないかと思います。
若者が立ち上がり、散っていった。それを残そうとした意志を汲みたいですね。
【村】
アンジョルラスをやっていたのころのジャベール観は?
【理】
その時はアンジョルラスとして生きていたんで。
敵の首領、スパイとわかって「こいつ抑えときゃ勝てるかも」といった感じでした。
【村】
ジャベールがガブローシュに見破られて銃に手がいくじゃないですか。
上原ジャベールがそこの戦闘数値1番高い(一同笑)。
【理】
昔は俺も戦ったからね(一同笑)。
【村】
下手するとほんと銃を乱射しそう。
【理】
ほんとにやりたいんですよ(一同笑)。
奪った先に必ずアンジョルラスを狙うと思います。戦いなれてないから、こいつが倒れたら崩れるだろうなと。
あの場で戦った経験があって、ここにこれがあってこうってわかってるから!(一同笑)
【村】
バルジャンがジャベールを逃がすとこの背中が印象的です。前はスタスタ、今回はゆっくり。
【理】
「色々言うけどお前はどうせ囚人。どうせ撃つんだろ。じゃあ撃てよ。撃て!撃て!!(イケボ)」で撃たれない。
負けたっていう屈辱感と、徒刑囚が違う存在になった焦燥感を噛み締めてます。
彼の道理では復讐されて当たり前で、絶好のチャンス。
なのにバルジャンは許す。それは初めて触れる考えで、人の慈愛・許しというもの。
そういうものに全く触れてこなかったのは悲しい男だなぁと思います。
【村】
レ・ミゼラブルはキリスト教の精神で、許しと裁きが対立事項としてありますね。
バルジャンが許しでジャベールは裁き。それについてはどうですか?
【理】
ジャベールは旧約聖書の神様を信じてるんです。
その神様は悪い事をした人に天罰を下す。見てるからしちゃだめっていう戒律。
本当の神は後者だと思います。愛の精神。
でもジャベールにとっては別世界だった。
愛情を注がれないし、人を愛することも愛されることもない。
それを徒刑囚から教えられた、その屈辱感と驚きがあって。
でも彼も人間だからそれがわかるんです。
人として正しいのはバルジャンで、法として正しいのがジャベール。
それを知らされてヒビが入っちゃう、そういう違いがあるのかなぁと。
【村】
旧約聖書はユダヤ教の精神。神は厳しく恐ろしいもの、という考えで。
愛が大事だというのは掟への反逆で、だからこそ迫害されていったんですね。
でもそこが人間の本音と建前なんです。
フランスはカトリックの国で、厳しくもいいかげん。
ユゴーも人間の建前と本音、キリスト教の2面性をバルジャンとジャベールに付与したんじゃないかと思います。
【理】
旧約聖書と新約聖書の流れがそのままレミゼなのではと思いますね。
【村】
ジャベールは星の運行に代表されるような理性の人間。でもその中でのあのダークさは何なんでしょう。
【理】
ジャベールはコンプレックスの塊だと思います。
牢獄生まれで、19世紀のフランスは身分で運命決まってしまう。
もともとアウトローで生まれたんだけど、厳格で真っ直ぐな性分から、どうにかして中に入りたいという思いが強かった。
自分の体に流れる血、両親への憎悪があったと思います。
人って愛がないと生きていけないと思うけど、それがない彼がすがったのが法と正義だった。
そうして生きていくしかなかったのはしょうがないし、だからどす黒いですよね。
彼もレ・ミゼラブルのひとりだと思います。
【村】ジャベールはジプシーの親をもち獄中で生まれて、差別・排除されてきた。
本来は社会体制を批判する側になるはずなのに、ジャベールは体制側にならないと仲間になれなかったんですね。
【理】
想像なんですけど。
彼は社会のアウトローの人達と交流できなかったんじゃないでしょうか。
ストリートチルドレンで、悪いことをしなきゃ生きられないけどそれができないし、
そこでも迫害されていたのでは。大きな声で言えないけど体も買われてたのかも。
だからそういうものへの嫌悪感があった。
愛することも愛されることもわからないし、悪いものを根絶やしにする性格とハマったんじゃないかと。
話していいですか(一同笑)。
たぶん彼は教会で保護されたのかなぁと。
で、心を閉ざしてたけど、ある日ミサで旧約聖書の一節を聞くんです。
「私は怒りに満ちた懲罰をもって復讐する。私が彼らに復讐する時彼らは私を主と知る。」
(的な)(スラスラ暗唱)(エゼキエル書?)
そこにひっかかって、自分の血に復讐しようとなったんじゃないかと。
悪人の血を持ってる、だから悪人を自分が罰するんだ、と。
で、祭壇に掲げられたぶどう酒を「これが契約の血です」ってグッと飲んだんです(一同笑)。
【村】
上原版サブストーリー。
【理】
頭の片隅にひっそり置いといてください。
【村】
そういった妄想っちゃ妄想なんだけど、
【理】
妄想!ヤダ~(一同笑)
【村】
それを誘うようなのが旧約聖書ですよね。
ジャベールが自分の正当性を作っていく、という。
【理】
ジャベールを表す言葉は「同族嫌悪」だと思います。
彼にとって人間らしさとは「非難されようがないこと」。
だから法を遵守し、なおさら厳しく心がけたんじゃないかと。
【村】
人に対して強く出る人は自分が弱い人ってことありますよね。
そういった異形の人間の権化がジャベールなのかな。
【理】
もしかしたらアンチテーゼなのかもしれないですね。
正しいことが全てじゃない、グレーゾーンがあるっていうことの。
ジャン・バルジャンと表裏一体だと思います。
【村】
バリケード陥落後、ガブローシュの死体に向かって絶対言わなかったセリフを言うじゃないですか。
それについては?
【理】
話していいですか?(一同笑)
彼はそこでヒビが入ったんですよ。
(バリケードから逃がされたあと)僕は袖でずっと見てます。ガブローシュが弾拾ってて、ほんとに芝居してるんです。
彼らも役者ですね。で、それを手下が狙ってるんです。
【村】
それも芝居してるの?
【理】
あ、僕が勝手に脳内で(一同笑)。
で、「警部、反逆の根ははやくつぶさないとダメっすよねぇ!」でバンって撃つ。
彼らは法の上では正しいことしてるんです。テロリスト鎮圧っていうのは。
でもジャベールは浮浪児に昔の自分を重ね合わせている。
だから部下がガブローシュを撃って「やったぜ!」って喜んでるのに、そこで喜べないんです。
崩壊するバリケード。負けるとわかってて戦う学生。
その姿を「美しい」とすら感じちゃうんですよね。
でもそれを認めたら今までの自分を否定することになるし、それはできない。
その答えに決着するためにはバルジャンをぶち込まないと俺は俺でいられない。
で、探しに来たけどいない。ぱっとみたらそこにガブローシュの死体が。
きっと、1人の戦士、誇り高い男を称えるような思いなんだと思います。
演出家からは十字を切ってほしいとのことでした。
でも日本人だからちょっとそこまでいかなくて。膝をつくだけでもいいのかなぁと。
あの瞬間に「運んでやれ」って言います。「運べ」ではなく。
で、思わず訳分からなくて叫んじゃって、そこから下水道の出口。心が割れてひび割れちゃうんです。
【村】
バルジャン3人それぞれの印象は?
【理】
とりあえず光夫さんとやると疲れます(一同笑)。
回数は少ないけど、とにかく馬力がすごい。生まれ持った馬力が違う(一同笑)。
対決のシーンで鎖がスポーンと手から抜けて全部光夫さんのほうに行っちゃった。
2人で「どうする?!」「どうする??」って(一同笑)
なんとかなったけど、2人してごめん!って。
そんなことがあったから翌日のシュガーくんがほんと楽で(一同笑)。
シュガーくんとは歳も近いし、2人で新たなレ・ミゼラブルを作っていきたいなぁと。
対等な感じがします。
今回からのバルジャンで、大変だったと思いますよ。ほんとおっきい役だから。
慈愛の精神というか、本人の人柄が出ている感じで、すごく優しくて逆に諭されます。
菩薩みたいです(一同笑)。
【村】
宗教違うね(笑)
【理】
福井さんはバルジャンだけをずっとやってるので、その方と対峙できるのは光栄だし、ビシビシきます。
優しさだけじゃなく強さもある。光夫さんは強すぎるんですけど(一同笑)。
光夫さんは強すぎる上での優しさで、福井さんは両方内在している。
徒刑囚時代の強さと、元々持つ優しさと、一緒にある。そんな印象です。
【村】
福井さんはスタイリッシュだから上原さんと組むといい意味でオペラみたいだと感じます。品格があって。
濱めぐさんのファンテーヌも、あ、濱めぐさんのファンテーヌは見事ですよね。
【理】
(食い気味で力強く)ねええええっ!
良いだろうとは思ってましたけど、びっくり!
【村】
びっくり!
歌じゃない。芝居ですよね。
それは置いといて(一同笑)。
福井さんは輪郭の整った芸。レ・ミゼラブルはそういう品格、エレガントさが必要だと思うんですよ。
福井さんと上原さんが一緒にやるとそれが本当に魅力的。
で、光夫さんとだといい意味で場外乱闘ですよね(一同笑)。
【理】
光夫さんの時だけ対決おわると、ふぅっふぅって(肩で息する)。
前ガン飛ばされたです。幕あく前に。
学生団体でザワザワしていて。だから引き締めるためなのか、下から睨んでるんです。
久々だからよろしくってことかなと思って帽子に手をかけたけど、ずっと睨んでるからたぶん違うなと(一同笑)。
その日、プロローグでバルジャンが蹴られるとこでヴヴヴ!って立ち上がったんですよね。
「え!?立った!!」って(一同笑)。
手下と「どうする!?!?」って(一同笑)。
ほんと何が起こるかわかんないし、本気でやらないと負けちゃいます。
【村】
そこでおしまい、無事脱獄、みたいな(一同笑)。
【村】
アンジョルラスからジャベールになって、新しいカンパニーへの感想は?
【理】
風通りがよくて気持ちいいです。このメンバーで革命したかったな(あああ~って声が上がる)。
ジャベールはぜんぶ後ろから前にぐわーって出てくるし、時代も変わっていて、恐れられてる存在になっている。
だからあんまり関わらない方がいいかなぁと。異質感があるから、稽古中喋らないように。
あ、でも最近喋ってます(一同笑)
【村】
役に入り込んじゃうほうですか?
【理】
そうかも。
化粧前に老けメイクの道具をなんかきっちり並べたくなる。
あ、こういうとこに現れるんかなと(一同笑)。
でもあんま入り込みすぎるとあぶないなぁと。自殺しちゃうから。
リフレッシュリフレッシュと思ってます。
【村】
リフレッシュ方法を教えてください。
【理】
まずカーテンコールで笑うようにしています。
自ら死を選ぶのは疲れるので。
ニコッ!ボク無事です!みたいな(一同笑)。
【村】
妙に子役に親切で(一同笑)。
【理】
子供好きなんですよね。
カテコでたまたま始めたんです、「さぁにげてゆけ!(イケボ)」って。
それをおっかけるっていう小芝居。
あとは昼公演終わって外でて「ああ夕日が綺麗だな」、お酒飲んで「ああ幸せだな」って。
【村】
ジャベールは家族いないんですかね?
【理】
いないと思います。
1人で生きてきたし、持ちたいと思わなかったんじゃないかと。
血を残したいと思わないだろうし、可哀想な人ですよね。泣けてくるな。
だからせめて演じる自分は彼を愛したいなぁと。
【村】
そういうダークな人がスターズのように美しい歌を歌う。何故なんでしょう。
【理】
根本はとても純な人間で、純粋すぎたのかも。
星が規則正しい刑事で、俺と同じだと。
彼は底辺から生まれたから、上を見上げて憧れる存在だったのかなぁと思いますね。
彼は彼の正義を全うしただけっていうのを表してるのかなぁと。
【村】
整ってる中に安息を感じるっていう、人間を超越した美しさなのかもしれないですね。
【理】
スターズを歌うときに、オーディションでも稽古中にも言われたんです。
「あいつが行くのは闇の道だが俺が行くのは神の道だ。これが正しいことなんだ。これこそが正しくて、
ここから外れたものは炎に焼かれるんだ。」という歌詞なので、教会で「これこそが正しいことなんだ」と
宣教する感じでやってほしい、と。
【村】
ジャベールは人間の矛盾を認めないじゃないですか。
でも自分から死を選んでしまう。
【理】
自殺のシーン。ぴきぴきぴきっていう弦の音がたまらんのですよ (一同笑)。
彼の精神の崩壊していく感じ。
整ったとこと不協和音と、精神の揺らぎと、ぞっとする感じで。好きなんです。
音楽がよく考えられてるなぁと。一線をこえちゃった。ざぶーん。
【村】
同じ曲で、バルジャンは改心するじゃないですか。
【理】
バルジャンは同じ曲で改心するけど、ジャベールはそれを受け入れられなかった。
にくい演出ですね。おんなじ曲だよ~。ここでこうくるか!って。
【村】
ミュージカルは同じメロディのリプライズが多いけど、謎なのもありますよね。
カルーセル(学生への追悼の歌)とラブリィレディ(売春婦の歌)とか。
ビリーさんに聞いたらわかりませんねって言われた。
【理】
えーーーっ!!!(声でかい)(一同笑)
【村】
女性の二面性っていうことなのかなぁ。失ったものはそんなに変わらない、と。
【理】
僕は女性って強いなって思います。
売春婦は人類最古の職業と言われてますよね。それまでしても生きるんだっていう。
で、カルーセルでは、「あんだけ思想を掲げてもどうせ変わらない。血で汚れた石畳を掃除するのもあたし達」、
そういうあきらめもあるし、次の命を紡いでいくっていう女性の強さを表している。
そんな意味合いもあるのでは。
ヴェルサイユにパンくれって行進しちゃうし、女性は強いですよね。
ファンテーヌしかりエポニーヌしかり。
【村】
ジャベールはファンテーヌのみ女性キャストでからむじゃないですか。それぞれの感想は?
【理】
うーん。
(悩みながら)もしかしたらジャベールは母親の姿を思い出すかも。
だから触りたくない。自分もそういう経緯で生まれたかもと思うので。
3人ともそう見てる。あんまり違いっていうのは…。
濱めぐさんはずっと顔覆ってる。知念さんと二宮さんは懇願してすがってくる。
その違いはあるかも。
【村】
ジャベールにとってはひとりの囚人候補、と。
【理】
自分はあんまり思い入れ持つとだめだなぁと。
同情しちゃう。人情警部になっちゃう。カツ丼食うか?って(一同笑)。
だから意識的にオフにしてるかも。
【村】
そこってジャベールにとっても鬼門かもしれないですね。
【村】
上原さんは初役感がいい意味でないですよね。
【理】
ほんと新キャスト扱いされないんです(一同笑)。
オケ合わせでも全部通しでやるのが1回だけで、新キャスト優先で、「新キャストさんの伊礼さん」って。
え、ちょと待てちょと待てって(一同笑)。
終わったあとに「ソロ曲やります」ってなって「あ、良かった!なにやるんかな、やっぱスターズやりたいな」って
思ってたら「じゃ、上原くん、自殺でお願いします!」「えっっ!!」って(一同笑)。
今日イチで歌うの自殺!?キッツーって(一同笑)
だからプレ初日めっちゃこわかった!!
なんか知ってるでしょ?みたいな反応で。知ってるけどさ!(一同笑)
【村】
今回ほんとに売れてて、作品の人気が持続しているなぁと。お客さんの違いはあります?
【理】
乃木坂のいくちゃんとか三浦くん、彼大人気らしいんだけど、あと斎藤さん、めぐさん、
今まで見に来てないお客さんも多いのかなぁと。それは良いことですよね。
見たことない人に見てもらうっていうのは。
【村】
朴璐美さんもうまいですよね。びっくりしちゃった。
【理】
朴璐美さんは映画よく見るから名前知ってて。
え、あのぱくさん!?って。
稽古見ててミュージカル初の感じしないんですよね。苦手って仰ってたのに。
だからいやいやすごいっすね全然違和感無いっすねって話しかけたらなぜか…(ここは伏せます)(一同大爆笑)。
【村】
これは拡散禁止です(笑)
【理】
「何言ってんのもう!」って言いながら…(伏せます)。
「なぜ。」って(一同笑)
【村】
今後のジャベールの役作りについて教えてください。
【理】
どうでしょうか(悩む)。
そういうビジョンは見えてないです。
今のまま、1回1回を。このまま突き進んでいきたいです。
日に日に変わってるので、どういう方向かわからないけど楽しみです。
このまま丁寧に1回1回誠心誠意。アンチテーゼの役をちゃんと届けられるように。
【村】
アンジョルラスは年齢的にだんだん遠ざかってるけど、ジャベールはだんだん近づいてる。
52歳まではあんまりやれないですけど。
【理】
川口さんがプレビュー初日に52歳で、リアルジャベールだったんですよね!
その日の夜にノートルダムが焼けた。
だから運命だなぁって。悪魔の仕業か神の御業か業火に焼かれてしまいました。
【村】
上原さんはジャベールをやっていって、丸くなっていくっていうことはなさそうですけど。
【理】
どういう風にやれるのか、楽しみです。
アンジョルラスは4回やって、知り尽くしてるから舞台上で自由に生きられたんです。
別人の快感というか。その感覚を知っちゃってるから、はやくジャベールもそうなりたいです。
そのためには場数を踏まないと。そこを目指したいです。その時に何が見えるのか知りたいです。
【村】
将来はバルジャン?
【理】
頑張ります。
(ジャベールを)やればやるほど思うんです。
光から闇に落ちたジャベールと闇から光にいったバルジャン。2人やったら面白いだろうな。
初演で鹿賀さん滝野さんがどっちもやってたのはそういうことだなって。
光夫さん路線、ですね。
【村】
(バルジャンとジャベールは)声質も音域も解釈も違うじゃないですか。
【理】
ジャベールは声種がザ・バリトンなんですよね。だから歌いやすい。
バルジャンは低くもあり高くもありで、声質も渋いまま高い方にいったり。すごい役だなと。
でもミュージカルはそういうの多いと思います。
ジャベールが珍しいんですよね。バリトンの域にずっと収まってるんで。
声種関係なく深めないと。
【村】
PA(マイク)使うからだよね。オペラの歌手はミュージカル歌えないかも。
【理】
シュガーくんが苦戦してるんです。
どうやったら出せるか試行錯誤していて。
(発声(?)の)「アア~ッ」って声がIKKOさんに似てるよねってなって、
アンサンブルの鎌田くんと「ちょっとそのままどんだけ~って言って」って頼んだんです。
(ここで挟まれるシュガーさんがIKKOのものまねをしてるとこのものまね)(一同大爆笑)。
ごめんねシュガーくん。
でもほんとバルジャンって大きい役で、すごいドラマで、難しいなぁと。
【村】
ぜひ近い将来その難しい役を。
そろそろ楽しい時間も終わりですが、そこになんか楽器が。
歌って頂きましょう。
帝劇では考えられないマイク無しで。みなさんだけの機会ですよ(一同拍手)。
♪スターズ♪
(表情からすっと役に入る理生さん)(すごかった…!)(響かない場所なのに響く)
(一時間以上話してていきなりこの歌声って…!!)
(一同大拍手)
【理】
信者に説法してるみたい(一同笑)。新興宗教みたいですね。
【村】
生声マイク無しでこういうとこで歌ってもらうのは本当にレアです。
【理】
朝日カルチャーならではの大特典。自分で言うのもなんだけど(一同笑)。
【村】
せっかくなのでアンコールも(一同ふぉおおおお!)。
Bring Him Homeを歌って頂きましょう。
【理】
日本語でやるのは恐れ多いので英語で(一同拍手)。
♪Bring Him Home♪
(一転透明感満載な感じに)(座ってるのにめっちゃ響いてる)(クレシェンドのかけ方めっっっちゃ好き)
(ピアニッシモの美しさ…!)
(一同大拍手)
【村】
この曲はPAで声を拡大して歌っていく曲で、生声で帝劇でやったら1日で歌手人生おわっちゃう。
こういうとこだからできるし、コンサートとかで生声でこの曲歌ったことは今までないと思います。
【理】
そうなんですか??
【村】
わかんない(一同笑)。
この曲はお腹で支えないと絶対歌えないし、ボロが出やすいんです。
声楽はメンテナンス必要だけど、今もレッスン行ってるんです?
【理】
今日行ってきました(一同おお~)。
【村】
それをやらないと、クラシックの歌手は難しい。
基礎的な訓練が必須ですよね。
【理】
バレエダンサーとかピアニストとかアスリートと同じかな。
【村】
ぜひ訓練を怠らずに近い将来のバルジャンに備えてください。
最後に上原理生先生からメッセージを。
【理】
え、僕から?うーん……なんも考えてこなかった…そうですね~(めっちゃ悩む)。
レミゼに来て頂いて、客席が満員でありがたい光景です。
我々も新しくなりこれからも進化していきます。
少しでも見てくださってる皆さんの活力、勇気になったり、背中を押せたら幸せです。
何か感じていただけたらと思いますし、大いに泣いてデトックスをして下さい。
また劇場でお会いしましょう。
(一同大拍手)
(メモ取り忘れちゃったけどもうちょろちょろ話してコンサートとかの宣伝タイムで終了)
こんな感じで、みっちり濃厚盛りだくさんな1時間半でした。
10,000字くらいになってしまってじぶんでもびっくり。
メモが汚すぎて萎えそうになりつつも、読み返していたら講座の様子が蘇ってきて、書いていて楽しかったです。
宗教の話とかアカデミックな部分も面白かったし、理生さん自身がどういうジャベール像を構築していて
どういう意図で演じているか、その深い部分を聞けたのが本当に興味深くて貴重な機会だなぁと。
他のキャストさんについてのお話からはカンパニーの雰囲気の良さと信頼感を感じることができてほっこりしました。
ますます次回レミゼ観劇がたのしみになりましたよ!
もちろんあまり知識がなくとも見て楽しめるし考えさせられるお話だと思うんだけど、
こうして出演者の人がどう感じてどう演じているかを聞けると、より一層見方も深まる気がします。
「講座以前」の私と「講座以後」の私はきっと感じることがまた違うんだろうなぁ。
帝劇公演の終わりが見えてきて、でもまだまだ地方公演がたくさん残ってる今、この講座を聞けて本当によかったです。
あのスターズとBHH、どこかに音源残ってないかな…(ボソッ)。
以上!
人類の創造的才能を表す傑作
ふしぎね、私の人生がはじまった、そんな感じ♪
あ、ちゃんとこれ↑脳内で歌ってくれました?
そんなわけで、ようやくレミゼについてのブログが書けるようになりました。
色々理由はあるんですけど、最大の理由はやっぱりアレかな。
りおさんが、ほんとうに、ほんとうのほんとうに、レミゼのジャベールをやってた…!!!
その衝撃を受け止めきるのにこんなにも時間を要してしまったというわけです。
頭では分かっていたつもりだけど、やっぱり劇場で見るのは全くの別物で、観劇中も終わってからも
「わ~~~!!!わ~~~~~~!?!?!?わああああああああああああああああああ」って感情が
脳内を渦巻いてて、きちんとまとまって振り返る心の冷静さを失ってたんですね。
というわけで改めて!4月20日ソワレ、レミゼmy初日行ってきましたよ!
もう結構前になっちゃったけど!!
これからつらつら感想を振り返っていこうと思います。
2019年4月20日土曜日、天気は晴れ。
春の陽気が清々しい、それはそれは気持ちいい日でした。
この日はせっかく東京行くのでソワレ前に原宿と新宿でショッピングを敢行。
待ちに待ったレミゼの観劇がはじまる、そんな期待から、本当にヤバめのテンションで1日を過ごしていました。
だってそりゃテンションも上がりますよ。
前回、2017年レミゼが私のミュ沼の入り口だったのですが、その時はなんせ「推し」がいない状態だったので。
それでもレミゼの魅力にはまり、1回じゃ満足できず2回3回と増やし、その3回目が運命の日となったのです。
理生アンジョと海宝マリウスと島田ガブでずどーんどごーんとなったわけですね。
その経緯は何度か書いたので割愛しますが。(はじまりはこれ→★。)
あの日から私の人生はしあわせな方向に狂い始め、帝劇への日帰り遠征も当然のように決行したわけですね。
そんな感じで、行きたいお店にも行き、買いたいものも無事に買えて、最高にほっこほこの気分で帝劇に向かいました。
いつもみたいに、iPhone内のフレッシュなメモとともに、my初日兼理生さんジャベール初日の感想を振り返っていきますね。
とくに前半、相当語彙力低めです(笑)
4/20 レミゼソワレ感想
[到着後、ロビーにて]
帝劇向かって歩いてる時にめっちゃ小顔の美人とすれ違った。
唯月ふうかちゃんでした。なんてかわいいんだ。
2017レミは昆ちゃんエポ固定になっちゃったけど今回はバラける(むしろ昆ちゃんが少ない)感じになってる。
ふうかエポも楽しみ~。
[幕間]
は~~~~~~~~~~~
は~~~~~~~~~~~~~~~
なんかもう、ね!
言葉にならない……!!
は~~~~
待ちに待ちすぎて最初のチューニングからのジャジャーン♪ジャッジャジャーン♪で既に泣きそうになる奴(笑)
やっぱレミゼのオーケストラ最高ですわ。
からの理生さんの背中が見えた時点ででもうだめ(はやい)。
思わず「ひっ」ってなった。
で、「奴をここへ呼べ24653」でなんかもう無理…!!ってなって。
私、観劇中はあまり感情を表に出さずに淡々と見るタイプなんだけど、今回ばかりはムリ!
ひっってなりますよこんなん!!無理!!!おもわずのけぞったよ!!
ああ、本当に、ほんとうのほんとうにジャベールなんだなって。
なんてことだろう。
あのジャベールを、あのジャベールを理生さんがやるなんて。
あああなんてことだろう…!
りおさんかおこわい。
とくに「あいつがジャンバルジャン♪」の笑顔狂気に満ちすぎてこわくない??は??
そして当たり前なんだけど。みんなおそろしく歌上手い。
海宝マリウスと昆エポちゃんは最高オブ最高。
上山アンジョはテナーなんだね。思ってたのと違う声質。
まゆコゼちゃん溌剌つおい。強いコゼットとても好き。
シュガーさんのロングトーンまじで美しい。しかもちゃんとやさぐれてて力強い。
二宮ファンテ正直あれ?って感じだったけど最期のとこは泣きそうになった。
駒田テナの安定感さすがそしてほのかマダム良い…!
演じてる中の人が気になってあらすじがそっちのけなのがもどかしい。
何も知らずに見たあの頃、推しがいないあの頃のぴゅあさには戻れないんだな。
でもわたしはしあわせだ。理生さんのジャベールを今まさに堪能してるのだから。
スターズの正義と狂気こわかったほんとこわかった。
ぶちこむぞ~♪のとこ、帝劇が震えた。虚言ではなくまじで。
空気がビリビリと。
ああ、ほんとうにジャベールなんだ…
ほんとのほんとにほんとなんだ……
でもね、アンジョルラスが出る度に重ね合わせちゃう私を許して欲しい。
なんせ私の出発点はあそこだったのだから。
[終演後、新幹線にて]
無事に新幹線も乗れたので色々振り返ろうと思うのだけど、なかなかうまくまとまらないや。
とりあえず今日って新キャストの方いました??ってくらいシュガーさんも理生さんも馴染みすぎてた…すごい。
あとバリケードの理生さんの所作がプロすぎて「昔は俺も戦った」感満載だったなぁ。
なんかとっても複雑な思いで見てしまった。うううアンジョ…。
そして海宝マリウスのカフェソングは泣く以外の選択肢がないのがずるい。
なんて心を抉るんだろう…なんかもう辛すぎるね…。
海宝さんは17レミゼとこないだのイヴサンローランでも本当に美声でうまいなぁと思ったんだけど。
なんかもうその次元を超えてる。好き。うん好き。
前後するけど、シュガーさんバルジャンの彼を帰しても天に届くような美声でごりっごりに涙腺にきたなぁ。
歌声に乗せるからこそより届くような、そんな魂が届くような感情表現を伴う歌い方をする人はとにかく好きです。
理生さんとか海宝さんとか、あとレミゼじゃないけどソニンちゃんとか望海さんとか、その辺の上手さが本当に好き。
そして理生ジャベについては…うんまだ言葉がまとまらない。
自殺のとこの乱れた髪、見開いた目、剥き出しの感情、とにかくあああ……って感じ。
つらいね。ほんとうにつらい人生。
あと個人的にはエピローグにジャベールがいないのが辛すぎる。
彼にも救いを、彼にこそ救いをと願わずにはいられない。
理生さんの存在感はやっぱり圧倒的だった。もちろん贔屓目だけど、それでも凄かった。
レミゼって歌うましかいないじゃん。
でもその中でもあの方面の歌声の強さとかイっちゃってる感じのヤバさは目を見張るものがある。
ジャベールのバルジャンへの執着心が強すぎて、ところどころすごい目ヂカラで笑ってるのが怖すぎるね。
なんという狂気。なんという信念の強さ。
視野が狭すぎて真っ直ぐすぎて、だからこそ自分を追い詰めてしまって、なんかもうほんと辛い役だな。
今年は海宝マリウスの回が多いのだけど、やっぱりただただ上手いなぁと。
でも決して落ち着いてるとか安定感とかではなく、ひたすら儚くて脆くて危ういマリウス。
彼が生き残り、幸せに生きる、その意味を考えさせられるようなマリウス。
なんか2017年に見たときと印象が違う気がするのだけどこんな感じのマリウスだったっけ?
あの時はなんで失敗するかわからなかったのに、今回は本当に揺らぎまくってて儚かった。
海宝さん、苦悩に満ちた姿さえ美しすぎるなぁ。
死んだガブローシュに向ける眼差しとか、ファイナルアタックのやけくそっぷりとか、なんかもう辛すぎて。
ああマリウスもっと自分を大事にして。生きて。そう声をかけたくなる。
とりあえず2幕の涙腺ポイントはDWMとBHHとガブローシュと大八車とturningとカフェソングとエピローグですね。
多い。仕方ない。それがレミゼ。
自殺のとこは涙腺というよりもなんかもうひたすら「ああああああああ……」って感じで。カムバック私の語彙。
この作品を、初めて生で観る人を羨ましく思う。
中の人に注目するんじゃなくて全体のストーリーを追う見方って、回を重ねるほど難しくなってくるから。
1幕ではそんなことを考えたりもしたんだけど、2幕ではそんなの吹っ飛んだ。
やっぱりレミゼは重い。
そして、素晴らしい。
現代の、いろいろな自由を勝ち得ているかに見えてやっぱり生きにくい世の中。
確実に進歩した部分もあるのだけど、今でも苦しみは続いていて、沢山のミゼラブルが存在する。
そんな自分の身近な世界についても改めて考えたくなる。
というか、考えざるを得ない。
私はどうなんだろう。
2幕で立ち上がらない市民を責めたくなるが、私は何か起こった時に立ち上がる勇気を持っているんだろうか。
どうせ他人事、いつも同じ繰り返し、そう思って諦めてしまってはいないだろうか。
アンジョルラスや学生たちが求めた自由な世界はこんな姿だったんだろうか。
こんな風に、レミゼを観劇した後はふとした瞬間にいろいろ考えてしまう。
自由について、貧困について、欲について、信念について、宗教について。
だから傑作なのだと思うし、だからこれほど長く続いているのだと思う。
あの物語は決して過去の作られた世界の話ではなく、現代の我々にそのまま通じる話なのだから。
観てるだけでも疲労感けっこうあるのに、やる側ってすごいなぁ。
理生さんが役と自分を重ねすぎす最後まで乗り切れるよう祈ってる。
じゃないとつらすぎる。
こんな感じで、やっぱりレミゼは凄かったです。
1789みたいなノリで何度も観れるもんじゃないなぁと。や、あれも好きですけど。
やっぱりなんか重みというか厚みが違う。
観る側にも覚悟が求められるし、本当に色々なことを考えさせられる。
思えばこのブログも2017年のレミゼを機に活発になったんです。
その時考えたこと、感じたこと、それをきちんと書き留めておきたいと思ったから。
それはきっと後で読み返したときに自分の財産になると直感したから。
今回、ふと思ったもう一つのこと。
それは、この物語を本当に観てほしいのは、今劇場に来ている人たちじゃないのかもしれないなぁということです。
ミュージカルもスケートも、他にも当てはまるだろうけど、「芸術」って残念ながら本当に狭い世界の人しか堪能できない。
お金があって、時間の余裕を作ることができて、チケット情報にアクセスできる人。
それってきっと一握りですよね。
「行きたくてもお金が無い」「そもそも行く時間が無い」「行こうと思ったらすでに売り切れてた」。
そんな声ってよく耳にするし、私の身近な人もそう言っています。
とくに若者や、仕事・育児・家事etcに追われている人って、本当に芸術鑑賞をする余裕がない。
でも、レミゼを観て、あの世界から生きる希望や未来について考えてほしいのは、本来はそういう人達なわけで。
ミゼラブルな、苦しんでいる人々にこそ届いてほしい物語なのに、現状ではそこが程遠くなってしまっているんですね。
芸術って本体もっと門戸が広いものであってしかるべきだと思うんです。
でも実際にはそうじゃない。
ハビタスという概念があるけど、結局財産のある人ほど高い水準の教育を受けられ、高度な文化を享受できるのが現状。
それじゃいつまでたっても溝は深まる一方だなぁと思います。
学生団体さんとかって本当に羨ましいし、ああいうのをもっと一般の人も享受できるようにならないかな。
どうやったら実現できるかわからないけど、そんなことをふと思いました。
まぁ複数回観に行く私が言っても説得力ないですね。
正直いろいろカツカツなんですが、それでも観に行けるだけで幸せだなぁと思ってます。
私の今年のレミゼはまだまだ始まったばかりです。
1人で行く日もあれば、両親と行く日もあるし、友達を連れて行く日もある。
その時々できっと感じることは違うと思うので、これからもその感情を大切に書き留めていきたいですね。
目標は感想を溜めないこと!がんばる!!
とか言いつつ既にMAとかロミジュリとかの感想が溜まってるので、それもはやく表に出したいなぁ。
あ、ちなみに今回のタイトルは世界遺産の認定基準から来ています。
世界遺産って(i)~(x)まで10個ある基準のうち1つ以上を満たしてるのが条件なんだけど、その1番目に来るのがこの基準。
この基準のみで登録されてるのはインドのタージ・マハルとかオーストラリアのシドニー・オペラハウスとかですね。
まぁ平たく言うと「とにかくすごいぞ」っていう遺産です。
レミゼを観てふっと感じたのがそのイメージだったので拝借しました。
やっぱり傑作です。すごいぞレミゼ。
沼に落ちる音
2019年一発目の記事です。
観劇鑑賞の感想メモ的に書いてるこのブログ、2018年の下書きにいろいろたまってるやつもあるんだけど、
とりあえず今日の宝塚雪組ファントム大千秋楽ライブビューイングの感想をまとめときたい…!
というわけで行ってきましたよライビュ!
ほんとは第一希望の二条に行きたかったんだけど(わりと近いから)、はずれて第二希望の大津になりました。
でも場所なんて関係ない!行けて本当によかったです!
そもそも私と宝塚について。
正直全く詳しくないただのにわかです。
けど、ファンでもないくせにじつは宝塚大劇場で観劇したことがあるんです。
私の通ってた大学の学部は美学芸術学科ってとこで、実地演習という授業が履修できて、
そこでは学期に5回、展覧会や伝統芸能やクラシックの演奏会に連れてってもらえたんですね。勿論タダ。
今思い返してもおいしすぎる…また履修したい…(無理)。
で、3年前の秋学期に念願の宝塚鑑賞が含まれてたのです。
その時見たのはシェイクスピアとその妻の物語でした。
タイトルもどの組だったのかも忘れてしまったけど、とにかく惹きこまれたのを覚えてます。
本当にかっこよくて、蟻地獄みたいな魅力で、「はまっちゃやばい」ってずっと心の中で唱えてました。
でも、けっきょくはまりきらなくて、それっきりになってたんです。
今回雪組のファントムのライビュのチケットを取ろうと思った原因は遡ると去年の1789になるんですかね。
東宝1789にはまっていろいろ感想調べてたらひかりふる路を観劇した人の感想がちらほら混ざってて、
「1789やフランス革命が好きな人は雪組のひかりふる路も見てほしい。BSでも放送あるからこの機会にぜひ!」
みたいなのを見かけて、どっちも好きだからと思って軽い気持ちで録画したんです。
で、そこで衝撃を受けました。
望海風斗さんと真彩希帆さん、うたうますぎない??え???
スケオタ的に望海さんのお名前は見かけたことあったけど、あれほど歌うまできらきらした方だとは…!
気づけば録画を3回くらい見返してました。
内容もだけど歌もあまりに好みすぎて、母や姉も巻き込んで一緒に観賞会したくらいです。
てなわけで、沼の入り口を認識しつつあったところで見かけたのがファントム千秋楽ライブビューイングの文字。
こちらも軽い気持ちで抽選発売をぽちっとし、第二希望の大津が取れて、今日に至るのです。
ここからようやくライビュの感想です!ちなみに宝塚のライビュはこれが初めてです!
幕間と帰路と家でiPhoneのメモにがしがし書いた殴り書きをそのまま載せていきますね。
2/10 雪組ファントム千秋楽ライビュ@ユナイテッド・シネマ大津
【幕間】
すごい…
望海風斗様も真彩希帆ちゃんも歌うますぎない???
いやー歌うまなのは知ってたけど映画館で見るのなかなか良いな!!
音に包まれる感じだしオペラグラスもいらないし。
これはハマりそう〜
雪組生でみたい!そんな欲が一層高まった!!
エリック、うまく言えないけど思ったよりも普通の人で、等身大の青年という感じ。
なんかもっと高みに立ってる近寄りがたい感じのイメージを勝手にしてたので、とても人間的だと思った。
クリスティーヌはかわいすぎる!
最初のちょっと芋っぽい感じとかその後の一皮むけた感じとか、きほちゃんすごすぎるね!
ファントムは今回が初見ってのもあるかもだけど、内容なのか歌なのかとにかく心臓のばくばくどきどきがすごい。
劇場でみてるみたいな臨場感。
凄いなぁ惹き込まれるなぁ。
ちょこっと感想をTwitterで呟いたらフォロワーさんが反応して下さったのがまた嬉しい。
今この時間全国の映画館で同じものをリアルタイムで見てるなんて不思議な気分だ。
【終演後】
これは雪組沼落ちの予感…
いやぁ最高だった!!!
ちょっと語彙がないわ。
すごいものをみてしまったすごいものをみてしまった。
落ち着かねば…
しかしぼろぼろのぐずぐずになるエリックのなんと美しいことか。
望海さんの歌はもちろん演技が本当に胸に刺さる。
特に印象的だったのが、クリスティーヌに顔を見せてと言われて葛藤しながらも彼女を信じて仮面を外すシーン。
なんて胸が締め付けられるんだろう。
表面的な言葉ではうまく言い表せないけど、望海さんの歌はただ上手いだけじゃなくてその裏に何十倍もの
濃密かつ複雑な感情が揺らめいてて、その一つ一つがこちらの情動を揺さ振ってくるような気持ちになる。
見ていてとても苦しいんだけど、でも強烈かつ芳醇な魅力に満ちてて目を逸らすことができない、そんな感じ。
感情の機微がとても繊細に表現されてる。凄い人だ。
エリックは青年なんだろうけど中身はなんだか幼さというか少年のような強情さや歪みみたいなのも感じられて、
それが彼の積み重ねてきた孤独な歳月を引き立たせてるように思えた。
彼は陰りや儚さや脆さを内包してて、一部が崩れたらたちまち自我が崩壊してしまいそうな繊細さがある。
そのきっかけとなってしまうのが仮面を取った彼の顔を見てクリスティーヌが逃げちゃうとこなんだろうけど、
みてて正直ちょっとひどいと思ってしまった。
だって直前まであれほど愛があればだいじょうぶ的なこと言ってたじゃない。
きほちゃんのクリスティーヌはそれが許される気がするけどね。
純粋で無垢なお嬢さんで、言ってることに裏表はないのだろうし、やってることにいい意味で無自覚なのかもしれない。
でもやっぱりその行動はショックやで。
もう一つ印象的だったのがキャリエールと銀橋(で合ってます?)の上で親子として向き合ってデュエットするシーン。
彩風咲奈さん、ひかりふる路のダントンではただの豪快なおっさんだったのに(褒めてる)、
キャリエールではガラッと変わってとても紳士的かつ哀愁すら漂う愛に溢れた父親像で本当に素敵だった。
そして父親に向き合うエリックからもまた愛を感じられて…。
2人のデュエットの美しさや顔の醜さについて軽口を叩くところ、なんかもう無理って感じだった(語彙)。
そして、終盤のエリックが捕まってキャリエールに撃つよう頼みそれが果たされるシーン。
気がついたら視界が歪んでた。
私、泣いてるんだ…って茫然とした。
正直あまり外で涙を流せないタイプなので。
文章では「泣いた」とか書いてても実際に涙が流れるかというと別なのだけど、今日は本当に泣いた。
これも愛の一つの形なのかもしれないけど、でもあまりに辛すぎるよなぁ。
けどエリックがそう懇願したらキャリエールとしてはことわれないよなぁ。
キャリエール、このあと大丈夫だったかな、大丈夫なわけないよね。
そうか、これはただの男女の恋愛だけじゃなく、親子の物語でもあり、愛を渇望する物語なのか。
「オペラ座の怪人」はいくつかのバージョンを見たことがある。
小学生の時にレンタルDVDで白黒の無声映画版を見て、中学生の時映画館で新しいやつを見て、
高校生になってから劇団四季のを観に行った。
でもこの「ファントム」はそのどれとも違う物語で。
ああ、これが「ファントム」なのか。
なんて悲しく辛く切ない物語なんだろう。
初めて大劇場で宝塚を観た時に感じた「はまったらやばいぞ」のあの感覚。
でもあの時はそこまでだった。
あの時見ていたのが今の雪組だったら。そしてこの「ファントム」だったら。
きっと私は迷いなく沼に飛び込んでいただろう。
そこがたとえ辛く苦しい場所だったとしても、きっと満面の笑顔で飛び込んでいた。
なーんてポエミーになるくらいすごい求心力だった(笑)。
にしても改めて!望海風斗さんも真彩希帆ちゃんもなんて歌が上手いんだろう…!
私の持論として、ミュージカル俳優は演技はもちろんだけどそれ以上に歌うまであってほしくて、
それこそ理生さんとかソニンちゃんみたいに圧倒的声量と美声と上手さで会場を満たして欲しい派なんだけど、
だいきほコンビにはその上手さがあるなぁと。
特に望海さんの歌の上手さは、ただ音程が合ってる、ただ声量がある、そんな表面的なものじゃなくて、
そこに込めた感情や魂を歌い上げる力やがとにかく凄まじいところにあるんだろうなぁと。
見てるこっちの感情がジェットコースター並みに揺さぶられるあの表現力…!
そしてもちろん技術的にも最高だからもう神としか言いようがない。
は〜しあわせ。
同じ時代にこんな人達がいて、その様子を遠くにいてもリアルタイムで見られるなんて。
いつかこのふたりを生で観たい。
そう強く思ったし、きっとそれはすぐ現実になるんじゃないかと思う。
そんな確信がある。
BSを録画して軽い気持ちでみたひかりふる路がこんなところに繋がってたなんて。
は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんな感じで確実に沼に足を浸してますね。
うーんこれはやばい。この沼はやばい。
引き返すなら今かもしれないけど、とりあえず今はもう少し余韻を味わってみたいです。
あ、書き忘れてたけどカーテンコールで望海さんの素っぽい感じが見られたのとてもほっこりした!以上!!
それはまるでひまわりのような
ピアフ大阪初日おめでとうございます!!
すみません、こちらはピアフの感想ではございません(汗)。
タイトルからもわかる通り、にっぽん男女騒乱記の感想です。
観劇からもう3ヶ月以上たっちゃった!ひぇええ…!
今年も残すところあとわずか、やり残したことはないと言いたいところですが、やり残したことだらけですね。
その一つが観劇鑑賞のキロクをしたためること。
書く書くサギはいい加減やめねばと思ったので、こうしてPCに向かってカタカタしてるのです。
ピアフは大千穐楽を見に行きます!その前に書いとかないと!
というわけで改めてにっぽん男女騒乱記について。
いつもの癖でミュージカルカテゴリにしようと思ったけどそういえばミュージカルじゃなくてストプレでしたね。
観劇したのは9月8日土曜日、東京芸術劇場にて。
せっかく東京に行くならということで、アフトク回を選びました。
けどね、ちょっとした事件が発生してるんですよ。
まぁ事件というほどでもないけど、そのせいもあってなかなかブログを更新できずにいました。
てなわけで以下、いつものごとく当日のメモよりほぼ原文ママでお送りいたします。
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東京だぞ~
昨夜なぜかそわそわして寝れず、睡眠時間1時間半!やばい!!
JGPカウナス(←スケートの試合)の女子フリーの前に仮眠の予定が寝つけず、シャワーと掃除してそのまま徹夜観戦
→出展イベントの告知→ゴミ出し→朝食→仮眠→郵便局にて商品発送→ダッシュで新幹線と既にいっぱいいっぱい。
しかも品川についたら山手線が遅れてたから慌てて経路調べ直して京浜東北線に乗り換えたんだけど、
山手線すぐ再開したっぽいし、目下のところ間に合うかひやひやしてる。
東京って電車の遅延はすぐ解消するもんなの?私の地元じゃ一度遅延が発生したら命とりなんだけど!!
というわけでほうほうのていで東京芸術劇場にたどり着いて、今はロビーで息を整えてるところ。
ストプレの理生さんどんな感じなんだろ~
そもそも客層は?
うーんたのしみだ!!!
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なにが事件かというと、当日のメモここでぶつっと終了してます…!
理由を説明いたしましょう。
疲れてたし睡眠時間少なかったけど、帰りの新幹線の前にせっかく東京来たんだしこっちにしかないお店に行こうと
思って街に出て、お洋服の試着や店員さんとの交流など私の最も苦手とすることを頑張って、通販で完売して涙を
のんだ念願のワンピースを手に入れたのですよ。
で、そのあとお弁当を買って新幹線に飛び乗ったわけです。
ええ、当然のようにお弁当食べたあと爆睡しましたとも。
いつもは帰宅途中とか夜家についてからいろいろ振り返って書くのだけど、この日はそんな余裕も無く…。
てなわけでその時感じたフレッシュな感想メモが残っていないんです。とほほ。
仕方がないので、現時点で思い出せる範囲でのあの日の感想を書いていこうと思います。
劇場に入ってすぐ、舞台を埋め尽くすひまわりの群れに圧倒されました。
輝かしくて眩しくて、思わず目をそむけたくなるくらいの「圧倒的正しさ」をもって咲き誇るひまわり。
すごく綺麗なのに一瞬ゾクッとしました。あの感覚、なんだったんだろう。
ひまわりの衝撃から目が覚めてふと周りを見渡すと、いつもの観劇とだいぶ客層が違うことに気づきました。
全体的に年齢高めでご老人も多いし、何よりおじ様おじい様などの男性率が高い…!
理生さんファンもいるんだろうけどそれでも客層が見慣れない感じで本当にそわそわしました。
わたし浮いてないかな?だいじょうぶ???
誰も自分のことなんて気にかけちゃいないだろうけどそれでも気になっちゃうのはそういう性格だからです。
けど、物語が始まったらすんなり世界観に惹きこまれて、あっという間にそんなことなんて忘れてしまいました。
にっぽん男女騒乱記、ほんとにいいお芝居でしたね。
タイトルと宣伝のチラシからイメージしてたのとはまるで違うお話でした。
なんかこう、もっとドタバタでどっかんどっかん騒がしい感じかと思ってたんですよ。
それがあんなにも人情味あふれる心温まる物語だとは。
私は戦後日本の空気なんて知らないし、土地としても全くなじみがないし、どこかで見聞きしたものを勝手に
つぎはぎしたイメージしか持ち合わせていないのだけど、それでもなんだか懐かしい「昭和らしさ」を感じました。
随所に差し込まれる笑いも冴えてて面白かったです。
とくにあの紙芝居、なんだあれ(笑)
はちゃめちゃに破天荒でストーリーもくそもあったもんかという感じだったけど、それが良いんだよなぁ。
細部がものすんごく気になるので、手元に置いて眺める機会がほしいくらいです。
あと唐突に現れるフランス革命には笑いました。あれは反則。
また、キャストのみなさんが本当にくっきり豊かな人物像を作り上げていてすばらしかった…!
ちゃきちゃきと気風が良くて頼りがいのある千鶴さん、健気で従順ででもたくましさもある満枝さん、
頼りなくてクズ(失敬)でそれでもどこか憎めない肇さん、同じくクズ(失敬)だけど信念があって魅力的な源之助さん、
そして理生さん演じる陽太くん。
陽太くんについてはやっぱり色々と語りたいですねぇ。
理生さんが演じている姿を見ると、毎度素直に「ああ、上原理生って普段からこういう人なんだな」って思います。
うーん上手く言えないな。どう言ったらいいのかな。
例えば、
アンジョルラスを演じている理生さんを見ると「上原理生はリーダーシップがあって有無を言わせず人を惹きつける
カリスマ性があるなぁ」と思うし、
ロベスピエールを演じている理生さんを見ると「上原理生は真面目で一本気でそれゆえ信念を付き通さずには
いられないんだなぁ」と思うし、
ダントンを演じている理生さんを見ると「上原理生は豪快で人情味に溢れていて老若男女どんな立場の人からも
好かれるだろうなぁ」と思う、そんな感じです。
もちろん見ている間はその役としてしかとらえられなくて「上原理生だ」と思いながら見てるわけじゃないのだけど、
終わってふと感じるのはそんなことばかり。
なんだか、本人の性格と役の性格が合致してるように思えてくる。
役を演じているのだけど、そこに素の上原理生が透けて見える感じがする。
頭ではその役を「演じて」いると分かっていても、どうしても普段もそういう人なんじゃないかと思ってしまう。
アンジョルラスもロベスピエールもダントンも全く違った人物像だけど、全てが上原理生にしっくりくるんです。
これは演じていて無理が無いってことなのかなぁ。
もちろん私は素の上原理生がどういう人かだなんて知りません。
俳優・声楽家としての理生さんが好きなので、私にとって舞台の上の理生さんの姿が全てです。
語弊を恐れずに言えば、プライベートはどうでもいいし、仕事以外の姿を深く知りたいとも思いません。
けど、本来はこういう人なのかなってのが感じられるとなんだかほっこりしてきます。
と前置きをしたうえで、今回の瀬野陽太くんについて。
陽太くん、なかなかめんどくさい人ですね(爆)
純真無垢で素直でまっすぐで、近くに居たらちょっと距離を置きたいと思いそうなくらい一本気で頑固。
でも可愛かったなぁ。
理生さんが演じる姿を見て可愛いと感じる自分が新鮮でしたが、陽太くんは本当にかわいい。
年齢設定よりもさらに若く見えて、あったかいものたーんとお食べと言ってあげたくなるような可愛さがありましたね。
そして、等身大でまっすぐな陽太くんの抱える憤りや葛藤の裏にある想いが見えたときはハッとなりました。
もがいて苦しんで弱みをさらけ出して、そうやって人は成長していくんだなぁなんて思ったり。
そこにいるのは確かに理生さんなんだけどでも理生さんじゃない。
瀬野陽太という一人の青年の成長過程をまざまざと見せつけられた気がして胸が熱くなりました。
陽太くん、ほんとうにきらきら眩しくて、切なくて。
ころころ変わる表情がひたすら魅力的でした。
ラストシーンの余韻も素晴らしかったなぁ。
みなさんの笑顔が咲き誇る満開のひまわりのように輝いていた。
ああいう、その後の展開を考えさせられるような美しい余韻のあるお芝居ってとても好きです。
夢かうつつか区別のつかない終わり方って見てる側の感情に気持ちの良い余白を残してくれるからたまらない。
あれは夏の夢だったんだろうか。
何故だかふと、学生時代に観に行ったストプレのことを思い出しました。
友人に誘われて、同じ大学の小劇団の公演を一緒に観に行ったのです。
演目は「アルジャーノンに花束を」。
登場人物は本当に少ないし大道具もほとんどないしセットも変わらないのだけど、それでもものすごく衝撃的でした。
特に、IQが低い時と高い時とをガラッと別人のように演じ分けるチャーリー役の人がすごかったんです。
冒頭は喋り方も仕草も本当に本物の「白痴」にしか見えなかったので、その彼が知的で傲慢な天才としてはきはき
喋っている姿はまさに顎が抜け落ちるくらいの衝撃でした。
人間ってここまでできるんだ。台詞と演技だけで世界ってこんなにも広がりをみせるんだ。
演劇って無限の可能性を秘めているんだなぁ。
そう感じて、本当に面白いなと思いました。
にっぽん男女騒乱記でも、内容は全く違うけど、同じように感じたんです。
ミュージカルと違って歌が無い分、余計に等身大の人間として迫ってくる感じがあって。
とてもじゃないけど舞台の上っていう狭い空間でしかもたったの5人だけで展開されているとは思えないほどの
広がりと膨らみと奥行きと深さがあって、「うわぁ……」ってなりました(語彙)。
本当にいいお芝居だった。観に行けてよかったです。
あと陽太くん歌上手すぎるね!もっと聞かせて!!(笑)
アフタートークではみなさんの打ち解けた空気が垣間見えてほっこりしました。
理生さんの心がバイカル湖並みの透明度だってお話、頷きつつもにやにやしちゃいましたよ。
ひとつ、質問が理生さんに集中しちゃったのが少し残念だとも思ったけど。
なんだか恐縮してるように見えたし、せっかくの機会だからみなさんそれぞれの話も聞きたかったなぁと。
まぁなごなごした雰囲気だったので良しとしましょう。
にっぽん男女騒乱記は理生さんにとっての初めてのストプレだったわけですが、本当に期待以上でした。
正直歌わない理生さんって無駄遣いにも程があるよなぁとかチラシの雰囲気的に楽しめるか心配だなぁとか
色々思ってたわけだけど、そんなの軽々と吹っ飛ばしてくれたというか。
台詞も多いし方言だし冒頭の早口のとこは特に大変そうだと思ったけど、それでも贔屓目抜きで見ごたえがあった。
5人の熱量とバランスががっちりかみ合ってて、その中に理生さんがいること、本当に凄いなぁと思いました。
この経験を経たうえでのほぼ歌わないピアフ、どんな理生さんが観られるのかとても楽しみです。
待ちきれないよ!!
ピアフの感想は年内でちゃんと仕上げてブログに書きたいです。
あとたまってる他の観劇鑑賞の感想もできれば…!
1年ちょっとの間にちゃくちゃくとミュオタの階段をのぼり、次から次へと観たい舞台・観た舞台が増えていきました。
ええ、たくさん観に行きましたとも。人間の欲望って怖いなぁ…。
今後は明後日のピアフ、そのあと確定してるのはバリトンコン→マリーアントワネット→イヴサンローラン→ロミジュリ!
サンタさんにお願いできるならお金か油田が欲しいです。切実です。
良い子にしてますから、何卒よろしくお願い致します。
いのちを吹き込む ―革命家トリオ人形制作過程―
今日は待ちに待った1789のDVD発売日!
そして理生さんのお誕生日!!わーいめでたい!!!
DVDが届いたのでわかりやすく浮かれた感じでお写真撮ってみました。
イメージはソレーヌちゃんの働くカフェでロべピとデムーランに誕生日を祝ってもらってるダントンです(笑)
ちなみに机上のグラスとボトルは100均のマグネットをバラしたやつ、その他は以前ムーミンカフェで買ったものです。
ジャストサイズ!
というわけで、もろもろを記念してこの記事では革命家トリオ人形の制作過程を振り返ります!
本当はバスティーユデイに持っていきたくてがんばったのだけど間に合わなかったお人形。
完成写真と制作過程は以前Twitterにも載せたけど、写真とか文字数に限度があるし、
それだとお人形に込めたアツい想いが語りきれない…!
というわけでここでは制作過程を写真と共にまとめつつ、大変だったとことかこだわりとかわりと長めに語ろうと思います。
作ろうと思ったきっかけはいくつかあります。
・もともとお人形を作って国内外のフィギュアスケーター達にプレゼントしていたこと。
・プレゼントして喜んでもらえるのが嬉しい反面、手元に残らないのをちょっぴり寂しく思ってたこと。
・観るたびにハマっていって1789がだいすきになった今、この気持ちを何かしらの形で表現してみたいと思ったこと。
・何回見てもりょんさんのロベスピエール(特に三部会!)がお人形にしか見えなくて、これを形にしてみたいと思ったこと。
こんな感じでいろんな思いが重なって、ふんわりと自分用に作るなら革命家トリオがいいかな~なんて思ってました。
Twitterで「博多座公式さんによる【革命記念日コスプレイベント】なる祭り情報の発表」を見かけたとき、
そのふんわりした思いが一気に現実味を帯びたのです。
私は期日が無いとなかなか制作できないタイプです。
なおかつ完成は期日ぎりぎりになるタイプです。
夏休みの宿題は8月後半に泣きながら死に物狂いで取り組んで帳尻を合わせてきました。
学校の宿題ですらこうなのですから、ましてや自分用で誰からも怒られないとなるとなかなか重い腰が上がりません。
自分が博多座に行くまさにその日にイベントが開催される、しかも1789にちなんだものを身につけるだと!?!?
この機会にそこをめがけて制作を開始すべきでは!?!?!?
てなわけで、お人形を作ってクリアバッグに入れて持ってこうという風に計画が固まり始めました。
そっから始まったのが恐怖の材料探し。
これまでいくつかスケーターさん用のお人形を作ってきたので、ある程度布の在庫も増えてきてはいました。
ところがそれはあくまでもスケート衣装用。
ツーウェイトリコットみたいに、伸縮性があって端の処理がいらない生地ばっかりなのです。
これじゃ全く使えない…!
てなわけでいつも行く生地屋さんを片っ端から漁りましたよ。
さながらバーゲンのワゴンセールに向かうオバちゃんのごとき勢いで、3階ある店内中のハギレをひっくり返しまくりました。
だってロール状のでっかいとこから生地切ってもらうの大変じゃん。できればハギレになってるやつが良い。
で探すこと2時間、結局この1回じゃ揃わなかったんですけど、何とか妥協ポイントを見つけて購入に至りました。
何が難しいって、革命家トリオの上着の茶色部分の色味が3人とも微妙に違うんですよね。
あのちょっとずつ違う茶色の生地を、しかも人形制作しやすい厚みと質感のものを、
お店の中の膨大なハギレの山から見つけ出すわけですよ。
結局ハギレじゃ足りなくて何本かロールから切ってもらいました。
110cm幅とかで最低30cmからしか切ってもらえないので、お人形だとどうしても余るんですよね。
30cm四方あれば十分すぎるくらいだもの。
ちなみダントンの上着が絶妙に違う2色をはぎはぎしてあるのは気づいてましたが、
人形サイズでそれをやるのは無謀なので無視しました。
そんなこんなで入手した絶妙に違う茶色、結局ほぼ使わなかったのですがね。
なぜかというと(人形比で)分厚くてうまく襞が作れなかったからです。とほほ。
あとはズボン探しにも苦労しました。
ロベスピエールは上着部分よりも少し濃いめのデニム生地、ダントンは角度によって緑にも茶色にも見える生地、
デムーランはほんのりストライプの入ったような灰色の生地。
デムーランのズボンがなかなか見つからず、結局裏地みたいにめちゃくちゃ薄い生地の裏に黒の接着芯を
アイロンではりつけることで形になりました。
生地を揃えるのがこんなに大変だったのは初めてだよ!
というわけでこっからようやく制作です。
以前スケーターさん用で4体同時に作ったことはありますが、このサイズで3体同時制作、しかもこの複雑な衣装、
なおかつ生地探しに難航とあって、この時点ですでに革命記念日に間に合わせるのは絶望的な感じでした。
だがしかしやるぞ!
諦めたらそこで試合終了なんでしょ、ね?安西先生?
いつも通り手足と頭をざくざく制作。
スケーターの女の子だと手足の太さほぼ同じだったりするんだけど(つまり足がほっそい)、
今回はちゃんと手よりも足を太くするために芯材を多めにしてあります。
ここでこだわりポイント。
あとで目と口と眉毛をつけるとまた印象変わるけど、この時点で3人の顔の大きさに変化をつけてみました。
りょんロべは思いっきり小顔に、デムーランはふつう、ダントンは少し大きめに(理生さんごめん)。
「単体でみて似てる」ってだけじゃなく「3人単位でそっくり」に仕上げたかったので3人のバランスにも気を配ってあります。
そして足に一本ずつズボンの布を重ねていきます。
ここでまたこだわりポイント。
りょんロべの足は思いっきり細くスキニーで、デムーランも細身なんだけどズボンにちょっと余裕がある感じ、
ダントンは太ももがみっちり詰まったように、と3人のバランスを大事にしてみました。
デムーランのズボンが最初わりとスキニーになっちゃって、一度ほどいてやり直したよね。
さらにいつもはスカートで隠れちゃう足の付け根もズボンだとがっつり見えちゃうのでかなり気を使って縫い付け。
自立はできないけど、座っても立ってもおしりまわりが違和感ないようにうまく取り付けられたと自負しています。
足がついたら上半身に取り掛かります。
やっかいなのが装飾の細かいそれぞれのベスト!
ロベスピエールは2色使いでボタンがずらっとだし、ダントンはシンプル目だけど細かいカーブの編み編みがあるし、
なによりデムーランがめんどくさい。
というわけでまずは比較的さらっと行けそうなロベスピエールとダントンのベストを縫い始めました。
ざっくり型紙を取って、ダントンの編み編みだけ刺繍して、そのまま直に縫い付け。
ロべピのには銀色の丸小ビーズをちまちまと縫いとめていきます。
そして一番めんどくさいデムーランのベストに取り掛かるべく、改めてお写真を見返したのです。
デムーランだけベストが何気に2つ重ねだと!?さらに紫ベストに黒い縁取りがしてあるだと!?
斜めの2連の革ベルトも気になりましたが、ベストだけのお写真を見てみるとそこについてるわけじゃなさそうなので、
これは上着のコート側についてるやつですね。
そうか、だからデムーランの上着の上半身部分はあれだけ踊ってもめくれあがったりずれたりせず
ぴったりお腹周りに固定されてるのね。なるほどなるほど。
デムーランのベストにほつれ止めした黒い布を細く切ってちまちま貼りつける作業、まじでめんどかったです。
この時点ではコート着せる気満々だったのでベストの後ろ部分はちょっと手抜き。
襟もちょっと手抜きで、三角のカケラ2つを縫いとめてあるだけです。
で、デムーランだけ首元のリボンを先に結んで、ベストの中に入れ込む形にしてあります。
この首元のリボン、ほんとうに厄介…!
ちなみにほかの二人はベストをつけてからリボンを結びました。
このリボンの話はまた後ほど。
デムーランのリボンのアップだけ先に写真載せときますね。
(右端は息抜きのハーゲンダッツ(笑)甘いもの食べないとやってらんないよ!)
ベスト部分が形になったらお顔づくりです。
お人形制作、この工程がいっっっちばんたのしいんですよ~。
人形に命が吹き込まれる瞬間…!
目がついて眉毛がつくと、一気に「うわぁああああかわいいいいいいいい」ってなります。
うまくいくと自画自賛の嵐で小躍りしたくなります。
でも逆にここが一番難しい。
なんせ文字通り人形の「顔」がここできまるんですから。
お人形、目のビーズの大きさは同じだし、なにが「その人らしさ」を醸し出すかって目の位置と眉毛の形だと思うのです。
てなわけで、3人が一緒に映った写真を元に、顔のバランスのどこがどう違うのかをわりと時間をかけて自己分析。
こちらの画像を参照しました。
りょんさんは顔のパーツが下の方にキュッと集まってて(かわいこちゃんの鉄則ですね)、
目は少し離れ気味、眉毛は細くてほんのり憂いを帯びた感じ、目と眉毛の間隔が狭い。
理生さんは顔のパーツは真ん中めで、眉毛は太くてきつめの山型、くっきりめな印象の口元。
大輔さんは若干面長で目と眉の位置が少し高め、眉はそんなに細くないけどすっと優しげな印象、穏やかな表情。
出来上がりで見ちゃうとほんのちょっとの差なんだけど、この細部をいかに意識できるかでお顔の印象が
本当に変わるので、この過程はいつもすごく大事にしています。
目はいつもやり直しナシの一発勝負です。
チャコペンでちょんちょんって位置を決めたら、深呼吸して一気に刺します。
このときしっかり糸を引き締めて目が顔にめり込むようにするのがとっても大事。
しっかり引いても頭部分のわたが相当みっちり詰めてあるので大丈夫なんです。
目が終わったら眉毛と口もチャコペンをして刺繍。
この時、左右対称になってるか、糸を引きすぎていないかに注意しながら、丁寧に刺すのが大事です。
りょんロべの眉毛だけ1本取り、あとは2本取りで返し縫いで刺繍していきます。
私的なこだわりで、眉も口も4針ずつでしあげています。
こうするとカーブが描きやすいし左右対称にしやすいんです。
こうやって顔ができてみると、だいぶ似てるんじゃない??
ひとり部屋でだいぶテンションの高くなる私。
なおこの時点で7月13日夜10時半過ぎ!
確認しとくと、7月14日の観劇のために作り始めたんですよ、この人形たち。
私の家は京都で、観劇するのは博多座です。間に合うわけがない!!
私の中の安西先生が「諦めたらそこで試合終了だよ」と穏やかに語りかけてきますが、無理な気しかしません。
さて、ここから首元のリボン結びの過程をまとめて紹介します。
ちなみに、ここにきてようやくゆんロべとりょんロべのズボンの色及びリボンの違いに気づくという。
ゆんロべの方が解像度の高い画像が多かったから参考にしてたのだけど気づいてよかったあぶなかった…!
で、いろんな角度の写真を見比べるうちにこれはアスコットタイってやつの結び方だと気づいたんですね。
リボンとかネクタイとかスカーフじゃなくアスコットタイ。
Twitterで見かけたのが印象的で覚えててよかった。
参考までにこんな感じの奴です↓調べると色んな結び方が出てきます。
これを人形サイズで再現する!ひゃああたいへん…
それぞれの色のリボンを買いに行く余裕などなかったので、手持ちのリボンに裏技を使いました。
デムーランは白いリボンに黒の名前ペンでガシガシ着色(目指せ紺色っぽいリボン!)、
ロベスピエールは赤いリボンに斜めストライプになるようにまたまた名前ペンでガシガシ着色(目指せ赤紺ストライプ!)、
ダントンは白いリボンに山吹色の染色ペン(わざわざこのために買いに行った)で斜めストライプになるようにガシガシ着色。
ダントンのは色が濃すぎたので、リボンを水に浸してキッチンペーパーでトントンしまくるという力技で色抜きをしてあります。
急いでてこの過程の写真を撮ってないのが残念…。
そうして出来上がったリボン、これを人形の首に結んでいきます。
指じゃ限界があってピンセット使いながらやったよ!
YouTube先生で「アスコットタイ 結び方」って検索してがんばりました。
それぞれ違う名前の結び方なんだけど、どんな名前だったかころっと忘れました。ははは。
ロべピとダントンのアスコットタイはこんな感じ。
思ったよりもこの過程に時間がかかってしまった…!
リボンが少しハリのあるかためのやつで、さらに着色してもう少し固くなってるので、けっこう大変でした。
余談なんですけど、ここまで来てちらっと「これレミゼも作れるな」なんて思ったり。
だって学生たちってアスコットタイ巻いてるよね!?
2019年に向けた壮大な野望がいま始まる…?
首元が整ったので次に腕を取り付けます。
ここでのポイントはりょんロべだけまっしろな生地を使用する点。
ダントンとデムーランも微妙に色が違うんだけど、手持ちの布では限界がありました。
ほんとの白さの度合いはロベスピエール>>>デムーラン>ダントンって感じ。
ロべピはまっしろないわゆるオフホワイトで、デムーランがアイボリーで、ダントンがクリーム色って感じでしょうか。
そしてここからお人形作りで一二を争うくらい大変で楽しい工程!
そう、髪の毛~!!!
お人形を「わ、似てる!!」と思ってもらうためにとっても重要なのが髪形なのです。
ここではダントンについて詳しく紹介。
というかロべピとデムーランは急ぎすぎててお写真が少ないのですよ。
まずはチャコペンで生え際のラインを引きます。
このとき髪の分け目となる部分もちゃんとライン取りするのがだいじ。
ダントンは6:4くらいで分け目があるのでそこにも線を引きます。
あとはひたすら髪の毛を縫いつけていく作業。
生え際が終わったら後頭部も2段くらい髪の毛を縫いつけていきます。
ハーフアップやポニーテールの場合とおろしてる場合はここの縫いつけかたが違ってきます。
で、こっからが本当の勝負開始!
ダントンのくるくるヘアーに挑むのです!!
エンタメカフェで理生さんがくるくるは地毛で天パだと言ってて、その時は「わ~たいへん」程度しか思ってなかったのだけど、
ここに来て地獄を見ました。
深夜、髪の毛を6本1セットでひたすら竹串に巻き付けてひもで結びとめる単純作業の繰り返し、その数20数本……
1本巻くのにだいたい3分くらいかかるんですよね。
最後の方は慣れてきたけど、それでも雑にやるとほどけちゃうのでそこまで
手間も省けないし、結局この作業だけで1時間半近くかかりました。
日付が変わる前に始めたこの作業、あっちゅうまに日付をまたいでおりました。
髪の毛だけで2時間半!最長記録更新では?
いくら巻いても終わりがみえなくて、本当に涙が出てくるくらいしんどかったです。
だって翌朝6時台の新幹線に乗る予定だからね?わたしいい加減寝たいよ??
かつてこれほど推しの天パを恨んだときはあっただろうか、いや、ない!!!!!
てなわけで地獄の巻き巻き作業が終わったらカール固定のための作業。
髪の毛以外に液体が染み込まないようにガムテープで固定したらこんなあやしい見た目になってしまいました(笑)
この日は2時半就寝。
こうなったらもうやけくそ。
翌朝4時に起きてデムーランとロべピの髪の毛を縫いつける作業に取り掛かります。
2人ともとりあえずぐるっと一周縫いつけるところまでは完了。
この時点で5時半…!あと30分で家出なきゃ!
てなわけでバスティーユデイには間に合わず、泣く泣く未完で作業中断をすることとなりました。
あまりに悔しくてお人形と裁縫道具ひとそろいを博多まで持ってったよ!
結局ホテルでは疲れすぎてて作業出来なかったけどね!!
ちなみに革命記念日に合わせてここまで頑張ったのに間に合わなかった悔しさから、
トリコロールアクセサリーを制作すべくリボンも持っていきました。
博多駅の新幹線待合室の奥にあるパソコンスペースでお裁縫する変人、それが私。
15分くらいで雑にカンカン帽にリボンを取り付け、イヤリングを作り、
ばたばたしながら博多座へと乗り込んだのです。
この日の観劇の感想は別記事(『バスティーユデイ!!!』)にて。
ここからしばらく制作の間があくことになります。
革命記念日マチソワを経て7月15日夜に帰宅。16日は祇園祭宵山案内、17日は山鉾巡行観覧、
18日はモーツァルト!大阪千穐楽、20日に帰省、24日~29日は友人と北欧旅行、とばたばたの日々。
なかなかお人形に取り掛かる暇もなく、爆発ヘアのダントンとメデューサみたいにバサバサロン毛の
ロべピデムーランを放置する日々が続きます。
ちなみにダントン、最初は王族もびっくりな完璧縦ロールだったのだけど、
1本1本ほぐしたらけっこういい感じになりました(笑)
ようやく制作を再開できたのは7月29日夜!そう、1789大千穐楽前夜…!
この日の朝にスウェーデンから帰国したばかりで時差ボケばんざいな感じでしたが、ここまできたら
何が何でも完成させるしかありません。
実家にて、ロべピとデムーランの髪の毛を写真を見ながら一生懸命まとめていきました。
それぞれの髪形、再現するのが結構大変でした。
ロべピは前髪がポンパになってて(再演の途中からだよね?)、緩めのウェーブがかった感じでくるりんぱで一つ結びして
黒のべロアリボンで結んでて、ポンパの両脇の毛がゆるくカールして両脇に流れてて、毛先はすべてくるくる。
デムーランは分け目はないけど7:3くらいで毛の流れがあって、リーゼントみたいに面で盛った部分があって、
シンプル目な一つ結びをベージュの紐みたいなのでくくってて、耳の後ろからおくれ毛が出てて、毛先は軽くワンカール。
この2人はダントンよりもゆるめのカールにしたかったので、細めのストローに巻き付けて一晩放置しました。
なおカールをかけてる写真は撮り忘れた模様。
そのあいだにダントンも散髪。切って切って切りまくりました。
左下のダントンの散髪風景、まるで剛毛多毛の私のカット後の美容院の床を見てるかのような気分(笑)
地肌が見えちゃう部分に毛を足し、浮いた部分を撫でつけて接着剤でとめて完成です。
翌朝、髪の毛がストローに巻き付いたままのロべピとデムーランと裁縫道具を持ってセントレアへ。
スーツケースを預ける直前、机と椅子のあるスペースで最後の仕上げに取り掛かりました。
ストローを外してカールの長すぎる部分を切って整えてようやくお人形完成です。
あまりに急いでて写真撮ってないのが悔やまれる…!
大千穐楽間に合った!!!ひゃっはーーーーー!!!
ぶれすぎてて笑えますが、当日はこんな感じで透明のショルダーバッグに入れて博多座に持ち込みました。
というわけで改めて完成写真をば。
ピントが甘いやつもあるけど大千穐楽観劇後にホテルで浮かれて撮った写真なので許してくださいな。
まずは3人の集合写真。
ダントン
デムーラン
こんな感じで完成したお人形、今は部屋に飾って楽しんでます。
パソコンに向かって作業中とかごはん食べてるときとか、日常のふとした瞬間に目が合うとなかなか癒されるのです。
大変だったけど作ったかいがあったなぁ。
ちなみに1789DVD発売日に合わせてブーツを履かせようと思ったのだけど間に合いませんでした。
またブーツが履けたら追記しようかと思ってます。目標は年内…!
いつもわりと文章ばっかのブログだけど今回は珍しくお写真をいっぱい載せてみました。
いかがでしたでしょうか?
なかなかこうやって詳しく振り返ることってしないので、自分でも書いてて楽しかったです。
次に作るのはNHK杯でプレゼントする用のスケーター人形と別件でオーダーして頂いている赤ちゃんのお人形!
今年も残り少なくなってきたけどまだまだいっぱいお人形を作りそうです。
今度こそ無茶せず計画的に作りたいな~。
おまけ。理生さんお誕生日おめでとうございます!健やかかつ笑顔あふれる一年となりますように!!
いちねん。
タイトルの通りです。
今日がちょうど1年なのです。
何から1年かって?
私が理生さんを初めて観て、その歌声に圧倒されて、どぼんと底知れぬ深い沼に飛び込んだあの日からだよ!!!
というわけでお久しぶりです。
いやーいつぶりでしょうか。
そう思って見返してみたら、バスティーユデイの記事以来でした。
わーお随分前だね!もっと書いてるかと思ってたよ!!
そういえば1789DVD発売日も決まりましたね!!おたんじょうび!!!
1789の感想記事、いくつも下書きにたまっています。
あとほんの少し手を入れたら公開できるのに。
下書きには他にも、合間で行ってきた北欧旅行記や思い付きで和樹さんのライブに行っちゃった話なんかもあるのです。
もちろんにっぽん男女騒乱記も観劇済ですよ!
色々書きたいことはいっぱいあるけど、上半期精力的に動きすぎてたまった疲れと、9月にあった年2回の修羅場のための
準備などで、じっくりパソコンに向かう時間を取れずにいました。
でもね、今日は特別。
なのでここまで書きかけのもの全部すっとばして、あの日の理生さんから始まったミュ沼についての話や、
実際に熱は冷めちゃったか否かなどについてさらっと書こうかと思っています。
まずはおさらい。
私が上原理生氏を初めて観たのはレミゼ名古屋公演2017年10月3日マチネです。
その時の様子については以前からアツく語っているので割愛。
いちおう該当記事のリンク貼っときます。
改めて読み返してみたら気恥ずかしいですね~。
けどぴゅあ。ものすごくぴゅあ。
最初の頃に感じたこの気持ちって、何度も観るうちにそれが当たり前のようになってきてしまうから、時々読み返すと
そのぴゅあさが眩しくて目がつぶれそうです(なんじゃそりゃ)。
あの時は1789に10回も通うなんて思ってもみませんでした。
そりゃそうだ。想定内だったらそれはそれで怖い。
さて、ここでがらっと話は変わります(笑)
先週末珍しく両親が車で関西に来ていて、姉と甥っ子と私の5人でドライブすることになったのですね。
で、まず私と両親が合流して姉の家に向かう途中、父が「新しいカーナビ、BluetoothでiPhoneの音楽そのまま
飛ばして聴けるから好きなの流して良いよ~」って言ってきたのです。
で、最初はグレイテスト・ショーマンのサントラをかけていて、それが終わったから1789のてぺさやverを流すことに。
父には「小池徹平と神田沙也加が出てるフランス革命のミュージカルで、私がハマってたやつだよ」と軽く説明しときました。
で、聴きながら「これが小池徹平?」「へー思ったより歌上手いんだなぁ」みたいに父が好き勝手言う感じの車内に。
そしてパレロワイヤルで理生さんが歌い始めた途端!
私が何も言ってないのに「おっこの人めちゃくちゃうまいね!感情表現も良くて演技力もある!」と父が言ったのです。
やーなんか嬉しいですね。いや、私が褒められたわけじゃないけど、でも嬉しい。
父は学生時代合唱団の指揮者をやっていて、わりと綺麗なテナーで、家でもうるさいくらい熱唱してるし、
最近また歌を習い始めたくらい歌が好きな人で、だからこそ自分の推しが認めてもらえた感じがより嬉しかったのです。
ちなみに1789一緒に観に行った母も「あの人ダンスはゴリラみたいだけどめちゃくちゃ歌がうまくて存在感あるよね~」と
褒めてるんだかけなしてるんだかわからない褒め言葉を言ってくれました(笑)
いちおう推しは理生さんとは言ってありますが、家族の前でこのブログみたいにアツく語るわけじゃないし、
観劇の感想と言っても全体的なことしか言わないので、ここまで理生さんに入れ込んでるとは思ってないかもだけど、
だからこそこちらが何か言う前にするっと褒めてもらえるのは嬉しいですよね。
さて、1年たって私の上原理生氏に対する思いは薄れたのか否か。
答えは当然「否」です。むしろ深くなる一方だよ!!
理生さんのおかげでミュージカルをいろいろ観に行くようになって、
「あ、この人素敵だな」「この役者さんいいな」と思うことは多々あれど、
やっぱり理生さんにはかなわないですね。
あの歌声と存在感は本当に中毒性がある。
文章を書くのは大好きだけど同時に超が5つついても足りないくらい筆不精の私が、こうして細々ながらもブログを
続けられているのは、ひとえに理生さんが「語りたくなる人」だからだと思います。
理生さんの歌って、ただ「いいな」「上手いな」ってだけじゃなくて、感情にダイレクトに揺さぶりをかけてくるイメージ。
聴いた時に脳内をぐるぐるめぐった感情と、その場面を後から思い出して湧き上がる感情と、そのどちらもなんとなく
自分にとって大切なもののような気がして、忘れる前にどう感じたかを書き留めておきたくなるのです。
ミュージカルの魅力って、やっぱり役者さんが感情を歌にのせて届けるところだと思うんです。
歌の持つ力って本当に強くて、同じ内容でもセリフで聴くのと歌になるのとでは刺さる強さや位置が全然違う気がしていて。
特に歌うまさんが紡ぐ歌のもつ求心力ってすごいものがあるし、幸か不幸かそれは現場じゃないと分からないことだと
知ってしまったので、こうして引き返せないところまではまり込んでしまったというわけです。
上原理生、恐るべし…!
理生さんのおかげでミュージカルの魅力に改めてハマって、理生さんが出ていない作品も気になるようになってきました。
1789に通ったせいで今ではソニンちゃんと和樹さんと大輔さんも気になる存在になっています。
タイタニックとMAとロミジュリはちゃっかり観劇予定に組み込んであります!
あとはピアフと、(行けるようなら)バリトンコンサート、そして大本命レミゼ、(サイゴンもくる…のか?)。
大晦日は家族で過ごすと決まっているのでジルベスターコンサート行けなさそうなのが残念すぎます。
いや~しかし今後も目白押しで楽しみですね!
スケートの方でも、11月の西日本選手権(名古屋)(チケット取れたら)、NHK杯(広島)(チケット確保済)、
12月の全日本選手権(大阪)(チケット取れたら)、来年3月の世界選手権(埼玉)(チケット取れたら)、
4月の国別対抗戦(福岡)(チケット取れたら)は予定に組み込んであります。
こんなんじゃいくらお金があっても足りないね!
油田掘り当てるか石油王とお近づきにならねば…!
レミゼの新キャストのお披露目のやつ、見事に外れてしまってショックだったのですが、
ここはその交通費を来年のレミゼ貯金に回せるのだとポジティブに捉えておきます。
東宝さん動画ちゃんと撮ってね!!歌唱部分はフルでYouTubeにお願い致します!!
そういうわけで(どういうわけなんだか)、今日を持ちましてついに、DelMond会員になるべく入金をしてまいりました。
今までファンクラブとか入ったことないし1年様子を見てからと思ってたのですが、1年たっても熱が冷めそうにないので。
諸先輩方お手柔らかに~。
バスティーユデイ!!!
大阪1789の感想を全然あげれてませんが、それより何より先に、この日の観劇の感想をしたためねば…!
1789年7月14日のバスティーユ牢獄襲撃を記念して(記念してって変な言い方)、フランスでお祭り騒ぎになる日です!
といいつつもう一週間以上たってしまったぞ…。
いい加減書かないと、また次の予定が迫ってきてるではないか…!
何度も言ってますが私はミュージカル好きである以前に自他ともに認めるフランス革命オタです。
そんな私にとって、この日に1789を観劇するのは必然でした。
きっかけは忘れたけど、博多座は大千穐楽以外はムリかな~なんて言ってたのをころっと撤回したのが5月12日。
その日のうちに、その時の所持チケ状況の兼ね合いでてぺねね回を増やすべく7/14ソワレを一枚購入しました。
そのあと和樹さんロナン回を初めて観て、ことごとく胸に刺さる演技に沼の入り口を観たのが6月3日。
一週間弱悩みつつ、どうせ14日博多まで行くならマチソワしちゃってもいいじゃないか!と、かーさや回も追加しました。
このチケット追加によって、気がついたら1789を計10回観劇することとなったとさ。ひゃー。
革命記念日だから、という以上の期待はしてなかったのですが、その後公式さんからイベントが発表されて歓喜する私。
スペシャルカテコなにそれたのしそう!そして、コスプレだと!?!?
さすがにキャストさんのコスプレをする勇気はありませんが、それでも何かしらで参加したいなぁと思いまして。
実はね、間に合わなかったけど準備してたものがあるんですよ。間に合わなかったけど。
これは何かって?完成したらちゃんとした写真載せます!
せっかくなので大千穐楽までに完成させて博多座リベンジしたい…!
ちなみに上のやつ作ってたのもあって、まさかの1時間半睡眠で博多に向かいました。
さすがに新幹線爆睡したよね~。
どうがんばっても制作物は間に合いそうになかったので、それならアクセサリーでも作るかと思って持って行った
トリコロールカラーのリボンと裁縫道具を使って、博多駅の待合室で帽子とイヤリングを制作するという暴挙に出ました。
あんまたいしたものじゃないけど下の方にお写真載せときます。
というわけで以下、7月14日革命記念日のマチソワの感想をば。
※いつも通りネタバレ注意です!
1789 7月14日マチネ感想
かーさやかなめさん回!
かーさや推しのわたし歓喜。これで和樹さんロナンを見納めとか考えたくない…!!
【幕間】
和樹ロナンがすきだ!だいすきだ!!
胸がかきむしられる。
なんて表情をするんだ。
感情の発露がすごい。
本当にその人を、ロナンを生きてる。
型ではなく、むき出しの生身の感情をそのままぶつけてる。
それが和樹さんのロナンなんだ。
ヘイハのデムーランの高音の安定感、いつも惚れ惚れするなぁ。
革命の兄弟でも、デムーランが歌い始めると毎度新鮮に「うまっ」ってなる。
りょんさんは低音ロックボイスで、渡辺さんはハリのあるミュージカルボイスだから、その対比がとても良い。
制作物との兼ね合いもあって今日はやたらと髪の毛の構造みちゃう…!
ロべピは前髪ポンパでちょろっと左右にも出てて、一つ結びがくるりんぱしてあって、おくれ毛と後ろの毛がくるんくるん。
デムーランは登頂部分がちょっと盛った感じに固めてある一つ結びで、おくれ毛と後ろの毛の先っぽがワンカールしてある。
ダントンはありのままのくるもじゃ(笑)で、右耳部分が少し留めてあって、左の前髪はそのまま垂れ流してある。
文字に起こすと何が言いたいかわけわかんない感じだけど、写真でも動画でもわからないこの細部の構造とか
ニュアンスを知るのが再現への第一歩なんですよ!!
今日の和樹さんのロナンはいつも以上に純真無垢できらきらした瞳をしていて少年みたいだ。
この人は瞳の光の量を調節できるんだな!?
父を亡くしたときやパリに出てきたときはやさぐれ感も強めで、粗野な感じが全身からにじみ出てるのに、
そこから革命の兄弟で瞳に希望の光が満ち満ちる感じ、たまらなく魅力的なのですが。
特にパレロワイヤルの少年っぷりがすごい。
今までガサツにけど真面目にいろいろ背負って生きてきたのが、ここに来て初めて「生きる楽しさ」を知った感じというか。
「紳士になれる」のところのダンスも力強くて楽しそうだし、間奏の暴走っぷりも跳びぬけてるし、本当に無邪気だ。
今日のロナンとダントンとの絡み、いつもと違う感じがあって面白い。
娼婦のスカートの裾をロナンが下すところ、今日はダントンが揺さぶるんじゃなくてドンっと思いっきり突き飛ばしてて、
ロナンがはははってかんじで歯を出して笑いながらがっつり上半身をのけぞってた。なにそれかわいい。
デムーランの記事をロナンが刷るくだり、ダントンの「寝てる間に刷ったのか?」にロナンがいつもなら頷いたり「ああ」とか
言ってると思うんだけど、今日は「うん。そう。」って小学生男児みたいな幼い感じで答えてた。なにそれかわいい。
デムーランが去っていった後、その方向に投げキスをしてから、空気を抱きしめながらキスを2回も繰り返すロナン。
それをみて(は?なにやってんだこいつ?)感を醸しつつツッコミを入れるダントン。なにそれかわいい。
「今じゃ本気で惚れているっ」といいながらエア自転車をこぐみたいに足を動かすダントン。なにそれかわいい。
あ、今日のパレロワイヤルのデムリュシのキスをみたダントン、「んなあああああああああ」じゃなくて
「なんだとおおおおおおおおおおおおお」って言ってて笑いました。声でかい(笑)
理生さん、今日も色白で豪快で美声でごつくてダンスがどすどすしててとってもダントンだ(褒めてる)。
ロナンの拷問シーンは今日もえげつなくえっr(以下自粛)
岡様が恋人のムチとイキイキ戯れてて、そのイキイキっぷりが狂気的に怖い(笑)
今日の焼きゴテ班、お衣装の肩がばっっとめくり上げすぎでは!?ち〇びがっっっつりみえてたのですが!?!?
これはえっr(以下自粛)
あとね、岡様がロナンにいらんこと吹き込むシーンの和樹さんの演技がめちゃくちゃ好き。
あの朦朧とする意識の中徐々に狂ってく目、最高にえっr(以下自粛)
セリが下がってく中、最後の気力を振り絞ってもがいてるのも最高だ!
あとね、脱獄シーンでの和樹さん、敬礼と同時に衣装の胸元パーン!ってはじけるのほんと好き(笑)
毎度にやにやしてしまう。パーン!
そして、和樹さんの歌う二度と消せないが好きすぎる。
1789のプロモ映像、初演も再演も徹平くんが肌に刻み込まれたものリプライズで和樹さんが二度と消せないじゃん。
最初はなんで別の曲なんだろうって思ってたけど、今ならほんとよくわかる。
徹平くんは革命色が強い少年漫画なキラキラで、和樹さんは恋愛色が強い少女漫画なキラキラだもの。
和樹さんの二度と消せない、低音から静かに始まって、恋を自覚して、全身に喜びがはじけていく感じ、本当に好き。
特に「言葉にできないこみ上げる思い」って自分を抱きしめながらくしゃっとした笑顔で歌うとこ、甘酸っぱすぎません…!?
いや~あれは反則。
全身からピュアな恋するオーラが出まくって浮かれまくっててしかもあのルックスなの、ほんとずるい(何が)。
今日の自由と平等はロナンの悲しみと苦しみが凄い。
エネルギーが塊となってものすごい熱量で押し寄せてくるんだけど、それが怒りではなく悲しみによるものなのが辛い。
和樹さん、ぼろぼろ泣きながら歌って踊ってた。こんなに泣いてるの初めて見た。
革命家たちと心の奥底ではわかり合いたいと思ってるのに、その道を信じきれなくて壁を作ってしまっていて、
でもその壁を作っているのが自分自身だってちゃんと気づいてて、そのことに対する悲しみがものすごく深い印象。
つらい。胸が痛い。
ロナンと共にこちらの感情もジェットコースターだ。
あとこれも書いとかなきゃ。
かなめマリー様、お歌はちょっぴり不安定なとこもあるけど演技がとてもよい!以前にも増してそう思う。
王太子がなくなったサンドニ教会のシーン、こちらに背を向けて棺にすがってるんだけど、その背中から
悲痛なオーラが漂ってて、顔が見えないのに気持ちが痛いくらい伝わるのが本当に凄いと思った。
あれだよな、セリフがセリフっぽくない。いい意味で。
作った世界、作られた話ではなく、本当に彼女の身に不幸が襲い掛かってるように感じられる。
彼女の悲壮感、罪悪感がこちらの胸に迫ってきて、息をするのが苦しいくらい。
これはラストシーンもとっても楽しみだ。
新歌舞伎座と博多座、舞台の幅もセリの位置とサイズも違って、演出にいくつか変更点があるね。
帝劇ではこうだったっけ?
ほぼ3か月前のmy初日の記憶しかないし、その時が初見だったから、そういう細部を覚えてないのがもどかしい。
あとで2幕のぶんとまとめて違いメモしとこ。
【終演後】
劇中いろいろと「おっ?」と思ったシーンがあったのに全部吹っ飛んだ気がする!
暗転とともにそわそわし始める観客。
私の近くの方、サイリウムの点灯フライングしちゃってたぞ!
1回目のカテコで一列になるところで和樹さんがスペシャルカテコについて説明。
「あれを、ね、出してください」「みなさん、それをぽきっと」みたいな慣れてなさ全開な感じ(ニュアンス)(伝われ)
劇場にトリコロールのあかりが広がってく光景をみて、キャストのみなさんが役を捨てた素顔で、
「おおおおお~っ」ってきらきらした顔になったのが微笑ましかった。
理生さんもほこほこした感じのいい笑顔だったなぁ。
そしておもむろに緊張した面持ちで360°カメラを取り出す和樹さん。
「これみんなもちゃんと写るから!」みたいに言いつつ「あれ?これでいいのかな?」みたいな。
かわいいです。
そしてキャスト全員がこちらに背を向ける感じで整列して、アンサンブルさんが構える一眼カメラでもう一度記念撮影。
ダントンとシャルロットの仲の良さ、後ろ向きで見てもプライスレスだよ!!
ドレスに沈み込んじゃったマリー様が立ち上がるのにみんなが手助けしてするのも微笑ましい。
にしてもこうやって大好きなカンパニーの皆さんとお写真を撮ってもらえるなんて予想もしなかった喜び…!
豆粒でも構わない!自分がどの辺にいたかわかってるし、同じ画面内におさまってるだけで十分!!
は~幸せ~~
しかし手元にサイリウムもってると拍手しづらいのが難点でした。
サイリウムどうしても振りたいし、そうすると拍手できなくてまばらになっちゃって申し訳ない気もするし、難しいなぁ。
ソワレではどうしましょうね。
スペシャルカテコでだいぶ吹っ飛んだので、2幕の覚えてるとこあっさり振り返り。
セリがおっきくなったから、パン屋襲撃(違)もソレーヌと女性たちが集団で登場してくるんだね!
ソロ登場じゃないからダントンの脳内アナウンスもなし(笑)それはそれでちょっと寂しい(笑)
でも前奏の時の後ろ姿の手の動きが帝劇でのお気に入りポイントだったから、それが復活したの嬉しい。
ソレーヌちゃん、樽の上に上って歌うところで少しグラッときたのか滑ったのか、登りきらず一段手前で歌ってたよね?
ちょっとどきっとした珍しい。何事も無ければよいのだけど。
きょうのダンソレちゃんどんな感じだったっけ?いかんスペシャルカテコのせいで記憶が…。
たしか、ソレーヌがちょっと怒り気味だったよね。「えなにあれ(おこ)」みたいな感じ。
で!やっぱり和樹さんの死に顔は反則ですよ。
なにあの笑顔。あんなに満足げな笑顔で先に逝っちゃうなんてずるすぎる。
革命なかばで命を落とす無念さとか、残された方がどれほど悲しむかなんて、和樹ロナンは微塵も考えてない。
自分の父は救えなかったけど、愛する人の父を救うことはできた、その満足感だけに浸りながら死んでいく。
なんてずるいんだろう。
めちゃくちゃ辛いのに本人だけは笑顔だなんて。そんなことってあっていいのか。
つらいつらすぎる。オランプちゃんソレーヌちゃん強く生きて…!
今日が革命記念日だからなのか、それとも博多ではこんな感じなのか、とにかく人権宣言のアツさが物凄い。
叫ぶ声からのりょんロベ、今日はあまり狂った目つきじゃない。あの「カッ」って感じが無い。
これまではわりと、「シトワイヤン!!!我々フランス国民が自由を勝ち取った!!今日!1789年8月26日!
人民の代表者たちは!全ての人の幸福のために!人権宣言を採択する…」って感じで後半decrescendoだったのに、
今日はラストに向かってどんどん高ぶっていってcrescendoで「人権宣言を採択する!!!」って叫んでた。
ロべピだけじゃない。みんな熱量がすごい。
人権宣言も、そのあとの悲しみの報いも、叫んでる。エネルギーのかたまりをぶつけてきてる。
悲しみの報いが一列並びなのも(私的には)新鮮だなぁ。
りょんロべがロナンの方を見上げてたのは新歌舞伎座限定なのかな?
1列の迫力と、ぎゅぎゅっと凝縮しての密度と、どちらも好きだ。
さぁソワレ!!!
1789 バスティーユデイソワレ感想
外のデジタル広告のお写真撮ったりマチネ後半の感想をしたためたりしてたらあっという間にソワレのお時間に。
こちらはてぺねねかなめさん!
ここ数回連続でめいシャルちゃんだったけどソワレはりんかシャルロットだ~。
【幕間】
この席最高だな!!!
1階後方一段高くなった席の通路側、ロベピとデムーランが駆け抜けてった時めっっっちゃいい匂いした!!
風!!!!!
冒頭で横を通る岡様かっこよすぎるし視界良好すぎるし最高か!!
和樹さんの時もこの席で見たかったなぁ。
ところでここにきて1時間半睡眠のツケが…
マチネではめちゃくちゃ感想書けたのに、今は思考が追いつかないぞ~
キャスト違いのマチソワでまず思ったこと。
徹平くんロナンはヤンキーっぽさとか世慣れた感じとかもあって、ほんと和樹さんのロナンと全然違うなぁ。
そしてなにより、徹平くんの少年感がすごい…!きっとこのロナンは高校生くらいだ。
徹平くんが理生さんより年上ってやっぱり嘘だ!(錯乱)
ところで実際のところロナンの年齢設定っていくつなんだ?
徹平くんの革命の兄弟の「俺にも幸せ求める権利がある」「やりたい仕事に就く権利がある」の、
「権利」の「り」と「ある」の「る」の歌い方がくせになる。なんというか、軽やかに力強く強調してる感じ。
徹平くんのロナンは豆鉄砲みたいな勢いの良さと洗練された感じと若くしていろんな経験を積んでる感じがある。
ダブルキャストだと色んな「主人公像」をみることができてほんとたのしい!
ねねンプちゃんの姿勢の良さ所作の美しさは国宝級だなぁ。
さすが元宝塚。良家のお嬢様感が仕草に満ち満ちてて、その中に凛とした強さもあって、ほんとに美しい。
さやンプちゃんが努力の才女でねねンプちゃんは天性の才女な感じがあるというか。
どちらも好きです。美人は癒し。
シングルキャストのみなさんは多少お疲れだろうか。
マチネよりもちょっと控え目かなぁ。高音当たってない人もいたし。
にんげんだもの。いつもおなじ出来じゃないのは当たり前だし、それこそが生の醍醐味だよね!
なお見てる私も疲れてます。ちょっと寝たい。
(となりのお2人が観劇ビギナーっぽくてごそごそ動いたりこしょこしょおしゃべりしたり咳そのままごほごほしちゃったりが地味につらい。)
【終演後】
目が!覚めた!!気がするよ!!!
スペシャルカテコ、ソワレも楽しかった~
サイリウム点灯、シングルキャストさんたちがちょっと慣れた様子で、それでも嬉しそうに客席を見渡す中、
口を開けて目をキラキラさせて「おお~」って客席を見る徹平くんとねねちゃんの可愛さよ。
360度カメラを取り出して、「これ寄った方がいいカンジになるみたい」ってな感じのこと徹平くんが言って、
ロナンの周りにぎゅぎゅっと集まるキャストのみなさんたち。
ぽちっと推し損ねたのか、「あれ?音ならへん」(ニュアンス)みたいなこと言って撮り直しする徹平くん。
ソワレはカメラマンさんが袖から出てきたぞ~。
相変わらずダントンおじさんとシャルロットちゃんは仲良しである。ほほえましい。
で、はけてくキャストの皆さんに向かって観客が拍手するんだけど、やっぱり手にサイリウムあると音がスカスカ。
徹平くんがすかさず「振るのと拍手とどっちしろっちゅうねん!って感じですよね~」とつっこんでた。さすが関西人。
で、こっからいろいろ振り返りたいんだけど、やっぱり体力的に限界が近いようです。
だから順不同かつあっさり目に振り返り。
悲しみの報いで、いつも狂ったように自分のパートを泣き叫んで歌ってるりょんロべが、このソワレでは
眉を八の字にして、儚げな表情をしたまま、すっとしたトーンで「歴史の波間に浮かんで消えてゆく」って歌ってて、
この人そのまま幻みたいに消えちゃうんじゃないかって心配になるくらいだった。
その前の叫ぶ声の人権宣言の所ではね、おでこに血管が浮かんでて、ぷちっときれちゃうんじゃないかって勢いで
「人権宣言を採択する!!!!」って絶叫してたからから、そのあまりの落差に胸をえぐられる感じがあった。
ほんと、す~っと消えちゃいそうだったんだ。あまりにも儚くて、壮絶なまでの美しさだった。
新歌舞伎座仕様のコンパクトなバージョン悲しみの報いだと、りょんロべの隣が陛下で、
感情を爆発させるロベスピエールの隣で同じくらい必死の形相で訴えるように歌ってる陛下が印象的だったのだけど、
博多座では並びが横に1列だから2人が隣にならなくてちょっと寂しい。
陛下とマリーのシーン、本当にもどかしくて切なくてとても好きなんだよなぁ。
かなめマリー様の、慈愛に満ちてて、人生をすべて受け入れる決意と覚悟とやさしさに溢れた演技が好きすぎるし、
その手をつかみきれずに話題を逸らしちゃう陛下がいじらしすぎるし、あれは泣くしかない。
そしてここに来てようやく自覚した。
1789で一二を争うくらい銃撃戦のデムーランのダンスが好きだ!
あれはヤバい(語彙)。あまりに軽やかででも男性らしいカチッと感もあって何よりせくすぃ~(こら)
ほんと、体温が2~3度くらい上がってるんじゃないかレベルで好きだ。
渡辺さん、ダンスも歌も上手いしイケメンだし見れば見るほど「ひっかかる」存在になっていく。
1789は随所に沼の入り口が見えてて危険すぎる…!
サイラ前のダンソレをガン見するのに全て賭けてるのに、その記憶が吹っ飛んでてつらい。
ああダンソレちゃん…。
そういえば、通路側だしロべピとデムーランの甘くかぐわしい香りも堪能したし、これは二幕冒頭
理生さんの生声聴けるのでは!?!?とわくわくしてたのだけど、私の真横を無言でざっざって通り過ぎてって、
前方に到着するくらいから歌い始めだったので、「推しの歌声を真横で聴く」の夢は叶わず…。無念!!
けど決意に満ちた理生さんの横顔、一瞬であってもすごく印象的だったなぁ。
新歌舞伎座とのセリの使い方と演出の違いメモ
・中尉の机が飾りじゃなくてちゃんと機能してる。
・「さっそく」「殿下に」「ご注進」が上手から下手へ。
・印刷所への手入れ後、セリをよっこいしょってよじ登って現れるロナンと印刷工。
・バスティーユ脱獄後、ロナンがオランプを抱きかかえて地下通路という名の客席へ。
・ソレーヌパン屋襲撃の報を聞いて袖花道から袖に消える革命家トリオ(通路に降りない)。
・パン屋襲撃、ソレーヌと女たちがセリから集団登場。
・ロナンの死後、抱きかかえてセリの位置まで移動させる革命家トリオ。
…まだあった気がするけどすでに記憶が薄れつつあるぞ。
こんな感じでバスティーユデイたのしかったです!
前後に予定が詰まっててかつ寝不足でしんどい中でしたが行ったかいがありました!!
書いてるときは気づかなかったのですがマチネとソワレのこの文字数の差よ。
文量でお気づきかもですが、和樹さん沼に相当ずぶずぶいっているようです。
そして改めて言っとくと!私の最推しは!!上原理生さんです!!!我ながら言及が少ないよ!!
1789、ダントンががっつり美声を響かせる曲が後半にほしいと思ってるモンペ、それが私です。
パレロワイヤルも好きだけどね!!推しが楽しそうなら何より!!
ついでに今回の革命記念日でいっぱい撮った写真をば↓
博多座前の様子とか、夜の山笠とか、革命記念日で浮かれてる私の装いとか、貰ったサイリウム白×2とかです!
ぼんにゅい!!